相続・離婚・ローンなど「家を売る!」を考えたら読むメルマガ(No.70、2025年3月4日号)
◎相続放棄・下 / 精査に多くの時間「熟慮期間の延長」を / 相続を知ってから3ヵ月以内に手続き必要
相続放棄の重要なポイントは「期限」にある。相続人は、被相続人の死亡を知ったときから3ヵ月以内に手続きを行う必要があるからだ。この期間は「熟慮期間」といわれ、手続きを何も行わずに熟慮期間を経過すると、資産と負債を全て引き継ぐ「単純承認」をしたとみなされる。つまり、相続放棄の手続きができなくなる場合がある。注意したい。今回は、注意したいポイントを取り上げる。
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◆相続財産の精査に多くの時間、期間の延長も◆
熟慮期間については家庭裁判所に対し、期間の延長を請求でき、延長件数は2021年時点で約91,000件に達している。不動産など相続財産の精査に時間がかかるといった正当な理由があれば、基本的に延長は可能なようだ。
また、熟慮期間を経過しても、被相続人と交流がほぼなかったなど、債務の存在を知る機会がなかったケースであれば、債務の存在を知ってから3ヵ月以内なら、家庭裁判所も相続放棄を認めることが多いようだ。
◆放棄するなら財産処分は不可◆
相続放棄を円滑に進めるには、ほかにも注意点がある。具体的には、熟慮期間中は相続財産を処分してはいけないということだ。たとえば、預貯金を勝手に引き出して使い込んだり、不動産を売却したりして相続財産を処分した場合、「単純承認」とみなされて、相続放棄ができなくなる。
相続順位は法律で定められている。順位が高い相続人が放棄すると、次の順位の相続人に相続権が移る。もちろん負債の返済義務も同様だ。たとえば、借金を抱えた故人に子供と兄弟姉妹がいた場合、子供全員が放棄すれば、返済義務は兄弟姉妹に移ることになる。
◆トラブル防止で先手「放棄の意思」を他の相続人に◆
相続放棄を行った事実は、他の相続人に家庭裁判所から通知を行わないので、相続放棄を行った当事者は、他の相続人に事前に「相続放棄の意思」を伝えておくと、トラブルの防止につながる。相続放棄は、基本的には撤回できないのが特徴だ。相続放棄を行う際には長・短所を踏まえ、慎重に検討したい。
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