発信元 有限会社都市開発推進協会         宅建業免許/神奈川県知事(4)第26166号                                                                〒251-0052 神奈川県藤沢市藤沢2丁目1-3                          電話0466-61-1346 FAX0466-77-4438                        代表取締役 鳥海 光夫                                            (公認不動産コンサルティングマスター相続対策専門士、1級FP技能士・マンション管理士)                                            毎日ブログを更新中:https://cdej.jugem.jp/

相続・住替えなど「不動産を売る!」を考えたら読むメルマガ

相続・離婚・ローンなど「家を売る!」を考えたら読むメルマガ(No.92、2025年8月12日号)

2025年08月12日



◎相続時精算課税制度(下) / 利用できない「暦年贈与」 / 対象外となる「小規模宅地等の特例」

前回の前編では、早期にまとまった資金を受け取ることができたり、家族内でのスムーズな資産移転を期待できたりするなど、「相続時精算課税制度」のメリットを指摘した。しかし、同制度のメリットにもウラがある。つまり、制度を活用する際には注意点があるのだ。相続発生時に再計算が必要になり、いい事づくめではない現実がある。

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◆相続時に贈与財産の価額合算、相続税額を再計算◆
相続時精算課税制度は、これまで一度選択すると、暦年贈与(年間110万円まで非課税)には戻れないという最大の特徴があった。しかし、令和5年度の税制改定で年間110万円までの贈与は非課税となった。これまで同制度の使い勝手の悪さで選択する事例数が伸びず、苦肉の策で税制改定で認めた措置だ。

これに伴い、同制度か暦年贈与かの二択をせずに、活用方法次第で双方を上手に活用できるようになったわけだ。その意味で、相続時精算課税制度をうまく活用し、家族にとって最も有利な贈与・相続を行うことができるようになった。

ただ、同制度は、相続時に再計算が必要。贈与時には非課税でも、相続時に贈与財産の価額を合算して相続税額を計算することになる仕組みはそのまま残った。その結果、相続税が発生する可能性があることに変わりはないのだ。総合的な資産計画を立て、計画的な贈与と戦略的な相続を行うことが重要となる。

一方、相続時精算課税制度を選択すると、「小規模宅地等の特例」を受けることができない場合がある。同制度を利用して贈与した宅地は、「小規模宅地等の特例」の対象外となることがあるのだ。この特例は、宅地の評価額を大幅に減額する制度で、適用されない場合には相続税額が格段に多くなる可能性があるから注意が必要だ。

◆専門家に相談で相続後の税務トラブル防止を◆
たとえば、母親から5年間にわたり毎年400万円ずつ、計2,000万円の贈与を受けた場合だ。相続時精算課税制度を利用すれば、贈与税は発生しない。しかし、母親が他界し、相続が発生した時点の財産が5,000万円の場合、贈与を受けた2,000万円から基礎控除110万円×5年分を差し引いた1,450万円を加算し、計6,450万円に対して相続税が課税されることになる。

相続時精算課税制度を含む税制は非常に複雑。制度の活用する際には、相続専門の税理士に相談しながら進めたい。専門家の助言を受けることにより、自身の状況に最適な選択ができ、将来のトラブルを回避することができる。その意味で、素人判断で制度を活用するのは控えるのが得策だ。

また、同制度を活用することにより、住宅購入資金を確保し、家族内での資産移転を円滑に行うのが可能になる。ただ、制度の選択には慎重さが必要。贈与と相続の両面から長・短所を的確に理解し、最適な資金計画を立てることが重要となる。やはり、専門家と連携している税制に強い不動産業者との連携もまた欠かせない。(おわり)

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