◆◇学会や研修は労働時間?◇◆
新人薬剤師のための働く法律
第31回
『学会や研修は労働時間?』
2023年10月30日
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新人薬剤師の皆さん、おはようございます。
薬剤師ttです。
皆さん、学会や研修には参加してますか?
薬剤師は他の職業と比較して、
学会や研修への参加が多い職業です。
そんな学会や研修の時間は、
労働時間として扱われているでしょうか。
会社によって決まりがあるかもしれませんが、
一般的なルールというものも存在します。
今回は、そんな一般的なルールを紹介しようと思います。
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◆◇労働時間とは◆◇
まず初めに、労働時間とは何なのか。
以前にもメルマガで書きましたが、
労働時間とは、会社の指揮命令下に
置かれている時間のことをいいます。
つまり、会社の明示または黙示の指示により
業務に従事する時間が、労働時間に該当します。
◆◇◆◇
その上で、学会や研修への参加ついては、
『業務上義務づけられている場合』
には、その時間は労働時間に該当します。
学会が義務付けられているケースは少ないですが、
研修が義務付けられているケースは多いと思います。
業務時間との兼ね合いから、研修は日曜日に
行われる場合もありますが、その研修がもし義務なら、
日曜日であろうと労働時間です。
また、もし明示的に義務付けられていなかったとしても、
例えば不参加だった場合に業務を行うことが
出来ないような場合や、減給の対象となる場合には、
事実上参加を強制されていると考えられ、
労働時間に該当します。
管理薬剤師など役職に付いていると、
薬局を運営していくために参加が必要な
研修も多いのではないでしょうか。
会社から義務付けられていなくても、
行政機関から参加を義務付けられるような
研修もあると思います。
薬局によっては、昼休みの時間に、メーカーにお願いして
薬局内で勉強会をするようなこともあると思います。
これも、参加が義務付けられるような場合には
労働時間となります。
任意参加といいつつ事実上の強制参加という
ケースは非常に多いので、気を付ける必要があります。
◆◇◆◇
ここまで、学会や研修の時間について
一般的なルールを紹介しましたが、
ここで、かかりつけ薬剤師について考えてみます。
新人薬剤師の皆さんは、かかりつけ薬剤師の
要件はまだ満たしていないと思います。
しかし、要件について何となく知っているでしょうか。
かかりつけ薬剤師の要件の一つに、
薬剤師認定制度認証機構が認証している
研修認定薬剤師を取得していること
というのがあります。
では研修認定薬剤師はどうやって取得するかというと、
学会や研修に参加し、40単位以上を
取得する必要があります。
ここで、前半内容と繋がります。
では皆さんの会社では、研修認定薬剤師を取得するための
研修に参加する時間は、労働時間として扱われているでしょうか。
e-ラーニングで取得する方も多いですが、
そのe-ラーニングの時間は労働時間でしょうか。
私の知る限り、そういった時間が
労働時間として扱われている薬局はありません。
もちろん、研修認定薬剤師もかかりつけ薬剤師も、
個人の任意の自己研鑽であれば、
それでも問題ありません。
しかし実際には、かかりつけ薬剤師の
同意取得数が評価に反映され、
半ば強制的に研修認定薬剤師を取得させられる会社もあります。
そうなってくると、
研修の時間は労働時間として扱う方が
適切にも思えます。
これまではあまり問題になっていませんが、
かかりつけ薬剤師の同意取得が強制的な
会社が増えれば増えるほど、
いつか大きな問題になるような気がしています。
あとがき--------------------
いかがだったでしょうか。
今回は、学会や研修の時間は労働時間?
という内容のメルマガでした。
研修認定薬剤師の取得に必要な
40単位の取得には、かなりの労力と時間を要します。
自主的に研修や学会に参加されている人は良いですが、
会社から強制されている場合、
かなりの苦痛を伴います。
研修認定薬剤師の取得で会社と揉めて、
退職に繋がる薬剤師もいるくらいです。
もしあなたの会社がこの辺りの扱いをどうしてるか、
まだ知らないようであれば、
早めに確認しておくことをオススメします。
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