第335号★【前編】忙しいのに、利益と時間が残らないのはなぜか?ドラッカー先生に学ぶ「時間の棚卸し」/創造する経営者/充実した日と、不安が残る日の違い【税理士 神佐真由美】
税理士の神佐真由美です。
今日もご開封いただき、ありがとうございます。
本日のメルマガの内容です。
-----------------------------------------------
1. 【前編】忙しいのに、利益と時間が残らないのはなぜか?ドラッカー先生に学ぶ「時間の棚卸し」
2.現在&これから公募の補助金
3.おすすめ書籍 創造する経営者
4.セミナー&イベント情報
5.活動日記 自分の時間の使い方:充実した日と、不安が残る日の違い
---------------------------------------------
今日のメルマガの内容をラジオ風にお聞きいただけます
https://x.gd/bBrnP
1.【前編】忙しいのに、利益と時間が残らないのはなぜか?ドラッカー先生に学ぶ「時間の棚卸し」
「社員はみんな忙しそうなのに、利益がなかなか増えない」
「人を増やそうにも、なかなか採用がむずかしい」
「人増やす前にやることがあるような気がする」
「生産性をどうやって上げていけばいいのか・・・」
このような課題は、規模や業種問わず、あるものです。
「どのお客様・どの商品で儲かって、どこで手がとられているか」
がわかることで、ヒントがみえてくるかもしれません。
今回から2回にわたって、経営学の父・ドラッカー先生の言葉を手がかりに、
「成果の出る仕事に時間を使う経営」を考えてみたいと思います。
※長くなるので2回に分けてみました!
前編のテーマは、「時間の棚卸し」です。
【コストは売上ではなく、「作業の量」に比例する】
ドラッカー先生は著書『創造する経営者』で、こうおっしゃっています。
「コストは作業量に比例する」
つまり、コストは売上金額の大きさではなく、例えば、
見積・受注・配送・対応といった「仕事の回数」に応じて発生する、ということです。
たとえば、
・月1回、まとめて発注してくれるA社
・毎週小口で注文が入り、急な変更やクレーム対応も多いB社
売上が同じなら、帳簿上の利益も同じに見えます。
でもドラッカー先生の言う通り、コストは「回数」によって変わる。
B社には見積・受注処理・配送手配・クレーム対応…と、社員の時間がたっぷり注ぎ込まれています。
損益計算書では、全体でどのくらいのコストがかかったのかはわかりますが、
どの案件で、どのくらいの時間が(工数が)かかったのかは把握できません。
貴重な時間という資源を、何に投入しているのかは、測ってみないとわからないのです。
【成果の90%は、上位10%から生まれる】
ドラッカー先生はさらに、こんな冷徹な事実を指摘します。
「成果の90%は上位10%の活動から生まれる。
一方、コストの90%は、成果を生まない残り90%の活動から発生する」
成果とコストは、まったく違う場所に偏って存在している。
だからこそ、「どこに時間とコストが流れているか」を一度、見える化する必要があるのです。
「測るなんて大変そう」と思われるかもしれませんが、厳密に測る必要はないと思います。
step1:社員さんに聞く
たとえば、
「1週間の仕事時間のうち、受注処理・配送手配・営業訪問・クレーム対応…それぞれ何割くらい?」
と、ざっくり振り分けてもらう。
この感覚値、実測とそれほどズレてなければOK。
step2:回数を掛け合わせる
「見積1件30分」「配送手配1回20分」と目安を決めて、お客様ごとの件数を掛ける。
ドラッカー先生の言う「取引の回数」は、販売管理システムの記録が生かせるかもしれません。
実は「手間のかかるお客様」は現場が一番よく知っています。
その肌感覚を数字で裏付けるのが、この棚卸しの役割です。
まずは売上上位10社だけで十分かと思います。
もしくは、どんなことに時間がかかっているのか、仕事に種類を付けて、計測をしてみることです。
人手不足のいま、「人を増やして売上を伸ばす」ことが、難しい会社がほとんどです。
だからこそ、生産性向上の第一歩は、
もっと頑張ることではなく、
「いまある時間がどこに使われているか」を知ること。
まずは社員さんにひとこと、聞いてみるのはいかがでしょうか。
「いちばん時間を取られている仕事って、何?」
その答えが、利益改善の入り口です。
まずは、どんな作業にどれだけ時間を投下しているのか、把握すること。
これは、会計では、見えてこないものです。現場のデータが必要です。
それを日々記録する仕組みを作るには、(作業)日報をどうつけるか、という論点も必要になりますね。
さて、時間の使い道が見えたら、次は「仕分け」です。
次回・後編では、洗い出した仕事を4つに分類する方法と、
ドラッカーが示したコスト管理の5つの原則、
そして「何をやめるか」の決め方をお届けしようと思います!
と、次回は後編をお届けする予定でしたが、
6月14日に参加しました宮田運輸さんの【みらい会議】で
https://www.kodomo-museum.jp/services/future/kaigi/
大変多くの気づきや学びがありました。
(全国から見学者が参加する、経営会議です!)
次回は、【みらい会議】からの気づきや学びを、
次々回に【後編】をお届けいたします!
2.現在&これから公募の補助金や融資制度
・・【大阪府限定】中小企業の賃上げ促進支援について
賃上げのための財源をつくるための取組を支援する補助金が複数あります。
https://www.pref.osaka.lg.jp/o110050/keieishien/chinagepackage.html
・https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/07_keieisien_m.html
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/07_keieisien_m.html
社会的、経済的環境の変化などにより、一時的に業況の悪化を来している事業者が経営基盤の強化を図るために活用する資金の融資制度です。
今回の中東情勢の影響を受ける方についても、ご相談を受け付けています。
・中小企業新事業進出補助金 (第4次6月19日締切)
既存の事業とは異なる、新市場・高付加価値事業への進出にかかる設備投資等を支援
https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/
・デジタル化・AI導入補助金2026(第3次7月21日締切)
https://it-shien.smrj.go.jp/
・中小企業省力化投資補助金(一般型は第7次公募7月下旬締切)
https://shoryokuka.smrj.go.jp/
中小企業等のみなさまの売上拡大や生産性向上を後押しするため、
IoT・ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品の導入を支援いたします。
カタログ型と一般型があります。
カタログ型は締切がなく、随時申請です。
・ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(第23次公募8月上旬締切)
https://portal.monodukuri-hojo.jp/index.html
・小規模事業者持続化補助金(12月15日締切)
一般型
https://r6.jizokukahojokin.info/
創業型
https://r6.jizokukahojokin.info/sogyo/
・支援情報ヘッドライン | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
https://j-net21.smrj.go.jp/snavi/index.html
地域の公募情報も手に入ります。
中東情勢に関する支援情報 | -中東情勢に関する支援情報 |
https://j-net21.smrj.go.jp/chuto_josei/index.html
・近畿経済産業局「中東・ウクライナ情勢・原油価格上昇等に関する特別相談窓口」
https://www.kansai.meti.go.jp/
・中東情勢関連対策ワンストップポータル(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/chuto_josei/index.html
3.おすすめ書籍 ドラッカー先生の「創造する経営者」
創造する経営者
著:ピーター・F・ドラッカー先生
訳:上田惇生さん
https://www.diamond.co.jp/book/9784478000564.html
★おすすめポイント
・世界初の「経営戦略」の本である
1ドラッカー自身が「戦略という言葉がまだ一般的でなかった時代に書いた、事業戦略についての最初の本」と振り返っている一冊。
60年前の本なのに、むしろ60年経っても多くの会社ができていない、今に通じる考え方です。
・「成果は会社の中にはない」
成果は外部、つまりお客様のところにしか存在せず、社内にあるのはコストだけ。
社内の頑張りや忙しさと、成果はまったく別物。
今回の「忙しいのに儲からない」の根っこにある考え方です。
・自社を「レントゲン撮影」する分析手法
商品・顧客・流通チャネルごとに、売上だけでなくコストと資源(人の時間)の配分を突き合わせる分析が示されます。
「昨日の主力商品」「独善的商品(経営者の思い入れだけで生きている商品)」といった商品の分類は、ドキッとします。
・コストではなく「機会」に目を向けさせる本
コスト分析の本かと思いきや、結論は「問題ではなく機会に、人と時間を注げ」。
守りの本ではなく攻めの本です。読後感が前向きなのも、おすすめ。
・中小企業にこそ向いていると思います。
大企業のような分析部隊がなくても、社長が自社の商品とお客様を一通り頭に思い浮かべられる規模だからこそ、
この本の分析は実行しやすいかもしれません。
4.セミナー情報&イベント情報
★大阪産業創造館様 主催セミナー★
今年度も管理会計系セミナー企画予定です。
◆7月16日14:00~16:30
【はじめての○○セミナー】 きちんと押さえたい!経営者のための資金繰り基礎知識
https://ebis.obda.or.jp/service/47023/detail
8月には製造原価報告書セミナー、10月以降は管理会計系セミナーシリーズを予定しております!
・産創館には、お役に立つセミナーがたくさん企画されています。
https://www.sansokan.jp/events/
5.自分の時間の使い方を改めて考える 充実した日と、不安が残る日の違い
今回、本文を書きながら自分の時間も棚卸ししてみて、ふと気づいたことがあります。
1日が「今日のこと」だけで終わってしまった日は、どんなに忙しく働いても、少し不安が残ります。
逆に、充実したなあと感じるのは、未来のために時間を使えた日。
お客様の中長期的なビジョンや課題についてじっくり考えを深められたとき。
少し先の仕事を先回りして予習できたとき。
新しい知識を得て、新たな課題に気づけたとき。
少し先のセミナーの準備が進んだとき。
新しい出会いやつながりができたとき。
将来の効率化とサービス向上について、こうしたらいのかな!という案ができたとき。
事務所の成長につながるようなことを考え、少しでも行動に移せたとき。
どれも「今日や今すぐの売上」には直結しません。
でも、ドラッカーの言う「明日の機会」への投資なのだと思います。
Googleにも、勤務時間の2割を本業以外の新しい取り組みに使う「20%ルール」があり、Gmailはそこから生まれたのだとか。
放っておくと、時間は100%「今日」に溶けてしまう。
だからこそ、意識して「未来の枠」を確保したいものです。
緊急ではないけど、重要なことに、どれだけ時間が投下できるのか、
私自身としても、しっかり見ていきたいと思います。
いつも、そして本日もお読みいただき、ありがとうございました。
今週も、皆さんにとって、たくさんよきことがありますように!
いってらっしゃい!
神佐 真由美
このメルマガの内容の転載は、大歓迎です。
ご感想・ご意見も大歓迎です。
このメールにご返信いただきましたら、私に届きます。
このメルマガをおすすめされたい方がいらっしゃいましたら
こちらのURLをご紹介ください。
https://mail.os7.biz/add/JaJ8
バックナンバーはこちらからお読み頂けます!
https://mail.os7.biz/b/JaJ8
メルマガの購読をやめたいときは、こちらから停止手続をお願い致します。
解除専用ページURL
~税理士を、経営参謀に~
発行責任者:神佐 真由美
住所:京都市伏見区東大手町763番地 若由ビル 3階 角谷会計事務所内
連絡先:m.kanza@nifty.com
記事一覧
第335号★【前編】忙しいのに、利益と時間が残らないのはなぜか?ドラッカー先生に学ぶ「時間の棚卸し」/創造する経営者/充実した日と、不安が残る日の違い【税理士 神佐真由美】
こんにちは! 税理士の神佐真由美です。 今日もご開封いただき、ありがとうございます。 本日のメルマガの内容です。 ------------------------------------------
2026年06月15日
第334号★上がるコスト、値上げの検討はマストに。そして消費税1%の影響は?/頑張らせない経営/ニューヨークタイムズをお試しで読んでいます【税理士 神佐真由美】
こんにちは! 税理士の神佐真由美です。 今日もご開封いただき、ありがとうございます。 本日のメルマガの内容です。 ------------------------------------------
2026年06月08日
第333号★経営のバトンはどう渡す?〜承継の「考え方・課題・相談先」を整理する〜/代表的日本人~中江藤樹先生~/ドーピング0会吉田さんの出版記念会・プロとは?【税理士 神佐真由美】
こんにちは! 税理士の神佐真由美です。 今日もご開封いただき、ありがとうございます。 本日のメルマガの内容です。 ------------------------------------------
2026年06月03日
こんにちは! 税理士の神佐真由美です。 今日もご開封いただき、ありがとうございます。 本日のメルマガの内容です。 ------------------------------------------
2026年05月25日
第331号★景気どうなん?日銀展望レポートから読み解く「今の経済の現在地」~ おさえておきたい、物価・金利・景気の見通し ~/人文知は武器になる/GWは奥能登に行ってきました【税理士 神佐真由美】
こんにちは! 税理士の神佐真由美です。 今日もご開封いただき、ありがとうございます。 本日のメルマガの内容です。 ------------------------------------------
2026年05月11日
第330号★「企業価値担保権」は私たち中小企業の味方か?~ 2026年5月施行前に経営者が知っておくべきこと ~/ベテラン金融マンの知恵袋/今年の作品は「勇往邁進」にしました【税理士 神佐真由美】
こんにちは! 税理士の神佐真由美です。 今日もご開封いただき、ありがとうございます。 本日のメルマガの内容です。 ------------------------------------------
2026年05月04日
第329号★これからの金融機関との付き合い方〜決算書を「見せる」だけでなく「説明できる」会社になる〜 /2034-未来予測ーAI(きみ)のいる明日/大変なときこそ記憶を記録に【税理士 神佐真由美】
こんにちは! 税理士の神佐真由美です。 今日もご開封いただき、ありがとうございます。 本日のメルマガの内容です。 ------------------------------------------
2026年04月27日
第328号★中東情勢が貴社に与える影響は?そして各種相談窓口と支援策まとめ/インフレ・円安・バラマキ/AI活用の悩ましいところ【税理士 神佐真由美】
んにちは! 税理士の神佐真由美です。 今日もご開封いただき、ありがとうございます。 本日のメルマガの内容です。 -------------------------------------------
2026年04月13日
第327号★従業員の食事代・通勤手当や子ども子育て支援金などこの4月から適用の改正を改めてお伝えします!/言葉にできるは武器になる。/生成AIからAIエージェントへ【税理士 神佐真由美】
こんにちは! 税理士の神佐真由美です。 今日もご開封いただき、ありがとうございます。 本日のメルマガの内容です。 ------------------------------------------
2026年04月06日
第326号★大阪駅のぴちょんくんに学ぶマーケティング 思い出してもらい、アクセスする2つのアベイラブル/書籍はお休み/心配ごとは思ったよりも早く【税理士 神佐真由美】
こんにちは! 税理士の神佐真由美です。 今日もご開封いただき、ありがとうございます。 本日のメルマガの内容です。 ------------------------------------------
2026年03月30日
第325号★4月から社会保険の130万円ルールが変更されますー契約時で130万円かどうかで決まりますー/君たち中学生・高校生が学ぶ会計/ぜひ春の能登にお越しください【税理士 神佐真由美】
こんにちは! 税理士の神佐真由美です。 今日もご開封いただき、ありがとうございます。 本日のメルマガの内容です。 ------------------------------------------
2026年03月23日
第324号★取引先の企業情報、きちんとそろえていますか?〜既存・新規取引先の与信管理の基本〜/SHIFT解剖 究極の人的資本経営/AI時代だからこそ、書道の手ざわり感【税理士 神佐真由美】
こんにちは! 税理士の神佐真由美です。 今日もご開封いただき、ありがとうございます。 本日のメルマガの内容です。 ------------------------------------------
2026年03月16日
第323号★月次決算で資金調達が有利になる制度ができました~モニタリング強化型特別保証制度~/なぜ「力こそ正義」はよみがえったのか/「いちばん忙しい時期【税理士 神佐真由美】
こんにちは! 税理士の神佐真由美です。 今日もご開封いただき、ありがとうございます。 本日のメルマガの内容です。 ------------------------------------------
2026年03月09日
第322号★4月から新たに始まる子ども・子育て支援金、経営や家計、実務への影響は?/離職ゼロ。「自営型社員」が会社を変える!/子どもに簿記3級を取らせてみるか【税理士 神佐真由美】
こんにちは! 税理士の神佐真由美です。 今日もご開封いただき、ありがとうございます。 本日のメルマガの内容です。 ------------------------------------------
2026年03月02日
こんにちは! 税理士の神佐真由美です。 今日もご開封いただき、ありがとうございます。 本日のメルマガの内容です。 ------------------------------------------
2026年02月24日