相続・住替えなど「不動産を売る!」を考えたら読むメルマガ(No.129、2026年4月21日号)
◎老親の住まい(下) / 小規模宅地の特例、入居後の介護認定必要に / 老人福祉法などの規定施設なら適用可
老人ホームへの入居で実家が空き家になるケースもある。いずれは発生する相続を視野に入れるなら、自宅の土地330㎡まで評価額が8割軽減となる「小規模宅地等の特例」制度がある。まずは適用条件を確認することが重要だ。特に老人ホームに入居後の自宅が相続税制上の「自宅」として扱ってもらうには、持ち主が入所時点で要介護や要支援の認定を受けている必要がある。自立した生活を送っていても入居できる「入居時自立型」の施設でも、相続時点で認定を受けていれば問題がないことを知らないケースは多い。
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◆未届けの有料老人ホームへの入所に注意せよ◆
最大のポイントは、入居する施設としては「老人福祉法などで規定する施設」。同法の規定を受けた施設でなければ適用除外となる。厚生労働省の調査では、2024年6月末時点で未届けの有料老人ホームは全国で584件ある。未届けの件数は減少しているものの、未届け有料老人ホームでは、小規模宅地等の特例制度を活用できないから注意が必要だ。
具体的には、自宅で暮らしていた持ち主が老人ホームに入居後も、同居親族が住み続けていれば特例の対象になる半面、生計を別にしていた親族が空き家に移り住んできたケースでは特例の対象にならない。実家に将来住む予定があるのであれば、優遇税制を受ける上で、「親が一人暮らし」になった時点で、同居を検討するのが妥当なようだ。
◆金融資産少ない、相続税納税で「実家売却」も◆
一方、配偶者が相続する場合は、仮に同居していなくても、特例は適用となる。実家の不動産が最も高価な相続財産というケースが多く、相続税の課税対象は「3,000万円+600万円×法定相続人の人数」の基礎控除を超えた分となる。特例の適用がなく、現金や有価証券といった換金性の高い財産が少ない場合は、相続税を納税するのに実家を売却しなければならなくなる。
また、空き家状態で相続が発生しても、一定の条件で売却した場合は「空き家特例」がある。マンションは対象外となるので注意したい。相続後に売却して得た収入については建築時期や売却時期、売却代金といった要件を満たせば、3,000万円まで課税対象から控除できる。
◆放置空き家「特定空き家」にならないよう注意を◆
ただ、実家を空き家のまま放置し、管理状態が悪い場合には、自治体が「特定空き家」に指定し、固定資産税の大幅な引き上げや、行政代執行による家屋の取り壊し費用の請求対象にもなるので注意しなければならない。実家の空き家問題や独り暮らしになった老親の老人ホームへの手続きなど親の対応は的確に措置したい。(つづく)
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