社会保険労務士法人SUCCESSIONメールニュース【人事労務ニュース編】(メルマガvol.75)
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このメールニュースでは、人事・労務に関する様々なQ&Aや
法改正情報などの新着ニュースをお届けしてまいります。
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◆人事・労務Q&A
1.『悪化して傷病手当金は? 復帰後まもなく体調不良』
2.『出産日から対象か 男性の勤務時間短縮』
◆法令新着情報
『賃金不払が疑われる事業場に対する
監督指導結果(令和5年)が公表されています』
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◆ 人事・労務Q&A
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1.『悪化して傷病手当金は? 復帰後まもなく体調不良』
Q.当社の従業員が私傷病でしばらく欠勤していました。いっ
たんは復帰したものの、数日後に具合がよくないといって
きました。本人から、悪化したときでもまた傷病手当金は
受けられるのだろうかと聞かれました。医師の証明があれ
ば問題ないでしょうか。
A.治ゆ前なら継続して受給 通算して1年6カ月まで
傷病手当金の支給期間は、同一の疾病または負傷(以下、
傷病)およびこれにより発した疾病に関しては、その支給
を始めた日から通算して1年6カ月間となっています。休
みが3日続いて待期期間の要件を満たした後に1日出勤し
て、その後5日目に休んだケースについて、待期はすでに
完成していて、傷病手当金の支給を行うと解されています。
傷病手当金の受給期間は、「同一の傷病」について判断し
ます。厚生労働省の社会保障審議会では、「健康保険法の
解釈と運用」を引用する形で、同一の傷病とは、1回の傷
病で治ゆするまでをいい、したがって、同一の傷病には再
発は含まないとしています。
これまで示された通知をみてみましょう。治ゆの認定は必
ずしも医学的判断のみによらず、症状を認めずして相当期
間就業後同一病名再発のときは、別個の疾病とみなすとし
たものがあります。
一方、「被保険者が医師の診断により全治と認定されて療
養を中止し、自覚的にも他覚的にも症状がなく勤務に服し
た後の健康状態も良好であったことが確認された場合は再
発とみなす」としたものがあります。社会保険審査会の採
決では、治ゆと認め得る状態としては、相当の期間にわた
って医療(予防的医療を除く)を行う必要がなくなり、通
常の勤務に服していたことが認められる場合としています。
先発の傷病が治ゆしていないときでも、通算して1年6カ
月間、傷病手当金の受給が可能です。
2.『出産日から対象か 男性の勤務時間短縮』
Q.男性が育児休業を取得せずに所定労働時間を短縮して働く
ときは、いつから短縮可能でしょうか。育休は予定日から
取得可能ですが、同じ取扱いで良いですか。
A.予定日基準に制度適用
育休は、原則として子が出生した日から子が1歳に達する
日(誕生日の前日)までです。男性は、出産予定日から取
得可能となっています。出生時育休(産後パパ育休)も、
予定日後に子が生まれた場合は、出産予定日から出生日の
8週間後までの間で、4週間(28日)以内の休業が可能で
す。なお、出産予定日よりも早く生まれたときには、育休
の開始予定日の繰上げが可能です。
育児短時間勤務について、厚労省「仕事と育児・介護の両
立支援対策の充実に関する参考資料集」では、出産日(予
定日)から対象としています。厚労省が示す申出書は例示
ではありますが、子が生まれていない場合に関する記載欄
が設けられています。短時間勤務の手続きは、育休申出の
手続きも参考にしながら適切に定めることが求められてい
ます。
提供:労働新聞社
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◆ 法令新着情報
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【賃金不払が疑われる事業場に対する
監督指導結果(令和5年)が公表されています】
厚生労働省から、令和5年に賃金不払が疑われる事業場に対し
て実施した監督指導の結果が公表されました。
全国の労働基準監督署が取り扱った事案の件数や対象労働者数、
未払賃金の総額など、詳細なデータが明らかにされています。
また、是正事例や送検事例も紹介されており、賃金不払問題の
現状と対策について理解を深めることができます。
今回は監督指導結果のポイントと是正事例の一部を抜粋し、以
下にご紹介します。
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■監督指導結果のポイント
1.令和5年に全国の労働基準監督署で取り扱った賃金不払事
案の件数、対象労働者数及び金額(※1、2)
(1)件 数:21,349件 <+818件>
(2)対象労働者数:181,903 人 <+2,260人>
(3)金 額:101億9,353万 円 <-19億2,963万円>
2.労働基準監督署が取り扱った賃金不払事案(上記1)の内、
令和5年中に、労働基準監督署の指導により使用者が賃金
を支払い、解決されたものの状況(※3)
(1)件 数:20,845件 (97.6%)
(2)対象労働者数:174,809人 (96.1%)
(3)金 額:92億7,506万円(91.0%)
※ < >内は、前年比増減を表しています。
※1 令和5年中に解決せず、事案が翌年に繰り越しになった
ものも含まれます。
※2 倒産、事業主の行方不明により賃金が支払われなかった
ものも含まれます。
※3 不払賃金額の一部のみを支払ったものも含まれます。
■監督指導による是正事例(業種:食料品製造業)
〇事案の概要
時間外労働を行っているにもかかわらず36協定届が未届であ
るとの情報を受け、労働 基準監督署が立入調査を実施した
ところ以下の実態が認められた。
・月60時間を超える時間外労働に対して、法定の割増率(50%
以上)を下回る割増率で計算されていた。
・割増賃金の基礎として算入すべき賃金(役職手当、精勤手当
等)を除外して割増賃金 が計算されていた。
・一部の労働者に対して固定残業代として、月40時間分の割増
賃金が支払われていたが、 40時間を超過した時間について
は割増賃金が支払われていなかった。
〇労働基準監督署の指導
割増賃金の適正な支払いについて是正勧告
・月60時間を超える時間外労働に対して、法定の割増率(50%
以上)で計算して、支払うこと。
・割増賃金の基礎として算入しなければならない賃金を全て足
し上げた上で、割増賃金を再計算し、実際の支払額との差額
を支払うこと。
・月40時間を超える時間外労働に対する割増賃金を再計算し、
固定残業代として支払った割増賃金額との差額を支払うこと。
〇その後の事業場の対応
過去に遡って正しい単価で割増賃金を再計算し、不足が生じ
ていた労働者に対して、追加で差額の割増賃金を支払った。
〇参照:割増賃金の適正な支払い
・月60時間を超える割増賃金率の引き上げ
⇒令和5年4月1日から、中小企業の月60時間超に対する割増
賃金率が50%以上に引き上げられました。
・割増賃金の基礎となる賃金
⇒割増賃金の基礎として算入しない賃金は、
①家族手当 ②通勤手当 ③別居手当 ④子女教育手当
⑤住宅手当 ⑥臨時に支払われた賃金
⑦1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
上記7種類のみとされており、これらに該当しない場合は、
割増賃金の基礎に算入する必要があります。
・固定残業代
⇒時間外労働等に対する割増賃金を基本給や諸手当にあらかじ
め含める方法で支払う場合には、以下の点に留意が必要です。
ア)就業規則等において、通常の労働時間の賃金に当たる部分
と割増賃金に当たる部分とを判別できるようにする必要が
あること
イ)割増賃金に当たる部分の金額が、実際の時間外労働等の時
間に応じた割増賃金の額を下回る場合には、その差額を支
払う必要があること
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詳細は、 厚生労働省サイト(下記)をご参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41907.html
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