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HRキュレーション by 社会保険労務士法人SUCCESSION

社会保険労務士法人SUCCESSIONメールニュース【読み物編】(メルマガvol.67)

2024年06月20日



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傘の手放せない時節となりました。

日本国内では年間、約1億2000~3000万本もの傘が
消費されているといわれていますが、
その多くが電車内などに置き忘れられています。

「電車を降りる時に手すりにかけた傘を取る」というような、
未来の事象に対する記憶を「展望記憶」といいます。
「明日ごみをすてる」「あとで予約を入れる」など
日常生活では欠かせない機能です。

一般的に記憶力は加齢と共に低下するものと思われがちですが、
面白いことに、展望記憶は年齢を重ねても低下せず、
むしろ高齢者の方が若年層よりも優れているという
実験の結果が発表されています。

高齢者は「忘れないように」とより注意深く行動することや、
日常生活の経験が豊富なため記憶に留めておく
手だてを心得ているからかもしれません。

思い出すべきタイミングでアラームを設定しておく等、
ちょっとした工夫が忘れ物を減らし、
資源の無駄遣いを防ぐ助けにもなるかもしれません。

さて、今回のメルマガは・・・


┏━[CONTENTS]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

 ◆今月の経営者向け読み物

 『10%の余裕から生まれたイノベーション』


 ◆コラム
 『育休に対する男女の意識調査の結果が公表されました。』

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


――――――――――――――――――――――――――――
◆ 今月の経営者向け読み物
 『10%の余裕から生まれたイノベーション』
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病院で血圧を測ると、上が160を超えている。さらばラーメン、
カツカレー。ついに「塩分控えめ」生活の始まりか……。

「しょっぱい食べ物がダメなら、しょっぱい食器で食べれば
 いいじゃない」

そんな発想から生まれたのが、キリンが発売する食器「エレキ
ソルト」です。お椀とスプーンに味がある。しかも、味付けは、
塩ではなく電気。電流で、塩味のもとになるナトリウムイオン
を集め、舌の上に押しつけるのだそう。塩加減は、スイッチで
4段階調節可能、最大1.5倍まで味を増強します。

この、電流で味覚が変わる現象を「電気味覚」と言います。ホ
イル焼きのアルミホイルを食べてしまったことはありませんか。
あの妙な味も「電気味覚」現象の一つです。

エレキソルトに使われた「電気味覚」理論は、明治大学の宮下
教授と東京大学の中村特任准教授 (論文発表時は明治大学大学
院)の研究論文をベースにしています。

両教授の当初の研究目的は、「味を変化させる電子機器」では
なく、「舌で入力する電子機器」の開発でした。手ではなく舌
を使う。手が不自由な人のためのインターフェースです。しか
し、舌だと、入力に成功したのかどうかわかりにくい。そこで、

「入力の成否を、電気味覚で作った『味』で返してはどうだろう?」

と考えます。いわば、味はただのシグナル。手段であり、目的
ではなかったのです。

ところが、実験を繰り返すうち、電気で食べ物の味を、素早く
変えられることがわかってくる。「味の変化を研究したほうが
いいのでは?」。両教授は、

「電流によって飲食物の味を変え、味覚を拡張する」

という方針に転換します。味は、手段から目的に。単純なシグ
ナル発信から、複雑な味覚拡張へ。2011年には、その研究成果
をまとめた「Augmented Gustation using Electricity(電気
味覚を活用した味覚の増幅と拡張)」を発表しました。

この論文は、21年2月に、数多く引用された論文に与えられる
「Lasting Impact Award」を、23年9月には、「イグ・ノーベ
ル賞」を受賞しています。

宮下教授に着目していたのが、キリンホールディングスの佐藤
愛氏です。

佐藤氏が、大学病院で「食を楽しむ素材」を研究しているとき
のこと。高血圧の患者からは「食事療法がつらい」。医師から
は「食事療法を続けてもらえない」と、両者から同じような悩
みが聞こえてくる。試しに、自分も減塩食を取り入れ、塩を1日
6gに抑えてみると……

「物足りない!」

食欲が無くなる。体重が減っていく。食事療法は辛くて続かな
い。なんとか解決できないものか。こう思ったのをきっかけに、
佐藤氏はエレキソルトの研究を開始します。とはいえ、自身は
キリンに勤める身。そんな研究をしている時間は無い……そう
だ。「アイデア検証制度」を使おう。

アイデア検証制度とは、キリンが設けている

「業務時間の『10%』を社会課題・健康課題を解決する技術の
 探索に充てることができる」

という制度です。この「10%」の枠内で試行錯誤するうち、出
会ったのが宮下教授でした。

共同開発初期に作った試験機は、

「味が発生するタイミングが、食べる時とずれている」
「食器にコードがつながっていて食事どころじゃない」

など厳しい意見ばかり。食事は味だけではないことを痛感した
と言います。難題を解決しプロトタイプ作成を経て、現在は販
売機の開発と実証実験を行っています。

優れた研究論文と、イノベーションをバックアップする企業体
制。エレキソルトの開発には、これらの相乗効果がありました。

業務時間「10%」の余裕から生まれたエレキソルト。はたして、
血圧も10%下げてくれるのか? 発売が待たれます。


(執筆 関谷中小企業診断士事務所 関谷 信之)


――――――――――――――――――――――――――――
◆ コラム
 『育休に対する男女の意識調査の結果が公表されました。』
――――――――――――――――――――――――――――

先月は育児・介護休業法の改正法が、今月は子ども・子育て支
援法等の一部を改正する法律案が成立しました。仕事と家庭の
両立支援に向けた法改正が慌ただしく進む中、これから企業は
一層の社内整備を求められることになります。

この様な背景を踏まえまして、今回のメルマガではマイナビ社
が公表した『育休に対する男女の意識差と実態調査(2024)』
の結果を、いくつか抜粋して取り上げたいと思います。

本調査では、育休の取得日数の実態や労働者が感じている不安、
育休取得のきっかけなどが明らかにされています。両立支援の
取り組みを進める上での参考にしていただければ幸いです。

========================================================
マイナビ『育休に対する男女の意識差と実態調査(2024)』
https://www.mynavi.jp/news/2024/05/post_43528.html
調査期間:2024年3月1日~3月3日
調査対象:20~59歳の会社員(正社員)
有効回答数:800名(育休経験者、育休未経験者で各400名)

■育児との兼ね合いで、退職・転職を考えたことがあるか
⇒育休経験の男女において、約4割が退職・転職を経験、
 または検討したことがあると回答

■育休経験者の育休取得日数
⇒女性は「半年以上」が85.0% 男性は「1ヵ月未満」が半数

■育休経験者の「育休取得について不安だったこと」
 (複数回答可)
⇒男女ともに「収入減少」が1位
 女性:52.5% 男性:30.5%

 女性2位は「周りへの申し訳なさ」:27.0%
 男性2位は「特にない」     :27.5%

■育休経験者の「実際に育休取得のハードルになったこと」
 (複数回答可)
⇒男女ともに「特にない」が1位
 女性:47.5% 男性:36.5%

※なお「収入減少」ついて「実際にハードルになった」と
 回答したのは 女性:22.5% 男性:20.5%

■育休取得のきっかけ(複数回答可)
⇒男性は「家族と過ごす時間を取りたいから」:38.5%
 が圧倒的1位

 女性は1位から3位まで以下の通り
 1位「家族と過ごす時間を取りたいから」 :45.0%
 2位「保育園入園までの預け先がないから」:42.5%
 3位「育休中も給付金が出ると知ったから」:37.0%
========================================================

育休取得者でも男女問わず一定数の方が、転職・退職を考え、
または経験したことがあるという結果を見ると、両立支援への
取り組みの難易度がうかがえます。また、取得日数については
男女に大きな差が見られ、男女揃っての取得には依然として課
題が多く残されています。

人手不足や採用難が取り上げられる中、従業員の離職防止に繋
がる働きやすい魅力的な職場づくりのためには、両立支援への
取り組みが必要不可欠です。

本記事の冒頭で触れた改正法の項目には、新たな支援金制度の
創設が盛り込まれていますが、アンケート結果にもある通り、
給付金や助成制度を適切に社内周知し上手に活用してもらうこ
とで、育休取得促進に繋がるキーワードとなるかもしれません。

弊所では、従業員の不安を払拭し、安心して長く働ける職場づ
くりのご支援に取り組んでいますので、何かお悩みのことがご
ざいましたら、お気軽にご相談ください。


<参照>
■育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法改正ポイントのご案内
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001259367.pdf

■子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案の概要
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/e81845c0-3359-433b-b848-edcd539066f5/cbc95edd/20240216_laws_houan_e81845c0_01_01.pdf



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