相続・離婚・ローンなど「家を売る!」を考えたら読むメルマガ(No.109、2025年12月9日号)
◎認知症リスクの対応策(中) / 要介護度3の老親、売却は微妙に / 慎重に検討したい「成年後見人制度」 / 個人の尊厳まで踏み込んだ制限多く
◆一括査定サイト経由での実家査定「介護費用目当て多い」◆
実家の売却相談の中でも、最もやっかいなのが、親が「要介護度3レベル以上」の場合。ご多分に漏れず、どこの不動産業者に実家の売却話を持ち掛けても、色よい返事をもらえず、弊社に回ってくるケースがある。認知症リスクがある親の不動産を売却するには、注意しなければならない事項ある。不動産業者は子世代に、その注意事項を説明しているはずだ。
その際に「専門士業との面談による判定が必要」と指摘しているであろうことは、想像に難くない。それでも、士業との面談を省略できないか、必死に探りを入れてくる子世代がいる。介護費用の負担と精神的な辛さで追い詰められているひっ迫感の裏返しであろうと受け取れるのは、声音が切羽詰まっているからだ。
要は、さっさと売り、介護費用を手にしたい--その一転に集中しているのである。しかも「費用面が心配なら、自治体や業界団体の不動産相談会に参加したり、自治体に個別に相談したりしたらどうか」と勧めても、「平日は忙しい」と逃げ腰なケースも。弊社の場合は、「ご自分たちのことですからよくお考え下さい」と話を打ち切って面談を終わりにするのが常である。
》》》》》要介護度3以上の親がいる…不動産の売り方を相談したい
https://form.os7.biz/f/dd59e452/
◆マイナス面多い「専門士業との面談拒否」◆
介護費用をねん出する方策として、実家の売却は一つの選択肢。しかし、不動産業者側は「親の状態を確認していない段階では、依頼者の言葉を鵜吞みにできない。士業との面談判定を受けるのであれば具体的な相談にも乗る」と伝えると、「いやなら他の会社に依頼してもいいんだ」と、やけっぱちな捨て台詞を吐く相談者も数なからずいる。
しかも、そういう子世代に限って、「専門士業との面談」を拒否するケースが多い。「自宅の査定を行っても、士業との面談による意思能力の判定を経ないと、売り出すことすらできない」という結論が既に出ているのに、あくまでも抵抗する子世代がいるのも事実なのだ。
◆高額化している介護費用の工面に苦労する子世代◆
半面、介護費用の負担が子世代の生活を圧迫、精神的に重くのしかかっているウラ側が透けて見えてくる。一括査定サイト経由だけでなく、弊社への直接相談でも高額化している介護費用の工面に苦労し、実家を何とか売却する算段を尋ねてくるケースは増えている。
核家族化が進んだ高齢社会の中で、認知症リスクがある親を預かってもらうとなれば、当然のことながら費用がかかる。子世代も費用を負担できる経済的な余裕があれば別だが、自分たちも高齢に差し掛かり、経済的な余裕はないのが現実だ。その意味で、子世代の日常生活が崩壊するだけのインパクトが「介護費用」に潜んでいる。「実家の売却問題」は既に深刻化している。
◆成年後見人制度、売却の可否は裁判所が判断◆
一方、本当に意思表示が困難になっている場面に突入すると、「成年後見人制度」の活用を指摘するケースは多い。裁判所に申し立てを行い、本人に代わって意思表示を行う後見人を選任、その後見人のもとで、本人に代わって売買契約の締結を行う方法である。しかし、本人が住んでいた不動産を売却する場合は、後見人が単独で契約を行えないような仕組みになっている。
裁判所は、本人にとって不動産の売却が必要なのかを判断、許可する仕組み。裁判所が売却を許可しない場合や、許可を行うのに時間がかかる場合もある。つまり、売り手が要介護度3以上の場合、不動産取引では大きな障害となる可能性をはらんでいる。不動産所有者である親世代は、子世代を含め、早めの対策を講じることが不可欠だ。「対策会議=家族会議」である。家族全員で話し合う必要がある。(つづく)
》》》》》「成年後見人制度」のウラ側…利用したらどうなる?(一部、有料相談)
https://www.retpc-consul.jp/sch/SearchDetailAction.do?torokuNo=035797
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