◆◇再就職手当を知ってますか?◇◆
新人薬剤師のための働く法律
第46回
『再就職手当を知ってますか?』
2024年2月19日
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新人薬剤師の皆さん、おはようございます。
薬剤師ttです。
前回は基本手当について紹介しました。
今回は、基本手当の続き、
そしてぜひ知っておいてほしい、
再就職手当について紹介します。
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前回の最後、
失業状態となった理由により
・一般の受給資格者
・特定受給資格者
・特定理由離職者Ⅰ
・特定理由離職者Ⅱ
のどれかに該当すると紹介しました。
実は、これらの種類によって、
基本手当を貰える日数が全然違うのです。
●一般の受給資格者
●特定理由離職者Ⅱ
【90日~150日】
一般の受給資格者と特定理由離職者Ⅱの場合、
多くても150日です。
正確には、
・働いてた期間が10年未満は【90日】
・10年以上20年未満は【120日】
・20年以上となってようやく【150日】
となっています。
離職時の年齢によって違いはありません。
●特定理由離職者Ⅰ
●特定受給資格者
【90日~330日】
一方で特定理由離職者Ⅰや特定受給資格者の場合、
最大で330日貰えることもあります。
離職時の年齢や働いてた期間で変わるのですが、
・年齢が45歳以上60歳未満
・20年以上勤務
の場合に最大の【330日】となります。
新人薬剤師が関係してくるところだと、
・30歳未満
・5年未満勤務
この場合は【90日】となります。
しかしここを超えると、
貰える日数がいっきに増えます。
・30歳以上35歳未満
・1年以上5年未満勤務
この場合は【120日】となります。
さらに、
・35歳以上45歳未満
・1年以上5年未満勤務
この場合は【150日】となり、
・30歳以上45歳未満
・5年以上10年未満勤務
この場合、【180日】まで増えます。
このように、
離職時の年齢が上がれば上がるほど、
長く働けば働くほど、
基本手当は長く貰えるのです。
◆◇再就職手当◆◇
基本手当を貰える日数が長くても、
どうせすぐ働くし・・・
そう考える人も多いかもしれません。
しかしそんな人に知っておいてもらいたいのが、
再就職手当です。
分かりやすく言えば、
基本手当を貰える日数を残して、
早く就職できた時のご褒美です。
この再就職手当について、
あまり知らずに損してしまう人が多いので、
簡単に紹介します。
◆◇
再就職手当は、基本手当の給付日数が
3分の1以上残った状態で就職すると貰えます。
金額としては、
給付日数が残り3分の1以上なら60%、
3分の2以上なら70%にあたる金額となります。
前回のメルマガで、
月給300,000円の人の基本手当日額は、
約6,000円になるという話をしました。
この人が基本手当を90日貰えるところ、
45日を残して就職したとします。
その場合、
6000円×45日×60%=162,000円
が貰えます。
人によっては、
90日まるまる残して就職することもあります。
その場合、
6000円×90日×70%=378,000円
が貰えることとなります。
これがもっと基本手当日額が高く、
更に貰える日数が120日や150日、180日であった場合、
かなりの金額になることが分かると思います。
どうせすぐ就職するから・・・
と基本手当や再就職手当を全く考えない人も多いです。
しかし金額が金額ですから、
せっかくなら検討してみてほしいと思います。
◆◇◆◇
基本手当だけでなく再就職手当のことまで考えると、
基本手当の所定給付日数が非常に重要なことが分かります。
所定給付日数に関係するのは、
・離職時の年齢
・何年働いていたか
そして
・失業状態となった理由
です。
退職を考えたときには、
いちど所定給付日数のことを思い出し、
退職のタイミングについて考えてもらいたいと思います。
もちろん、基本手当の要件を満たすためにも、
まずは1年働くということも大切です。
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以上、今回は基本手当と再就職手当について紹介しました。
退職したとき、金銭的な事情により
焦って転職先を決めてしまい、
結果として自分に合わない会社に
就職してしまうことがよくあります。
これは、自分にとっても会社にとっても
良くないことです。
基本手当や再就職手当についてしっかり理解することで、
少しは金銭面に余裕を感じ、
じっくりと転職活動ができるのではないでしょうか。
最後になりますが、再就職手当についても、
メルマガには書けていない細かな要件等が
たくさんあります。
もし気になることがあれば、
気軽にご相談ください。
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