◆◇今更だけど働き方改革って何?◇◆
新人薬剤師のための働く法律
第42回
『今更だけど働き方改革って何?』
2024年1月22日
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新人薬剤師の皆さん、おはようございます。
薬剤師ttです。
皆さんは、働き方改革という言葉をご存知でしょうか。
まだ働き始めたばかりなのに、
改革なんて言われても・・・って話ですよね(笑)
今回のメルマガでは、働き方改革について紹介します。
名前だけは知っていても、
具体的なことは知らない人が多いのではないでしょうか。
色々と勘違いされてることも多いので、
ぜひ読んでみてください。
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まず初めに、働き方改革と言われて、
何を思い浮かべるでしょうか。
ここ数年の変化をご存知の方は、
・有休5日取得の義務化
・時間外労働の上限規制
この辺りを思い浮かべると思います。
これらの変化は、長時間労働の是正として、
ある意味分かりやすい変化です。
しかし長時間労働の是正というのは、
働き方改革の一つの側面でしかありません。
◆◇働き方改革とは◆◇
そもそも働き方改革とは、
労働力不足解消のための施策です。
皆さんご存知の通り、日本の人口は減少しています。
それと同時に、生産年齢人口、
いわゆる働き手の人口も減少を続けています。
1995年に8000万人を超えていた生産年齢人口は、
2060年には約4000万人になると言われています。
この労働力不足を解消するための施策が
働き方改革であり、その中の一つが
長時間労働の是正なわけです。
◆◇具体的な施策◆◇
では、具体的に労働力を増やすためには、
どのような方法があるでしょうか。
まずは、
①現在働いていない人に働いてもらうこと。
次に、
②将来の働き手となる子供を増やすこと。
すごくシンプルですが、
労働力を増やす方法はこの2つです。
これらを達成するために、働き方改革として
様々な施策を行っています。
例えば最初に挙げた長時間労働の是正は、
①にも②にもつながります。
長時間労働の職場では、
病気や障害を持っている人は働きにくいですよね。
子育て中の人も同じです。
このように、働きたくても働けなかった人々が、
働きやすい職場環境にする。
同一労働同一賃金も同様です。
非正規というだけで評価されない職場では、
働く意欲も湧かないですよね。
高齢者の就労についても、
60歳で定年退職なんてもはや昔の話。
65歳までの雇用確保が義務化され、
70歳までの就業機会確保も努力義務となりました。
このような高齢者の就労に関する改革も①につながります。
薬剤師として働いてると実感する機会が少ないですが、
高齢でも働き続けている人が本当に増えています。
このように、様々な働き方改革が進められていますが、
これらは労働力不足解消という目的に繋がるのです。
残念ながら②については結果が伴っていませんが・・・
◆◇労働生産性の向上◆◇
働き手を増やすのと並行して進められているのが、
労働生産性の向上です。
時間外労働の上限規制が行われましたが、
当然、業務量が減るわけではありません。
時間外労働を減らそうと思ったら
労働生産性を向上するしかありませんよね。
また労働生産性の向上は、
ダイレクトに労働力不足の解消にもつながります。
労働生産性の向上については、
会社任せなところが大きいです。
国として直接取り組めるところではありません。
しかしその分、国は労働生産性の向上に取り組む会社に対して
補助金や助成金を交付することで後押ししているのです。
このように、
『誰でも働きやすい職場環境への改善』
『労働生産性の向上』
この両輪で推し進めるのが、【働き方改革】なのです。
何となく、働き方改革=長時間労働の是正
と考えている人が多いです。
しかしこれは勘違いであり、
働き方改革の大きな目的を見失ってしまうので
注意が必要です。
あとがき--------------------
以上、今回は働き方改革について紹介しました。
さてここで、薬局・薬剤師の業務について、
少し考えてみましょう。
・オンライン服薬指導
・調剤の外部委託
など、様々な改革が薬局・薬剤師にも起こっています。
これらの改革について、どのようにお考えでしょうか。
是非については人それぞれでしょうが、
【働き方改革】という視点で見たときはどうでしょう。
将来、働き手が激減した日本で、
出来る限りの医療サービスを提供するためには、
薬局・薬剤師の業務はどうあるべきなのか。
そういった視点も持ってみると、
また新しい考えが浮かぶかもしれません。
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