passer un savon
新聞などを読んでいると時々、
"passer un savon à 誰々"
という表現に出会います。
これは「~に大目玉をくらわす」「強く叱る」「非難する」
というような意味です。
例えば先日のサッカー女子W杯の記事には:
L’entraîneur de l’équipe féminine a passé un savon à~
「女子チームの監督は、○○を強く叱った」
と書かれていました。
この表現、 savon 「石鹸」にはまったく関係がないよう思われるのですが、
その起源は17世紀までさかのぼります。
当時、女性達はみな洗濯場に集まって洗濯をしていました。
その時に使われていたのが「たたき棒」。
ひどい汚れを棒でバンバンとたたくことによって除去していたそうです。
この「洗濯物を棒でたたく」という激しい動作が元になって、まずは
"laver la tête à quelqu’un"
という表現が生まれ、「~をひどく叱る」という意味で使われたそうです。
次に18世紀になると、洗濯の時につかう "savon" がこの表現に
代わりに取り入れられ、
passer un savon
または prendre, donner という動詞を使って
prendre un savon
donner un savon
という形になって「ひどく叱る」という意味で使われるように
なったそうです。
(ちなみにここでの passer は 「(雑巾、掃除機、アイロンなどを)かける」
と同じ意味の passer で、洗濯物の上に石鹸をかけて(滑らせて)洗う
というようなニュアンスになります。
なんだか不思議な表現ですが、昔の女性達の洗濯の様子に関連した表現だったのですね。
フランス語には、このほかにも面白い慣用表現がたくさんあります。
今日は expressions idiomatiques (慣用表現)をご紹介したいと思います。
https://tresbien.co.jp/2020/08/28/expression-idiomatique/
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