住替え・相続・離婚・ローンなど「家を売る!」を考えたら読むメルマガ(No.125、2026年3月24日号)
◎注意したい「境界」(3、終) / 境界確定、登記簿と図面情報が一致 / 最後の手段、裁判所関与の「筆界特定制度」利用も
境界の確認・確定に際し、土地家屋調査士に調査を依頼することが大切であると指摘した。依頼する際のおおまかな手続きや流れは見積もり、調査の依頼から始まり、市区町村や近隣住民との立ち会い・確認や図面、確認書、標識の作成・設置などを行い、最終的に登記申請までを行う段取りとなる。つまり、登記を行って始めて境界が確定する。
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土地家屋調査士に調査を依頼する際の手順は次の通りだ。
1.見積もり・調査の依頼=土地家屋調査士に依頼する。事前に調査内容について相談を行い、見積もりを取得する。不動産購入時の場合は、不動産仲介業者を介して土地家屋調査士に依頼するケースが多い。
2.【道路の筆界確認のケース】市区町村に対して申請=道路の筆界確認を行う場合は、市区町村に調査の申請を提出する。市区町村の担当者は調査・確認に立ち会うことになる。
3.【民有地同士の筆界確認のケース】近隣の人にあいさつ、立ち会いの依頼=民有地同士の筆界を確認するのに、土地家屋調査士が近隣の人にあいさつと立ち会い依頼を行う。その際、できるだけスムーズに協力してもらえるように、依頼者本人からも近隣の人々に調査の背景について、説明を行うとよい。
4.測量、図面の収集と照合=測量を開始。土地に関連する図面を併行的に収集し、情報を照合する。土地に昔から住んでいる人が古い図面を持っているケースもあるので、古い図面を可能な限り借用しながら調査を行う。
5.【道路の筆界確認のケース】市区町村との立ち会い・確認=道路との筆界については、市区町村職員の立ち会いのもと確認を行う。後日、市区町村に対して明らかになった筆界に関する書面を提出する。
6.【民有地同士の筆界確認のケース】近隣住民と立ち会い・確認=民有地の筆界については、土地の所有者を含む近隣住民と立ち会いのもとで確認を行う。立ち会った全員が筆界を認知することが重要。
7.図面、確認書、標識の作成=立ち会った全員が納得したら、図面を添付した境界確認書を取り交わす。また、筆界(境界)の目印となる標識がない場合は、新たに標識を設置する。
8.登記申請=土地の境界が明確になり、認識していた境界と実際の境界(筆界)に相違があった場合には、新たに登記申請を行う。土地の面積が変わるので、固定資産税の税額にも影響がある。正しい情報を登記事項証明書に残す流れとなる。
依頼者本人が申請を行うことも可能だが、地積測量図の作成が必要となるので、土地家屋調査士に代理申請を依頼するのが一般的だ。登記完了後に登記簿と図面の情報が一致することになり、はじめて「確定した」ということになる。
◆土地家屋調査士が調査実施、不成立になるケースも◆
専門家の土地家屋調査士が筆界確認を行っても、互いに納得せずに不成立となる場合がある。または確認に応じない隣接者がいるのも事実だ。これらのケースの場合、裁判に発展する可能性があるものの、その前段で「筆界特定制度」を利用する場合もあるようだ。
同制度は、法務局が筆界の特定を行い、登記までを行う制度。仮に、法務局の筆界特定結果に対し、不服である場合は訴訟を起こすことができる。筆界特定制度は、裁判による境界確定ほどの効力はないものの、同制度があることにより、境界確定の訴訟の件数が以前よりも減った経緯がある。
境界の確認、確定には相手方が複数存在する。関係人の数が多ければ上手くまとまらないケースもある。その際に筆界特定制度は「伝家の宝刀」となる可能性がある。土地家屋調査士と共同歩調で境界確定を効率的かつ効果的に進めたい。(おわり)
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