◆◇薬剤師なら知っておきたい保険の仕組み◇◆
新人薬剤師のための働く法律
第2回
『薬剤師なら知っておきたい保険の仕組み』
2023年4月10日
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新人薬剤師の皆さん、おはようございます。
薬剤師ttです。
突然ですが、『保険』について
説明することが出来ますか?
聞いたことは絶対にあるでしょうが、
いざ説明するとなると、
正確には説明できない人もいると思います。
しかしながら、働き始めると
『保険料』というのが
ビックリするくらいかかります。
そして、薬剤師というのは
『医療保険制度』の中での仕事がほとんどです。
知らないと言って済ませるわけにはいきません。
そんなわけで今回は、薬剤師として働くなら
しっかり理解しておきたい『保険』についての解説です。
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まず初めに『保険』について簡単に説明すると、
「大勢でお金(保険料)を出し合って資金とし、
損害を被った人が資金からお金(保険金)を貰う」
仕組みです。
人間には生きていく上で様々なリスクが存在します。
個人で対処できるようなリスクならまだ良いですが、
自然災害や事故のような、
全く予測できない対処不能なリスクも存在します。
そういったリスクに備えて大勢で保険料を出し合い、
不運にもリスクに直面してしまった人が
保険金を貰う仕組みが『保険』です。
◆◇
保険には、健康保険に代表される公的な保険もあれば、
生命保険のような民間の保険もあります。
日本では1961年国民皆保険が達成されています。
20歳以上の人のうち約80%が
生命保険にも加入していると言われています。
そのくらい、日本人にとって『保険』は身近なものなのです。
◆◇◆◇
実際に貰うと分かりますが、
給与からは様々な保険料が引かれます。
健康保険料や厚生年金保険料、
雇用保険でも保険料がかかってきます。
これらはいわゆる公的な保険で、
一定の要件を満たした場合に強制で加入することとなります。
これまでは親の扶養に入っていましたが、
社会人として働き始めたことで、
いよいよ自分で保険料を納めることとなったわけです。
一方で、民間の保険には強制で加入することはありません。
もちろん給与から保険料が引かれることもありません。
◆◇◆◇
会社で働き始めて、
そろそろ健康保険証を貰う頃でしょうか。
その健康保険証を持って病院にかかると
3割の自己負担で済みます。
では、残りの7割はどこから来てるのでしょうか?
国が払ってくれてる?
違います。
皆さんが働いて納めた保険料から、
その7割が出ているのです。
とはいっても少子高齢化の日本。
全てを保険料で賄うことは難しいため、
だいたい30%くらいは国が補填してくれています。
ま、補填といっても、
元々は私たちが払った税金なんですけどね(笑)
◆◇◆◇
健康保険証を持っているということは、
その保険に加入しているという証です。
公的な医療保険は『国』が運営している
と一括りにされることが多いですが、
実際には協会けんぽや、いくつもの
健康保険組合が保険者として運営しています。
その保険者に、私たちは保険料を納めます。
そして病気などのリスクに直面した時、
民間の保険では実際に保険金を貰います。
一方で公的な医療保険では、保険金の代わりに、
病院で治療をしてもらったり、
薬局で薬を貰ったりします。
最後に、治療を行った病院や薬を渡した薬局が、
保険加入者に代わって
保険者にその費用(保険金のようなもの)を請求します。
これが医療保険制度であり、
医療保険制度の中での薬局や薬剤師の役割になります。
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Q1.働き始めたら全員が健康保険や
厚生年金保険に加入するの?
A.個人の薬局で働く人や、働く時間が短い人は、
健康保険でなく国民健康保険に加入することとなります。
厚生年金保険も強制加入ではなくなります。
Q2.保険料ってどのくらいかかるの?
A.また後日メルマガで詳しく紹介しようと思いますが、
だいたい給料の15%くらいが保険料として引かれます。
Q3.保険料がかかるのは健康保険、厚生年金保険、雇用保険だけ?
A.40歳になると介護保険料も引かれるようになります。
あとがき--------------------
いかがだったでしょうか。
今回は『保険』の仕組みについて簡単に解説しました。
薬剤師として働いていくのであれば、
今後必ず、医療保険制度について学ばなくてはいけません。
その時に、今回解説した『保険』の仕組みの知識が
きっと役に立つと思います。
薬だけでなく、保険の仕組みについても
しっかり理解した薬剤師になってくださいね!
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