発信元 有限会社都市開発推進協会         宅建業免許/神奈川県知事(4)第26166号                                                                〒251-0052 神奈川県藤沢市藤沢2丁目1-3                          電話0466-61-1346 FAX0466-77-4438                        代表取締役 鳥海 光夫                                            (公認不動産コンサルティングマスター相続対策専門士、1級FP技能士・マンション管理士)                                            毎日ブログを更新中:https://cdej.jugem.jp/

相続・住替えなど「不動産を売る!」を考えたら読むメルマガ

相続・離婚・ローンなど「家を売る!」を考えたら読むメルマガ(No.42、2024年8月20日号)

2024年08月20日



◎相続後の住まい / 配偶者が亡くなるまでの住居確保 / 配偶者居住権、専門家に相談トラブル防止や節税対策

配偶者居住権制度の利用者が増えている。20年4月に創設した同制度だが、亡くなった人(被相続人)の配偶者が自宅に無償で住み続けられる権利だ。主に夫を亡くした妻が住まいだけでなく、生活資金を確保しやすくするのが狙い。また、節税効果も高く、配偶者居住権制度の利用が増加している見方もある。同制度を実際に活用した際のケースを交え、制度の特徴や活用時の注意点を指摘する。

》》》》》「配偶者居住権制度」をもっと知りたい
https://form.os7.biz/f/dd59e452/

◆配偶者以外も活用可能な制度◆
被相続人の自宅を配偶者と子などが相続する際に、居住権と居住権を除く所有権に分け、それぞれを相続する制度になるのが配偶者居住権。この制度を活用できるのは、原則として被相続人の法律上の配偶者となる。配偶者以外の場合は、亡くなった人が所有または配偶者と共有していた自宅に死亡時に住んでいたり、被相続人の遺言や遺産分割協議で権利を取得するなどの条件があったりする程度だ。

たとえば、夫が他界し、被相続人の遺産が計約4,000万円で、内訳は自宅が土地・建物合計で約3,000万円、預金が約1000万円の場合、配偶者の妻と長女の2人で相続すると、いずれも法定相続分の2分の1を引き継ぐことになる。どちらも相続割合に異存がない場合でも、住宅と預金をそれぞれ折半すると預金の取り分は各500万円、住宅部分は簡単には処分ができないので2人の協議が困難になるケースもある。2人で話し合いを行うのではなく、司法書士を通じて専門的な事項を確認しながら話し合いを行うのがトラブル防止に役立つ。

◆年々増えている申請件数◆
相続が発生した場合、司法書士は配偶者居住権を利用するよう提案するケースが多い。配偶者居住権は不動産の権利の一部なので、評価額は所有権全体に比べ低くなるのが一般的だ。この権利だけなら評価額は1,000万円となる。また、預金は1000万円全額を相続しても全体の2分の1なので。長女は配偶者居住権を除く自宅の所有権2,000万円分を相続することになっても調整しやすいというのが大方の見方だ。

法務省の調べによると、配偶者居住権の認定登記の申請件数は21年度に937件と1,000件に迫る勢いで増加しており、20年度(301件)の3倍の申請件数を超えた。増加傾向は今後も継続しそうな気配で、配偶者居住権を利用するように遺言書を記し、配偶者当人に相続が発生していないケースが多いものとみられる。公正証書遺言の作成件数は、例年で約10万件といわれているが、遺言に配偶者居住権を盛り込むケースも増加基調にある。

◆法務局に登記が必要な権利◆
配偶者居住権を利用する際の注意点は何か――。手続きは簡単ではなく、配偶者が遺言や遺産分割協議で居住権を取得したら、法務局(登記所)で居住権の設定登記を行う必要がある。登記を行わなかった場合、第三者に権利を主張できないケースもあるからだ。極端な例では、登記を行わないと子が所有権を売却し、妻が住み続けられなくなる恐れもあるという、専門家の見方もある。

その意味で、配偶者居住権の登記は、居住権を持つ妻と建物の所有権を持つ子が共同で申請する必要がある。また、配偶者と子が相続する1次相続では、配偶者居住権の価値を計算し、把握しておきたい。配偶者居住権も相続税の課税対象になるからで、相続税がゼロの場合でも、遺産分割を公平に行うには評価額を明確化する必要がある。

①(配偶者居住権の評価)
=相続税評価額×{1―複利現価率×(耐用年数―経過年数ー平均余命年数)/(耐用年数―経過年数)}

②(敷地利用権の評価)=相続税評価額×(1-複利現価率)

》》》》》「配偶者居住権」の評価を依頼したい
https://form.os7.biz/f/dd59e452/

◆居住権のうっかり放棄や解除、課税トラブルに発展も◆
配偶者居住権の評価額は、建物と土地の価値や建物の築年数、配偶者の年齢などが影響する。登記も含め、専門家に頼めば費用が発生するわけだが、費用を出し惜しみして家族内部で行うと、親族間トラブルに発展することも。費用を出し惜しみしてはいけないケースとなる。

登記手続き後に配偶者居住権を放棄したり、解除したりすることが可能なのも特徴。ただ、この制度の前提は、配偶者が亡くなるまで権利を保持するのが基本的な考え方となる。たとえば、生前に居住権を放棄したり、子が合意の上で居住権を解除したりすると、妻から子に贈与があったとみなされ、子に対して贈与課税があるので特に注意を要する。

具体的には、妻が介護付き高齢者住宅や特別養護高齢者施設などに入居する際に資金が必要になり、自宅の売却を考えるケース。配偶者居住権を設定した状態では自宅の売却が困難なので、自宅を売却するのに居住権の放棄や解除をうっかり選択しまい、贈与とみなされて贈与税が発生する事例が発生しているという。

配偶者居住権は、自宅に居住しなくなっても持ち続けることができる権利。税金の負担面を考慮すると、なるべく居住権を手放さずに済む対策を検討、登記前にさまざまな事態を想定し、家族内で決めておくのが大切になる。併せて、配偶者居住権制度に精通した不動産仲介業者に相談するといいだろう。

》》》》》自宅マンションいくらなのか知りたい
https://form.os7.biz/f/bbf563b9/

◆2次相続まで視野に入れた活用を◆
配偶者居住権の活用件数が増加している背景には、相続税の節税対策もある。配偶者の保護を目的とする制度なので、配偶者本人が亡くなれば、権利は消滅するのが一般的。そうなると、配偶者が亡くなった際の2次相続では、居住権は課税対象にならないことになる。

たとえば、夫の遺産が自宅6,000万円と預金2,000万円で、配偶者居住権を活用せずに妻と子1人が半分ずつ(自宅3,000万円、預金1,000万円)を相続した場合。1次相続の際に小規模宅地の特例で相続課税もなく、その後も財産額が変化しなかったケースでは、2次相続で妻が相続した4,000万円分がそのまま課税対象となる。基礎控除3,600万円(3,000万円+600万円×法定相続人数の1人)を上回り、相続税が発生する試算だ。

これに対し、1次相続で配偶者居住権を活用し、妻が配偶者居住権2,500万円と預金1,500万円、子が家の所有権3500万円と預金500万円を相続した場合。2次相続での課税対象は預金1,500万円だけとなり、相続税は発生しないことになる。節税目的が顕著になると、制度自体の見直し機運につながり、使い勝手が悪くなることも。老親の住まい方や相続を視野に入れて「配偶者居住権」の活用を検討したい。

》》》》》一人残った親、家の相続をどうしたらいいのか
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