[きもの]花魁はつらいよ｜気楽に普段きものバックナンバー

[きもの]花魁はつらいよ

2018年12月11日

○○さん、おはようございます。

いがらしです。

札幌は最高気温がマイナスの日が続き

雪も積もって完全に冬になりました。

朝起きると部屋の温度が１０度以下になっていて

寒くて布団の中から出られません＞＜

コートも冬仕様にかえたのですが

そのおかげで勤め先のロッカーのカギを忘れるという

大失態を犯しました（爆）

いつもカバンの中に入れているのに

前の日に限ってコートのポケットに入れていたんですね。

寒くなるとぼーっとして凡ミスが多くなるなるので

年末年始はおとなしく過ごします。

さて、

寒くなるとお外に出たくないので

私は調べ物をしたり漫画を読んだりする時間が増えます。

今は江戸時代の着物の変遷や風俗の本を読んでいるのですが

その中で特に面白かった本２冊を今日はシェアしたいと思います♪

時代劇をよく見る人にはオススメの本です。

「江戸衣装図鑑」

「廓の媚学」

ともに　菊池ひと美　著

「江戸衣装図鑑」はイラストが一緒に描かれているので

非常に理解しやすかったです。

また、着物だけではなく化粧や髪形も載っています。

歴史的資料を元に前期・中期・後期それぞれの

男女、成人と子供、身分などに分けて詳しく書かれているので

とても読みやすい構成でした。

ずっと疑問に思っていたことも書かれていたので

結構マニアックな本だと思います。

「廓の媚学」は遊女のランクから利用料金、

どうやって遊女と遊ぶのかについて詳しく書かれています。

この本を読んで面白いと思ったことは

とにかく”お金”が基準であるということです。

江戸時代というのは完全な身分制度なので、

身分によって処遇が異なりますが、

遊郭の中ではその常識が通用しません。

特に花魁と呼ばれる高級遊女の場合、

他の遊客とかちあった時は

どちらがより多く普段から貢いでいるか、

また、遊女の好みかによってサービスを受けられるかが決まります。

どんなに身分が高くても

遊郭の中での選択権は遊女にあるんです。

で、

遊郭側もかちあわないようにする配慮はなくて

複数人を同時に遊女につけます。

しかも、料金は一緒なのに

遊女に選ばれなかった方の客は

下の粗末なランクに格下げられます（笑）

現代ならクレームの嵐ですねー

考えたら、遊女は借金のかたに売られてきているので

借金返済のために有利な方を選ぶのは当然ですよね。

さらに、

高級遊女は必ず何人かのお世話係がついていて

その子たちの衣装代も持つので借金が増えるため

経営者並の剛腕が必要なんです。

遊郭側だってお金を払って買った少女に

さらに遊女の教育を施すので

お金がいくらあっても足りないんです。

なので

男性からのお金の巻き上げ方に関しては

かなりシビアです。

ということで、

今日ご紹介したこの２冊の本を読めば、

江戸時代のことはだいたい分かるのではないでしょうか。

興味があれば、読んでみてくださいね。

ちなみに、”太夫”は江戸前期・中期、

”花魁”は後期の高級遊女の総称です。

花魁については、世話係の禿（かむろ）が

「おいらんちの姉さんが～」と言っていたことから

”おいらん”になった、という説があります。

私は禿（かむろ）という字を見ると

禿（はげ）と一回必ず読んでしまいます。

「廓の媚学」を読んでわかったのは

禿（かむろ）は頭を剃っていた子もいたようなので

あながち禿（はげ）でも間違いはなさそうです（笑）