第161号★金融機関との取引をスムーズにする”ローカルベンチマーク”作成のすすめ/2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ/京都のオープンイノベーション【税理士 神佐 真由美】
今日もご開封いただき、ありがとうございます。
本日のメルマガの内容です。
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1.金融機関との取引をスムーズにする”ローカルベンチマーク”作成のすすめ
2.現在公募中/これから公募予定の補助金
3.おすすめ書籍 2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ
4.セミナー情報
5.活動日記 京都のオープンイノベーション
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1.金融機関との取引をスムーズにする”ローカルベンチマーク”作成のすすめ
セミナー情報でお知らせしている通り、3月9日に大阪産業創造館様にて、
「経営者のための資金繰り基礎知識」というセミナーで講師を務めます。
資金繰りとは何か?という基本的なところから、
経営だけでなく、金融機関との情報共有にも役立つ資金繰り表のつくりかたや、
資金繰りの改善のポイントをお伝えしています。
資金繰りといえば、金融機関との取引は、必ずといっていいほどついてくるテーマ。
金融機関との付き合い方の基本についても、融資の種類や仕組みから、
どこを見ているのか?というポイントも含めて、解説しています。
多くの中小企業にとって、金融機関との付き合い方は重要なテーマ。
設備投資をする、経営改善をする、どのようなフェーズであっても、
支援してほしいときに、支援してもらえる、そんな関係づくりが必要です。
関係づくりを進めるにあたり、
「これは、ぜひ作成して、共有しておいたほうがいい!」というものがあります。
それは、「ローカルベンチマークツール」です。
とくに、大事なのは、「ローカルベンチマークツール」の「非財務情報」です。
金融機関は、会社を知る情報として、決算書を最低3期分、把握します。
そして、どんな事業を行っているのか、どんな業界で仕事をしているのか、
どんなときに資金が必要となるのか、などを把握していきます。
しかし、決算書でこれらのすべてがわかるわけではありません。
だから、金融機関の担当者は、経営者に対して、ヒアリングを行ったり、
会社や工場を見学したりして、情報を深めます。
そこから知り得たことを、企業の情報として、記録し、
提案に活用したり、
融資の申込みのときに、稟議書を作るのに情報を活用します。
しかし、今、金融機関の融資担当者1人が担当する企業数は、
なんと50件から70件。
じっくりヒアリングをしたり、情報収集する時間は限られています。
だとしたら、どうするか。
こちらから、情報を進んで出すのです。
そのためのツールが「ローカルベンチマークツール」です。
どんな事業をしていて、どんなプロセスや商流で、選ばれる理由はココで、
会社を取り巻く事業環境はどう変化していて、
今の課題はこういうところだから、これを乗り越えるべく、
このような投資をして、事業をどう展開していきたいか。
これを上手にまとめるツールが、ローカルベンチマークツールの「非財務情報」です。
自社の理解を深めてもらうべく、情報を共有するツールです。
ローカルベンチマーク(通称:ロカベン) (METI/経済産業省)
https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/locaben/
マンガでわかる「ローカルベンチマーク」 | 経済産業省 中小企業庁 (mirasapo-plus.go.jp)
https://mirasapo-plus.go.jp/hint/15111/
3ページのシートになっていて、
このうち、2・3ページ目が、非財務情報です。
自社の業務フローと差別化ポイント、商流が2ページ目。
4つの視点から見た自社の情報を整理するのが、3ページ目。
もちろん1ページ目も大事ですが、これは数字を入れれば作られるものになります。
2ページ目と3ページ目は、言葉で書く必要があり、
決算書には書いていないことですが、会社を知る上では重要な情報です。
数年前から、金融機関は「事業性評価」といって、
決算数値や担保に過度に依存せず、事業そのものも観て、支援しましょう、という方向へ舵を切っています。
だからこそ、金融機関側では、この「非財務情報」を特に必要としています。
しかし、これらの項目をヒアリングで埋めていくのは大変なこと。
だから、こちらから、作成して、共有するのが望ましいです。
(実際、提出して、喜ばれた事例もあります)
ローカルベンチマークツールのページを見ると、
「会社の健康診断」とありますが、
そういう面もあるし、コミュニケーションツールでもあると考えています。
作成するタイミングは、いつがよいでしょうか?
タイミングとしては大きく2つあると思います。
1つは、決算書を金融機関に提出するタイミング。
融資を受けていたら、決算書や申告書ができたら、金融機関に提出をします。
そのときに、ローカルベンチマークツールも一緒に提出すると、
担当者にいちばん見てもらいやすいタイミングであり、
最新の決算状況とともに共有できます。
もう1つは、設備投資や新事業のために融資を打診するとき。
設備投資をして、どのように仕事の仕方が変わるのか、
新規事業をする際には、どんな事業をしようとしているのか、
2ページ目の業務フローと商流を記載して、共有するとよいでしょう。
情報を多く開示してくれる企業と、それがない企業とでは、
どちらが前向きに支援してもらいやすいか、というと、
特に今の時代は、前者だと思います。
目線を合わせて、コミュニケーションを取りながら、
支援してほしいときに支援してもらえる関係をつくるには、
こちらから進んで情報を出す、
そのためのよいツールが、ローカルベンチマークツールです。
例えば、今度の決算を目標に、などと期限を決めて、
ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
なかなかお時間が取れない、一人だと手が止まってしまう、という方もいらっしゃるかもしれません。
ローカルベンチマークツールを作成するワークショップのような会を、
オンラインで開催できたらいいかな、と考えています。
ご興味ある方がおられましたら、興味あるよ!とこのメールにご返信くださいね。
2.現在公募中/これから公募の補助金
・事業復活支援金(1月31日から申請開始!)
https://jigyou-fukkatsu.go.jp/
・インボイス対応に!
パソコンやタブレットも対象に!IT導入補助金2022(予告チラシ)
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/2021/1224/003_seisansei.pdf
・業務改善助成金
https://pc.saiteichingin.info/chusyo/index.html
・事業再構築補助金(次は第5次公募!1月20日~3月24日)
https://jigyou-saikouchiku.jp/
・ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(第10次公募 5月11日まで)
https://portal.monodukuri-hojo.jp/common/bunsho/ippan/10th/gaiyou_20220216.pdf
デジタル枠・グリーン枠・回復型賃上げ・雇用拡大枠が新設
・小規模事業者持続化補助金(第8回公募 おそらく2022年6月まで)
https://r1.jizokukahojokin.info/
3.おすすめ書籍 2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ
2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ
ピーター・ディアマンディスさん
https://www.amazon.co.jp/dp/4910063137/ref=cm_sw_r_tw_dp_DV18SJQXYFPMVCS138W9
(本の紹介より)
小売、広告、エンタテインメント、交通、教育、医療、長寿、金融、不動産、環境……
テクノロジーの“融合”によって、大変化は従来予想より20年早くやってくる。
★手に取ったきっかけ★
知り合いの方の書評を読んで。
また、あらゆるところでの変化が加速度的に進んでいると感じており、
興味を持ったのもあります。
★おすすめポイント★
買い物の未来・広告の未来・エンターテイメントの未来・・・
それぞれの分野で起こりうる未来が鮮明に書かれています。
1年少し前の本ですが、その通りに進んでいるような気がします。
そして、海外の方が先に進んでおり、日本ではあまり報道されていないように感じます。
「加速する未来では、機敏さが安定性を上回る価値を持つ。つまり変化したものが生き残る」
このようなフレーズがありました。
どのように変化し得るのかを先取りしながら、
これからのこと=10年後の経営を考えるのに、よい本だと思います。
4.セミナー情報
★はたブキサロン 定例会 あなたの「やりたい」が見つかりそうで見つからない理由★
いつもお世話になっている人見康子さん主宰のオンラインサロンの定例会です。
視聴チケットを持っておりますので、参加したいという方は、このメールにご返信ください。
◎タイトル
あなたの「やりたい」が見つかりそうで見つからない理由
〜未来に向かって動き出す3つのステップ〜
<詳細>
https://bizlab.co.jp/2021/12/31/2202/
◎スピーカー
株式会社トリドールホールディングス
総務部長 兼 経営企画室IR担当
ビジネス書作家・講演家
小野 正誉氏
企業でご活躍の一方、ビジネス書作家や講演家という顔も持つ小野さん。
忙しい中ハイブリットな働き方を可能としているのは、本当にやりたいことを見つけただけではなく、
より大切となる”続ける”ためのモチベーションのエンジンも持っているからと。
それぞれの方の「ほんとうのやりたい」を見つけ、うまく回りだすまでには3つステップがある。
そのステップを踏めば必ずうまくいくとおっしゃいます。
あなたの「やりたい」を見つけ、なりたい、やりたい方向に動き出すまでの3つのステップについてお話しいただきます。
◎日時 2月21日(月) 20時〜21時30分(質疑応答含む)
★大阪産業創造館様 主催セミナー 登壇予定★
2022年3月9日14時~16時30分(現在キャンセル待ち)
【はじめての○○セミナー】きちんと押さえたい!経営者のための資金繰り基礎知識
https://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=36011
5.活動日記 京都のオープンイノベーション
先日の13日から20日、DESIGN WEEK KYOTOというイベントが行われていました。
DESIGN WEEK KYOTO 2022 (designweek-kyoto.com)
https://designweek-kyoto.com/2022/
”京都各所にある多様なモノづくりの現場。
日々何かが生み出されている現場をオープンして、
交流を通じて視野を広げることで生まれるイノベーション。
京都が創造性溢れる街となるように、DESIGN WEEK KYOTOを立ち上げました。”
とあるように、
京都のあちこちにある伝統工芸を中心とした工房を見学できるイベント。
コロナ禍なので、各工房をオンラインでつないでの交流が中心だったようです。
タイミング合って、20日に亀岡にある松楽さんという樂焼の工房を訪問することができました。
(もちろんオンラインで!)
樂焼のはじまりのお話から、実際に工房を見せていただいて、
お茶碗をつくるところ、そして、焼くところも、まるで目の前に見ているかのように、見学できました。
家にいながら、伝統工芸の現場を解説付きで見学できるなんて、
すごい時代だなぁとともに、どんな工程も理由があることに、奥深さを感じ入りました。
他にも、酒蔵や、刀匠、織物、染め物、仏具や仏像づくり・・・本当に多くの工房の見学の機会もあったそうです。
https://designweek-kyoto.com/2022/open_house/
コロナ禍だからこそ、このようなイベントがオンラインになり、
場所関係なく、アクセスできるようになりました。
クローズな場だった伝統工芸の工房も、全世界に対してオープンになってきました。
出会いの場も、狭まっているようで、広がっているように思いました。
オープンイノベーションが大事といわれて数年経ちますが、
コロナ禍になって、その機会が加速しているように思います。
世の中の変化を肌で感じながら、
どう捉えて、どのようなチャンスがあるのか、考えてみたいと思います。
DESIGN WEEK KYOTOは、毎年実施されているイベントです。
とてもよいイベントなので、ご興味ある方はぜひ来年、ご一緒しましょう^^
今日のメルマガは以上です。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。
今週もたくさんいいことがありますように!
いってらっしゃい!
神佐 真由美
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