第332号★損益計算書の罠 〜損益とキャッシュはなぜズレるのか?キャッシュフロー計算書で見えてくること〜/もしブッダがつぶれそうな会社の社長だったら/日常に流されスキップしてしまいました【税理士 神佐真由美】
税理士の神佐真由美です。
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本日のメルマガの内容です。
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1. 損益計算書の罠 〜損益とキャッシュはなぜズレるのか?キャッシュフロー計算書で見えてくること〜
2.現在&これから公募の補助金
3.おすすめ書籍 もしブッダがつぶれそうな会社の社長だったら
4.セミナー&イベント情報
5.活動日記:日常に流されスキップしてしまいました!
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1.損益計算書の罠 〜損益とキャッシュはなぜズレるのか?キャッシュフロー計算書で見えてくること〜
経営をしていると、毎月損益計算書を確認されていると思います。
先日お客様と損益計算書を見ながらお話をしていて、
損益計算書ってわかりやすいけど、難しい・・・と思いました。
なぜかというと、
損益計算書は、確かに「経営成績」を示すものではあるのですが、
例えば、減価償却費はお金が出ていかない費用ですし、
損益計算書には、借入金の返済というお金がでていく要素は計上されない。
一方で、お金が増えた、減ったというのは、目に見えて分かることです。
日々動きますし、注意深く見ておられる経営者もいらっしゃると思います。
お金が増えた、減ったということと、
「経営成績」を示すといわれている損益計算書とは、
どうしても「ズレる」んです。
なぜ「ズレ」は起こるのか、何を見ていけばよいのか、を今日は考えてみます。
1)損益とキャッシュはなぜズレるのか?
毎月の試算表を眺めて、
「利益は出ているはずなのに、なんとなく手元のお金の感覚と合わない…」
「先月も今月も黒字のはずなのに、なぜか資金繰りが不安…」という感覚も、
同じことかもしれません。
それは、気のせいではありません。
損益計算書(PL)に表れる「利益」と、実際のお金の動き「キャッシュフロー」は、
構造的にズレるものなのです。
今回は、そのズレがなぜ生まれるのかをひも解きながら、
本当に把握しておきたい「キャッシュフローの見方」をお伝えします。
2)損益とキャッシュがズレる理由
損益計算書は「利益を計算するための書類」であり、
「お金の動きを追うための書類」ではありません。
そのため、お金の動きと損益の計上タイミングや金額が、構造的にズレるのです。
大きく2つのパターンと、知っておきたい1つのポイントに整理してみます。
▼パターンA:利益よりキャッシュが少なくなるケース
(お金は出ていくのに、PLに費用として出てこない)
・借入金の返済:毎月返済しているお金は、PLには登場しません。
借りたときに収益にならないように、返すときも費用にならないのです。
・割賦の返済:分割払いで購入した設備なども同様です。
・保険の積立金:支払保険料のうち積立部分は費用ではなく資産扱い。
払っているのにPLに出てきません。
▼パターンB:利益よりキャッシュが多くなるケース
(PLに費用として出るのに、お金は出ていかない)
・減価償却費:設備を購入したとき、お金はすでに出ています。
でもPLには毎年少しずつ費用として計上されます。
お金の動きと費用計上のタイミングがズレるのです。
・引当金:退職給付引当金など、将来の支出に備えて見積もり計上するもの。
実際にはまだお金は出ていません。
▼知っておきたいポイント:金額によって扱いが変わる
たとえば40万円未満の備品は、購入した年に一度に費用計上できます。
一方、それを超えると資産計上して減価償却へ。
同じ「買い物」でも、金額によってPLへの出方がまったく変わるのです。
でも、見る側は、例えば300万円のものを買った、という前提でPLを見ますが、
耐用年数が5年のものであれば、PLに記載される減価償却費は60万円です。
300万円使ったのに、PLに表れる金額は60万円なんですよね。
3)「黒字だから安心」「赤字だからダメ」か
ここまで読んで、「じゃあ、利益が出ていればひとまず大丈夫?」でしょうか。
もう一歩踏み込んで考えてみましょう。
「黒字だから安心」は、実は罠かもしれません。
たとえば、毎月100万円の借入返済がある会社が、月50万円の利益を出していたとします。
PLは黒字ですが、返済には全然足りていません。
じわじわとお金が減っていく状態です。
大事なのは、「黒字か赤字か」ではなく、
「自社に必要な利益が出ているかどうか」です。
では、「必要な利益」とはいくらでしょうか?
・借入返済額をまかなえているか
・将来の設備投資や人件費の増加を見込めているか
・積立保険や引当金の積み上げに対応できているか など
これらを逆算すると、「自社としてこれだけ利益が出ていればよし」というラインが見えてきます。
このラインを、ぜひ自社で持っておいてほしいのです。
一方で、「赤字だからダメ」とも一概には言えません。
新事業への先行投資、人材の採用・育成、設備の更新など、
中期的な成長のための取組を進めているがゆえの赤字、ということもあります。
ただし、「狙った赤字」と「気づかない赤字」はまったくの別物です。
自社の必要利益ラインを持った上で、
「今期はこういう理由で、ここまでの赤字は許容する」と意図を持って
経営できているかどうか。それが大きな分かれ目です。
4)実態を確認するのが、キャッシュフロー計算書
「必要な利益が出ているか」を計画として持った上で、
では実際のお金の動きはどうだったのか?
それを確認するのが、キャッシュフロー計算書です。
キャッシュフロー計算書は、3つの区分で構成されています。
▼営業キャッシュフロー(本業でお金を稼げているか)
本業の活動でどれだけお金が増えたか、減ったかを示します。
ここがプラスであることが、経営の基本的な健全性のバロメーターです。
▼投資キャッシュフロー(将来への投資にお金を使えているか)
設備投資や資産の売却など。
成長のための先行投資をしている会社はここがマイナスになりますが、それ自体は悪いことではありません。
▼財務キャッシュフロー(借入と返済のバランスはどうか)
借入や返済、増資など。PLには出てこない借入返済の動きが、ここに表れます。
営業キャッシュフローがいくらあって、設備投資などの投資でいくらを使い、
財務キャッシュフローでは、いくら調達していくら返済したのか、
結果、期末にお金がいくらになったのか、この1年どのくらい増減したのか、
その要因が明らかに分かる資料です。
まず確認してほしいのは、「営業キャッシュフローがプラスになっているか」です。
ここがプラスであるかどうか、これは損益計算書が黒字であることよりも大事かもしれません。
本業でお金を生み出せているかどうか、ここが経営の土台です。
損益計算書で利益を確認する習慣はあっても、
キャッシュフロー計算書まで確認している経営者は、まだ多くありません。
最近は、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の3つで、決算書と呼ばれています。
決算の際には、たいていの場合、キャッシュフロー計算書も作ることは可能だと思います。
ぜひ税理士さんに聞いてみてください。
PLの利益と、実際のお金の動き。
この両方を把握してはじめて、経営の現在地が見えてくるのです。
経営の舵取りが難しい昨今、損益計算書も、キャッシュフロー計算書も、
味方につけていただきたいなと思います。
ご参考になりましたら、嬉しいです。
2.現在&これから公募の補助金や融資制度
・https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/07_keieisien_m.html
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/07_keieisien_m.html
社会的、経済的環境の変化などにより、一時的に業況の悪化を来している事業者が経営基盤の強化を図るために活用する資金の融資制度です。
今回の中東情勢の影響を受ける方についても、ご相談を受け付けています。
・中小企業新事業進出補助金 (第4次6月19日締切)
既存の事業とは異なる、新市場・高付加価値事業への進出にかかる設備投資等を支援
https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/
・デジタル化・AI導入補助金2026(第2次5月15日締切)
https://it-shien.smrj.go.jp/
・中小企業省力化投資補助金(一般型は第7次公募7月下旬締切)
https://shoryokuka.smrj.go.jp/
中小企業等のみなさまの売上拡大や生産性向上を後押しするため、
IoT・ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品の導入を支援いたします。
カタログ型と一般型があります。
カタログ型は締切がなく、随時申請です。
・ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(第23次公募8月上旬締切)
https://portal.monodukuri-hojo.jp/index.html
・小規模事業者持続化補助金(次回未定)
一般型
https://r6.jizokukahojokin.info/
創業型
https://r6.jizokukahojokin.info/sogyo/
・支援情報ヘッドライン | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
https://j-net21.smrj.go.jp/snavi/index.html
地域の公募情報も手に入ります。
・近畿経済産業局「中東・ウクライナ情勢・原油価格上昇等に関する特別相談窓口」
https://www.kansai.meti.go.jp/
・中東情勢関連対策ワンストップポータル(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/chuto_josei/index.html
・大阪府の制度融資 令和8年度中小企業者向け制度融資の実施について https://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/fumin/o110080/prs_50795.html
「経営安定サポート資金」の対象を拡充。市町村の認定不要。
3.おすすめ書籍
もしブッダがつぶれそうな会社の社長だったら―ラーメン好きの凡人サラリーマンが、7年でビリオネアになった物語
著;清水康一朗さん
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784054069411
(本の紹介より)
ビジネスにおいてつまずく原因となるものは、割と決まっています。お金、人間関係、健康など……。
しかしいずれも、仏教にすでに解決の糸口が書かれていました。
起業したばかりのイチロー、友人のショーヘイ、
そして仏教をもとにビジネスの手法を教えて多くの経営者から信頼を集める住職。
彼らが繰り広げる物語から、一つでも学んでもらえたらと思います。
著者は外資系コンサルティング会社・デロイト トーマツコンサルティング(現アビームコンサルティング)で活躍した後、
得度した本物の僧侶。法名は「康徳(こうとく)」。
これまでに手がけた経営スクールの受講生は、延べ8万人を超えます。
経営、教育、コンサルティング、コーチングの領域を横断し、西洋哲学・東洋思想・現代経営学を統合し、
経営者を中心に多くのビジネスパーソンを指導し、多大なる信頼を集めている。
本書は、その探究の集大成として、経営者が無自覚のまま陥りがちな「7つの盲点」を物語として描き、「苦しみビジネス」から抜け出す道を静かに示している。
★おすすめポイント
「経営の問題」は、数字や戦略だけでは解決できない。
そんなことを改めて考えさせられる一冊です。
資金繰り、人材不足、将来不安・・・。
会社が苦しくなると、経営者は「もっと頑張らなければ」と力を入れがちです。
しかし本書では、ブッダの視点を通して、
なぜ経営者は苦しくなるのか
なぜ組織がうまく回らなくなるのか
なぜ同じ問題を繰り返してしまうのか
を、“執着"というテーマから描いていきます。
なにが、知らず知らず経営判断を曇らせていくのか、
その描写に、思わずハッとさせられます。
また本書の魅力は、難しい仏教書ではなく、物語形式で非常に読みやすいことです。
4.セミナー情報&イベント情報
★大阪産業創造館様 主催セミナー★
今年度も管理会計系セミナー企画予定です。
◆7月16日14:00~16:30
【はじめての○○セミナー】 きちんと押さえたい!経営者のための資金繰り基礎知識
https://ebis.obda.or.jp/service/47023/detail
・産創館には、お役に立つセミナーがたくさん企画されています。
https://www.sansokan.jp/events/
5.日常に流されてスキップしてしまいました!
日常に流されてしまって、先週号のメルマガをスキップしてしまいました。
だいぶ書くことに慣れてきたとはいえ、落ち着いて書いていられないようなことも未だにありまして、
習慣って本当に難しいな~と感じております。
今日のメルマガは332号、次回は、ゾロ目の333号!って特に何もしないのですが、
3日坊主ばかりの私が、なんとか続けられているのにびっくりしています。
こうして読んでくださる方がいらっしゃること、本当にありがたくて。
お会いしたときに、読んでます!と声をかけてくださることもあって、とても励みになっています。
メルマガやっててよかったなと思うことは、常にアンテナを張り続けることができていることかもしれません。
毎週書いて送るという、健康的な強制力のおかげで、
何を伝えたら喜んでいただけるか、気づきを持っていただけるか、お役に立てるか、
そのような視点で、情報・知識を取りに行こうと思って行動できることです。
メルマガでアウトプットができるだけでなく、日々の知識をあらためて耕す機会にもなっているので、
仕事にもよい影響があるのだと思います。
だから、お休みすることはあっても、やめたくない習慣ですね。
経営環境が変わっていく中、その変化も身に感じながら、、もっとよい情報をお届けできるようにしていきたいです。
今後ともお付き合いいただけましたら、嬉しいです!
そして、いつもありがとうございます!
いつも、そして本日もお読みいただき、ありがとうございました。
今週も、皆さんにとって、たくさんよきことがありますように!
いってらっしゃい!
神佐 真由美
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