第333号★経営のバトンはどう渡す?〜承継の「考え方・課題・相談先」を整理する〜/代表的日本人~中江藤樹先生~/ドーピング0会吉田さんの出版記念会・プロとは?【税理士 神佐真由美】
税理士の神佐真由美です。
今日もご開封いただき、ありがとうございます。
本日のメルマガの内容です。
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1. 経営のバトンはどう渡す?〜承継の「考え方・課題・相談先」を整理する〜
2.現在&これから公募の補助金
3.おすすめ書籍 代表的日本人
4.セミナー&イベント情報
5.活動日記:ドーピング0会吉田さんの出版記念会に行ってきました
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1.経営のバトンはどう渡す?〜承継の「考え方・課題・相談先」を整理する〜
私は、29歳で税理士になり、もう17年が経とうとしています。
気が付けばもうすぐこの仕事をして20年になります。
関わってきたお客様でも、事業承継の場面を多く経験してきました。
親族内承継、親族外承継、そしてM&A、経営者の勇退。
誰でも等しく年齢を重ね、経営のバトンを誰かに渡すときが来ることを経験的に知っています。
経営者の皆さんは、日ごろ本当に忙しく、承継という長い先のことをじっくり考える余裕があまりないかもしれません。
でも、誰にでもいつかは訪れること、頭のどこかで気になっているのではないでしょうか。
どんなことを考えておいたらいいのか、整理をしてみました。
1)まず何から考えるべきか
承継を考える出発点は、難しい制度や税金の話ではありません。
まず経営者自身が「自分はどうしたいか」を言語化することが先です。
「いつまでに」 「誰に」 「どんな会社を手渡したいか」
この3つを整理しておくことから、次に何をすべきかが見えてくると思います。
・ 「いつまでに」タイムラインをどうするか
「65歳を目安に」 「10年後には」など、ざっくりでいいので期限をイメージしてみる。
後継者育成には最低でも3〜5年かかると言われています。
「そろそろ考えよう」と思った時点というより、ゴールから逆算することがとても大切です。
・「誰に」承継ルートをどうするか
家族(親族承継)、社内の幹部(役員・社員承継)、社外の第三者(M&A)などが
主な選択肢となります。現実的に考えられる選択肢を確認しましょう。
準備の内容も変わってきます。
・「どんな会社を」 「手渡したいもの」を棚卸しする
財務諸表に載らない「顧客との信頼」 「独自のノウハウ」 「社内文化」こそ、会社の本当の価値です。
2)承継でよく直面する課題は何か
・課題1「引き継ぎたい会社」になっているか
承継の前提として見落とされがちなのが、この視点です。
親族であれ、親族外であれ、ぜひ引き継ぎたい、と思える会社になっているか?
M&Aで第三者に渡す場合も、会社の魅力が企業価値に直結します。
承継を考えるなら、「会社の磨き上げ」も同時に進めることが大切です。
たとえば、こんなことです。
・収益の安定化:特定の顧客・商品への依存を減らし、収益構造を健全にする
・属人化の解消:「社長がいないと回らない」状態を脱し、仕組みで動く組織にする
・財務の透明化:不要な資産の整理や、経営者個人と会社の資産の分離を進める
・強みの見える化:技術・顧客・ブランドなど、自社ならではの価値を言語化・文書化する
磨き上げには数年単位の時間がかかります。
「承継を考え始めた」その時から着手することが、最良のタイミングです。
かつて関わったお客様では、承継を考えるようになってから、
「誰が経営しても、儲かる会社にします」と宣言し、仕組み化を進められました。
社内に引き継ぐ方はいらっしゃいませでしたが、第三者に会社ごと買ってもらい、勇退できました。
・課題2:後継者が見つからない・育っていない
「社内に適任者がいない」 「子どもは継ぐ気がない」という声は非常に多いです。
候補者を早めに決め、意識的に経営経験を積ませることが必要です。
M&Aという選択肢も、早い段階から視野に入れておく価値があります。
・課題3:株式の集約と相続税・贈与税の負担
株式が分散していたり、会社の評価額が高いと、
相続・贈与のタイミングで多額の税負担が生じるケースがあります。
まずは試算をしておき、承継にかかるお金について、税理士に確認をとりましょう。
会社と個人の資金バランスも大事なポイントです。
・課題4:経営者保証(個人保証)の引き継ぎ
金融機関への個人保証を後継者が引き受けることに消極的なケースは多く、承継が進まない大きな原因の一つです。
近年は「経営者保証に関するガイドライン」の活用や、保証不要の融資への切り替えなど、選択肢が広がっています。
早めに金融機関と相談しておくことをおすすめします。
・課題5:先代経営者が「手放せない」
書類上は承継が完了しても、先代が目を離せない、というお悩みは案外多いもの。
後継者が動きにくくなるケースは少なくありません。
「任せる」と決めたら、意思決定の場から徐々に引くことも、経営者としての最後の仕事かもしれません。
現実的には、承継後の先代のライフワークをどうするか?という課題があります。
中小企業経営者は、仕事一筋の方が本当に多いです。
勇退した後の役割を、社内あるいは社外で持っておくことはとても大事です。
3)どこに相談すればいいか
承継は「法律・税務・経営・人」が絡む複合的なテーマです。
どの相談先であっても、全体を見て助言できる視野が欠かせません。
・税理士・公認会計士
相続税・贈与税の試算、事業承継税制の活用、株価評価だけでなく、会社の磨上げでも力になってもらいましょう。
・弁護士
株式譲渡契約、定款変更、遺言・遺産分割など法的な手続きが必要な場面に。
・M&Aアドバイザー・仲介会社
後継者がいない場合や第三者への承継を検討する際の相談先です。
買い手候補の探索から条件交渉・契約まで伴走してもらえます。
着手金なし・成功報酬型の会社も増えています。
・事業承継・引き継ぎ支援センター
国が設置した公的な無料相談窓口で、各都道府県に設置されています。
税理士・弁護士・中小企業診断士などの専門家が対応し、中立的な立場でアドバイスを受けられます。
「まず話を聞いてほしい」という方にも適しています。
・メインバンク・商工会・商工会議所
日頃から付き合いのある金融機関や商工会も、承継の相談窓口として活用できます。
地域のネットワークを活かした後継者マッチングや、専門家の紹介につないでもらえるケースもあります。
今日は、経営者であれば、誰しもが考えるタイミングがくる"経営のバトンの渡し方"について、考えてみました。
少しでもご参考になりましたら、幸いです。
消費税について、2年限定食料品1%が現実的になってきましたね。
次回はこれらのことが会社経営に与える影響についても考察してみます。
2.現在&これから公募の補助金や融資制度
・https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/07_keieisien_m.html
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/07_keieisien_m.html
社会的、経済的環境の変化などにより、一時的に業況の悪化を来している事業者が経営基盤の強化を図るために活用する資金の融資制度です。
今回の中東情勢の影響を受ける方についても、ご相談を受け付けています。
・中小企業新事業進出補助金 (第4次6月19日締切)
既存の事業とは異なる、新市場・高付加価値事業への進出にかかる設備投資等を支援
https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/
・デジタル化・AI導入補助金2026(第2次6月15日締切)
https://it-shien.smrj.go.jp/
・中小企業省力化投資補助金(一般型は第7次公募7月下旬締切)
https://shoryokuka.smrj.go.jp/
中小企業等のみなさまの売上拡大や生産性向上を後押しするため、
IoT・ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品の導入を支援いたします。
カタログ型と一般型があります。
カタログ型は締切がなく、随時申請です。
・ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(第23次公募8月上旬締切)
https://portal.monodukuri-hojo.jp/index.html
・小規模事業者持続化補助金(次回未定)
一般型
https://r6.jizokukahojokin.info/
創業型
https://r6.jizokukahojokin.info/sogyo/
・支援情報ヘッドライン | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
https://j-net21.smrj.go.jp/snavi/index.html
地域の公募情報も手に入ります。
・近畿経済産業局「中東・ウクライナ情勢・原油価格上昇等に関する特別相談窓口」
https://www.kansai.meti.go.jp/
・中東情勢関連対策ワンストップポータル(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/chuto_josei/index.html
・大阪府の制度融資 令和8年度中小企業者向け制度融資の実施について https://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/fumin/o110080/prs_50795.html
「経営安定サポート資金」の対象を拡充。市町村の認定不要。
3.おすすめ書籍
代表的日本人
著:内村鑑三さん
https://online.chichi.co.jp/category/BOOK/979.html
(本の紹介より)
海外との交流が盛んになってきた19世紀末、キリスト教指導者内村鑑三が「日本人にもこんな人物がいる」と世界に伝えようと英語で書いたのが本書だ。
その日本人の代表として取り上げたのは西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮の5人。
維新の立役者、藩主、農民、儒学者、僧侶と、その人選のバランスに著者の慧眼を感じる。
その5人の生い立ちから時代の中で果たした役割、私生活までが過不足なく語られる。
とりわけその内面を当時の欧米人にもよく分かるよう、聖書の言葉や歴史的人物を例に出しながら解説している。
本書が書かれたのは百年以上前のことだが、そこに書かれていることは決して古色蒼然とはしていない。
それはできるかぎり現代の言葉に置き換えた翻訳の力もあるだろう。
同時に、ここに書かれた5人の生き方が「代表的日本人」として現代にも通じるということに他ならない。
★手に取ったきっかけ
弁護士の坂口俊幸先生の事務所での勉強会で、この本を知りました。
もう5年も前のことですが、つい先日、「代表的日本人」の1人、中江藤樹先生のゆかりの地、近江高島へ行ってきました。
★おすすめポイント
5人の生き方を通して、日本人の精神的ルーツ(質素倹約や、他者への貢献など)を学べる本です。
人としてどう生きるべきか、何が人の道として正しいか、
今の日本の教育では、このようなことを学ぶ場は少なくなったのではないかと本を読んで思いました。
かつての日本の小中学校では「修身」という授業があり、人格を磨き立派な行いをすることを目的としていたそうですが、
戦前・戦中には、軍国主義の色合いが濃くなり、戦後には授業が停止された科目です。
藤樹先生ゆかりの近江高島の地へ行きまして、
藤樹神社(財界の寄附も受け、神社が創建されています)、藤樹書院をめぐってきました。
藤樹先生は、人の良心を信じ、学ぶこと以上に実践を重んじた教育者で、全国から教えを請いたいと人が殺到したそうです。
今も地域の方に愛され、その伝説は受け継がれていることを、肌身で感じることができました。
4.セミナー情報&イベント情報
★大阪産業創造館様 主催セミナー★
今年度も管理会計系セミナー企画予定です。
◆7月16日14:00~16:30
【はじめての○○セミナー】 きちんと押さえたい!経営者のための資金繰り基礎知識
https://ebis.obda.or.jp/service/47023/detail
・産創館には、お役に立つセミナーがたくさん企画されています。
https://www.sansokan.jp/events/
5.ドーピング0会吉田さんの出版記念会に行ってきました
先日、一般社団法人ドーピング0会代表の吉田哲朗さんの出版記念パーティーに、お招きいただきました。
吉田さんは、5月20日に「アスリートのための薬・サプリメント ハンドブック」を出版されました。
https://amzn.asia/d/02Dl1ezU
なぜ5月20日に発売なのか?
実は、5月21日からドーピングokなスポーツ大会、エンハンストゲームズがアメリカで開催され、
多額な賞金で注目を浴びています。
ドーピングは、持っている以上の力を発揮する効果もありますが、身体にかける負担や悪影響もあり、
未来を損なうリスクも小さくありません。
身体を犠牲にしても勝てばいいのか?本当にこれって盛り上げていいのか?
新記録の続出に、子どもたちがあこがれてしまったらどうなるのか?
「No!」の意見表明の意味もあって5月21日の出版でした。
このプロフェッショナルだからこその使命感に、私は心を打たれました。
ドーピング0会は、薬剤師や医師、公認心理士、栄養士など10を超える職種のプロが、
アンチドーピング指導、スポーツ栄養指導、メンタル指導を手がけ、
プロスポーツ実業団をサポートしたり、アンチドーピングの啓蒙活動を行っておられます。
ドーピングってすごいアスリートの話って遠い話のように感じますが、
何気なく進めてもらった薬やサプリやドリンク、思わぬところに、ドーピングに近づくリスクがあることを教えていただきました。
部活動や市民アスリート、地域のスポーツサークルなど、専門家が行き渡らない現場にこそ、必要だから本を書く。
自分たちの関わる世界全体の解決に貢献する姿勢に、とても感銘を受けました。
私も、そんな専門家になれるよう、意識を拡げ、できることで社会に貢献していきたいです。
いつも、そして本日もお読みいただき、ありがとうございました。
月曜日に間に合わなくて、水曜日の配信となってしまいましたが、
今週も、皆さんにとって、たくさんよきことがありますように!
いってらっしゃい!
神佐 真由美
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