人事労務ニュース(メルマガvol.35)
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このメールニュースでは、人事・労務に関する様々なQ&Aや
法改正情報などの新着ニュースをお届けしてまいります。
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◆人事・労務Q&A
1.『将来の年金へ反映? 退職月に支払った賞与』
2.『調査審議にルール? 委員会を月1で開催』
◆法令新着情報
『職業安定法施行規則が改正、募集時等に明示すべき
事項が追加』
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◆ 人事・労務Q&A
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1.『将来の年金へ反映? 退職月に支払った賞与』
Q.当社は賞与の支給が8月上旬です。今回、直後の同月中旬
に退職する労働者がいます。月途中退職の場合は社会保険
料が徴収されませんが、将来の老齢厚生年金の額にも反映
されないとの理解で良いのでしょうか。健保法では、1年
度間における標準賞与額のカウントに573万円の上限があり、
被保険者期間でない退職月の分も含めると聞いたのですが。
A.保険料引かれず含めない扱いで
厚生年金保険料は、被保険者期間の計算の基礎となる各月
につき、徴収するとなっています。被保険者期間は、被保
険者資格を取得した月~喪失した月の前月ですが、資格の
喪失時期は、退職の場合、退職日の翌日となります。
月途中で退職した場合、その月は被保険者でないため、同
月に支払われた賞与については保険料を徴収されません。
なお、支払いが退職日より前の場合は、賞与支払届を日本
年金機構へ提出します。
老齢厚生年金の支給額は、被保険者期間の計算の基礎と
なる各月の標準報酬月額と標準賞与額にそれぞれ再評価率
を掛け、その総額を被保険者期間の月数で割って求めた額
がベースとなります。ご質問の場合、退職月は被保険者
期間の計算の基礎となる月には該当せず、同月の賞与は
保険料も引かれていないため、将来の年金額にも反映され
ないといえるでしょう。
2.『調査審議にルール? 委員会を月1で開催』
Q.安全衛生委員会を月1回開催しています。以前、委員会を
開催せず書類送検された事案がありましたが、開催頻度の
ほかに、調査審議にも何かルールがあるのでしょうか。
A.結論出たら尊重が必要
安全衛生委員会で調査審議が必要な事項は、法17条と法18
条のほか、安衛則で付議事項を規定しています。
委員会の運営に関する規定は、安衛則23条にあります。
昭和41年4月に施行された旧安衛則では、委員会は、議長
が招集し、その議事は、出席者の過半数で決するという
規定がありましたが、今はありません。規定を削除した
理由について、通達は、労使の意見の合致を前提とする
ことが望ましいという見解に基づくものとしています。
衛生委員会などにおいて調査審議を行った結果、一定の
事項について結論を得た場合に関しては、これに基づいて
着実に対策を実施するなど、事業者はこの結論を当然に
尊重すべきと解したものがあります。
提供:労働新聞社
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◆ 法令新着情報
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【職業安定法施行規則が改正、募集時等に明示すべき事項が追加】
職業安定法施行規則が改正され、2024年4月から、労働者の
募集や職業紹介事業者への求人の申込みの際、明示しなければ
ならない労働条件が追加されます。
また本改正に伴い、厚生労働省のサイトでは、「求人企業」
「職業紹介事業者」「求職者」に向けたリーフレットも公開
されています。
本記事では、追加される明示事項と、求人向けのリーフレット
において示されている記載例をご紹介します。
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■追加される明示事項
(1)従事すべき業務の変更の範囲※
(2)就業場所の変更の範囲※
(3)有期労働契約を更新する場合の基準
(通算契約期間または更新回数の上限を含む)
※「変更の範囲」とは、雇入れ直後にとどまらず、将来の配置
転換など今後の見込みも含めた、締結する労働契約の期間中
における変更の範囲のことをいいます。
■記載例
(1)従事すべき業務の変更の範囲
例1:(雇入れ直後)法人営業
(変更の範囲)製造業務を除く当社業務全般
例2:(雇入れ直後)経理
(変更の範囲)法務の業務
(2)就業場所の変更の範囲
例1:(雇入れ直後)大阪支社
(変更の範囲)製造業務を除く当社業務全般
例2:(雇入れ直後)渋谷営業所
(変更の範囲)都内23区内の営業所
(3)有期労働契約を更新する場合の基準
例1:契約の更新 有
(契約期間満了時の業務量、勤務成績により判断)※
通算契約期間は4年を上限とする。
例2:契約の更新 有(自動的に更新する)
契約の更新回数は3回を上限とする。
※「諸般の事情を総合的に考慮したうえで判断する」という
ような抽象的なものではなく、「勤務成績、態度により判断
する」、「会社の経営状況により判断する」など、具体的に
記載いただくことが望ましいとされています。
■参考:明示するタイミング等について
・ハローワーク等への求人の申込みや自社ホームページでの
募集、求人広告の掲載を行う場合は、求人票や募集要項に
おいて、少なくとも前述のような労働条件を明示しなければ
なりません。
・ただし求人広告のスペースが足りない等、やむを得ない
場合には「詳細は面談時にお伝えします」などと付した上
で、労働条件の一部を別途のタイミングで明示することも
可能です。この場合、原則、面接などで求職者と最初に
接触する時点までに、全ての労働条件を明示する必要が
あります。
・また、面接等の過程で当初明示した労働条件が変更となる
場合は、その変更内容を明示する必要があります。この
明示は速やかに行ってください。
・労働契約締結時には労働基準法に基づき、労働条件通知書
等により労働条件を明示することが必要です。ここでの
明示についても、今回の職業安定法施行規則の改正と同様
の改正が行われており、2024年4月1日以降、明示しなけ
ればならない労働条件が追加されます。
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詳細は、同省サイト(下記)をご参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/r0604anteisokukaisei1.html
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暑くなりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
本日より、リニューアルしましたメルマガを配信してまいります。
8月の配信日は10日(木)、17日(木)、24日(木)です。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。
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