相続・住替えなど「不動産を売る!」を考えたら読むメルマガ(No.132、2026年5月12日号)
◎「売り出し価格」の決め方(3) / 事前に決めたい「最低価額」 / 売却後のライフプラン見据え
第3段階は、自分で調べた市場相場に基づき「希望売却価格」を決める。それから不動産業者に査定を依頼するのが、賢い査定の依頼方法でもある。自分で調べる必要がある希望売却価格までを、不動産業者の査定に丸投げしようとする顧客は多い。だからこそ、売り出し価格と成約価格との格差が非常に大きくなる。
また、不動産業者の査定担当者ごとに査定基準に相違があったり、マンションの査定は得意だが、土地・戸建住宅の査定は不得意など、得手不得手な分野があったりするのも現実。だからこそ査定結果に格差が出る。自分で相場価格を調べて弾き出した「希望売却価格」を売却相場の基準に据えることにより、不動産業者から提示された査定額がどれほど現実的かが分かる。
売主にとって希望売却価格は「今後の売却活動のより所」。希望売却価格を自分で試算するのは面倒だが、この部分がなかったり、揺らいだりしまうと「不動産業者が言うままの値下げ一方の売却活動」にならざるを得ない。多くの売却希望者や査定依頼者は見落としがちだ。
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◆査定依頼、公認マスターなど有資格者に◆
査定は、複数の不動産業者に依頼する。一括査定サービスを利用するのも一つの方策。近所の不動産業者に依頼したり、業界団体の支部に紹介してもらったりするのもいいだろう。その際には、査定者がどのような資格保持者かを確認する。できれば、公認不動産コンサルティングマスターや1級FP技能士の有資格者に依頼したい。たいていは無料で引き受けてくれるはずだ。
一括査定サービスは、査定を依頼する側は原則無料だが、依頼された不動産業者側は1件あたり1万円前後の紹介料を負担している。つまり一括査定サービスは、査定依頼者の不動産所有情報を含む個人情報を複数の不動産業者に売っている構造を理解したうえで利用するのが肝要だ。売却検討段階で気軽に利用できる半面、媒介を獲得したい不動産業者からの電話がしつこいのは一括査定サービスの功罪でもある。
◆「値引き交渉前提の価格」を設定せよ◆
不動産の「売り出し価格」を決める際の最大のポイントは、「自分が決めた希望価格で短期間のうちに売却する」ことにある。同じ不動産でも売却方法により売却額に差が出たり、売却期間が長期化したりするケースがある。逆に、隣接地の所有者との話し合いで共同販売ができれば、購入希望者の枠は広がり、価格の引き上げも可能となる。
不動産の売却のポイントは三つ。①「最低売却価格」を決めたら、②値引き交渉を前提にした価格を設定、③売却までの日程を決める――の3点。売り出し価格を決めるとともに、「最低売却価格」も決める。売却時には値下げ交渉があるので「値下げはここまで」という最低制限価額(ロアリミット)を決める。ロアリミットはローンの残債完済や老後の資金確保など、売却後のライフプランを見据えて決めるのだ。
二つ目のポイントは、値引き交渉があることを前提にした価格設定。買主側の購入意欲が本気であれば、値下げ交渉を求めてくる。販売活動の当初から値下げに応じない価格で売り出すケースもあるが、これはプロの戦略。一般的には値下げ交渉を前提に、値引き分の金額を上乗せした価格を設定している。買主側の要望に歩み寄る姿勢を見せれば、早期の売却にもつながる。(つづく)
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