第240号★インボイスの次はコレですか!?定額減税 対応のミソ/おすすめ書籍はお休み/おかげさまで今年も書道展に出展できました!能登はやさしや土までも【税理士 神佐真由美】
税理士の神佐真由美です。
今日もご開封いただき、ありがとうございます。
本日のメルマガの内容です。
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1.インボイスの次はコレですか!?定額減税 対応のミソ
2.現在&これから公募の補助金
3.おすすめ書籍 今回はお休みです
4.セミナー&イベント情報
5.活動日記 おかげさまで今年も書道展に出展できました!
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1.インボイスの次はコレですか!?定額減税 対応のミソ
ココ大事ですよ!という意味で、「ミソ」ってあまり使わないですが、
高校時代の数学の先生が、これが大事ですよ、というときに
板書に矢印して「ミソ」と書かれていたのを思い出したので、「ミソ」としてみました。
そんなことはさておき・・・
昨年の税制改正の内容が発表される前、11月頃から、本当にやめてほしいと思っていた、
【定額減税】が、令和6年度税制改正の内容に盛り込まれ、この6月から始まります!
【定額減税】とは、
所得税と住民税の減税制度であり、
納税者を対象に所得税3万円と住民税1万円の合計4万円を税金から控除するものです。
要は、1人あたり、所得税3万円 と 住民税 1万円 が減税される、という制度なのですね。
今年、令和6年に限っての制度となります。
なぜ、定額減税をするのか?ですが、
長く続くデフレを脱却し、賃金上昇と相まって、国民所得の伸びが物価上昇を上回る状況をつくり、
デフレマインドの払拭と好循環の実現に繋げていくため、とされています。
賃上げをせよ、と、政府を上げて呼びかけており、多くの企業では賃上げをせざるを得ない状況になっていると思います。
賃上げすることにより、使えるお金が増えますが、その効果をさらに後押しするために、定額減税により手取りを増やす、ということなのでしょう。
減税自体には、反対しませんが、問題は、その方法です。
減税だから、1人3万円の所得税相当額、1人1万円の住民税相当額を給付するのか?と思いきや、違うんですね。
給与をもらう人の場合、
所得税については、6月以降に支払う給与の源泉所得税を【差し引かない】という方法で、
住民税は、6月分の住民税を【まったく徴収せず】、【減税後の住民税を7月から11カ月で徴収する】という方法で、
減税をすることになります。
どういうこと?ということですが・・・
6月に支給を受ける給与の源泉所得税が、8,000円だとすると、8,000円を差し引かない(手取り8,000円増える)
→1人3万円の減税枠のうち、8,000千円を消化する 残り22,000円
→残りの減税枠については、6月支給以降の給与や賞与で適用する。
7月の源泉所得税額が、8,000円だとすると、8,000円を差し引かない(手取り8,000円増える)
→残り14,000円の減税枠を8月以降の給与で適用する。
という感じで、1人3万円の所得税の減税枠を使い切るまで、源泉所得税を【差し引かない】という方法で減税します。
しかも、1人3万円の減税枠は、所得が48万円以下(給与収入103万円以下)の国内にいる扶養家族がいれば、
家族の分も減税されますから、人によっては、減税枠は6万円(2人分)だったり、9万円(3人分)だったりします。
給与を支払う人の減税枠が、1人分なのか、何人分なのかの把握が必要なのと
給与を支払うたびに、あとどれだけの減税枠が残っているのかの管理が必要 となります。
(給与計算が めっちゃ 大変じゃないか~!!)
そうです、そういうことなのです・・・。
さらに、住民税は、1人1万円の減税枠がありますが、これも扶養家族の人数によって、変わります。
住民税の定額減税の方法が、またやっかいでして・・・
通常、住民税は、6月支給の給与から、翌年の5月支給の給与の12カ月で、
1年分の住民税を12分割して、給与を支払う側が、特別徴収(天引き)して、市町村に納付します。
今年の定額減税では、全員6月分(1か月目)の住民税は0円です。
定額減税後の住民税について、7月分から翌年の5月支給の給与の11か月で、特別徴収するように、
給与を支払う側に連絡が来ます。
6月分では住民税を全く差し引かず、7月からの11カ月で1年分の住民税を特別徴収します。
実務的には、所得税と比較すると、まだ負担は少ないものと思います。
今回の定額減税、給与計算に密接にかかわるため、給与計算に関わる部署の方は、
計算方法の把握と、所得税の減税枠の管理が大変です。
(年末調整といい、今回の定額減税といい、どこまで企業に負担をかけるんだ・・・!)
と思いますが、やることが決まったからには、対応せざるを得ません。
幸い、多くの給与計算システムでは、定額減税制度に対応してくださるようなので、
計算や、減税枠の管理はシステムでクリアできそうです。
おそらく一番大変で、ミソになるのは、従業員さんへの説明だと思います。
定額減税制度そのものの説明も必要なのですが、
自分の給与の手取りにどんな影響があるのか?をあらかじめ説明しておく必要があると思います。
例えば・・・ 源泉所得税が10,000円/月で、年間の住民税が220,000円(1万円減税後)の人の場合
6月支給の給与 所得税の定額減税始まる(10,000円減税 残り20,000円)
住民税の特別徴収はゼロ
→一番手取りが多い月となる。
7月支給の給与 所得税の定額減税 (10,000円減税 残り10,000円)
住民税の特別徴収はじまる(20,000円/月徴収始まる)
→あれ?先月よりも2万円手取り減ってる!
8月支給の給与 所得税の定額減税 (10,000円減税 残り0円)
住民税の特別徴収あり (20,000円/月徴収される)
→先月と手取りは同じ。
9月支給の給与 所得税の定額減税なくなる
住民税の特別徴収あり (20,000円/月徴収される)
→先月よりも1万円手取り減ってる!
というふうに、6月の手取りが増えた後、住民税の特別徴収が始まって手取りが減り、
所得税の定額減税が終わる段階で、また手取りが減る、ということが起きてしまいます。
多くの方は、給与明細を見ないで、預金口座に入金された金額しか見ていません。
あらかじめ、定額減税の制度があって、このように手取り金額に影響があることを説明しておかないと、
総務担当に質問が来たり、誤解を生んでしまうかもしれません。
また、6月には定額減税に関する報道も増えると思いますので、
うちの会社はこのように対応しますよ、
6月以降の給与にはこのような影響がありますよ、
ということを5月~6月初めに説明しておく方がよいかもしれませんね。
システムによっては、給与明細に「定額減税はいくらで、残りはいくらです」と表示が出るものがありますので、
給与明細にはこのように表示されます、ということも説明しておくとよいですね。
簡単に説明できそうな資料を作成する予定ですが、必要な方いらっしゃいますか?
よろしければお分けいたしますので、メール返信でご連絡くださいね。
こうして書いてみて、ほんと定額減税、対応が大変です。
計算だけでなくて、【従業員さんにどう伝えるか】、これが"ミソ"だなと思っています。
せっかくの減税制度なので、目的があるものなので、恩恵を受けている実感を持ってほしいものです。
とはいえ、源泉所得税は人の収入や扶養親族の人数によって違うので、
減税を受けられるタイミングや金額はバラバラですし、年末調整まで持ち越しの方もいらっしゃいます。
個人事業主の方は、予定納税から減税となりますし(予定納税のない方は確定申告で減税 遠いですね)、
実感のされ方は人によって全然違います。
これって本当に効果的な減税なの?と思ってしまいますね。
私の場合は、夫側に子ども2人扶養に入れてるので、夫は9万円の定額減税があるはず・・・。
「6月以降で手取りがトータルで9万円増えるはずやし、家にちゃんと入れてね!」
と言っていますが、どうなることやら、です(笑)
(配偶者が税理士だと面倒ですね)
2.現在&これから公募の補助金
・New!中小企業省力化投資補助金
https://shoryokuka.smrj.go.jp/
中小企業等のみなさまの売上拡大や生産性向上を後押しするため、
IoT・ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品の導入を支援いたします。
・New!中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化などの大規模成長投資補助金 (第1回公募 4月30日まで)
https://seichotoushi-hojo.jp/
補助上限が50億円で、10億円以上の投資が対象となります。
・事業承継・引継ぎ補助金(次回第9次公募 詳細未公開)
https://jsh.go.jp/r5h/
2019 年 9 月 17 日~2024 年 9 月 16日に事業承継をした
事業承継者の新しい取り組み支援(経営革新支援)や、
M&Aにかかる費用の支援(専門家活用型)があります!
・事業再構築補助金(New!! 第12回公募 7月26日締切)
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/
・ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
(第19次締切はまだこれから)
https://portal.monodukuri-hojo.jp/schedule.html
・小規模事業者持続化補助金(第16回公募 これから公開)
https://s23.jizokukahojokin.info/
・技術開発を支援するサイト(研究開発を支援する補助金など)
https://sbir.smrj.go.jp/index.html
・支援情報ヘッドライン | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
https://j-net21.smrj.go.jp/snavi/index.html
・New!! 令和6年度業務改善助成金(令和6年12月27日まで)
事業場内で、最も低い賃金(事業場内最低賃金)を30円以上引き上げ、
生産性向上に資する設備投資等を行った場合に、その設備投資等にかかった費用の一部を
助成する制度です(最大600万円)。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03.html
3.おすすめ書籍 今回はお休みです
今回のおすすめ書籍はお休みです。
嬉しいことに、おすすめした書籍を読んでくださったご感想をいただくことが増えています。
ついつい買ってしまうから、というお声も!
だからこそ
ちゃんと読んでおすすめできる本をご紹介いたしますね!
いつもありがとうございます!
4.セミナー情報&イベント情報
★大阪産業創造館様 主催セミナー★
6月19日14時~16時30分
【事業推進セミナー】
製造業の財務分析入門 コストダウンの「種」を見つける!製造原価報告書の読み解き方
https://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=44015
6月26日14時~16時30分
【はじめての○○セミナー】
きちんと押さえたい!経営者のための資金繰り基礎知識
https://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=43694
5.活動日記 おかげさまで今年も書道展に出展できました!
26日~28日に、所属する書道会、房仙会の書展が、銀座の鳩居堂で開催されました。
今年も、作品を出展させていただくことができ、27日28日には在廊しておりました。
今年の作品は「能登はやさしや土までも」を調和体で書きました。
古くから能登で言い伝えられている言葉です。
能登の復興への祈りと、たくさんのご支援への感謝の気持ちを込めて書くことができました。
能登の状況についての報道が少なくなってきたなか、多くの方に観ていただくことができました。
ありがたいことに、静岡新聞の記事にも写真を載せていただきました。
作品を作ることで、こうしてメッセージを届けることもできるんだなと私の中では大発見でした。
書展のことをお知らせしたところ、たくさんのお知り合いの方が観に来てくださいました。
わざわざ銀座までお越しいただき、お会いすることができて、
こんなにありがたい機会ってあるかな?と嬉しくて幸せな2日間でした。
このような舞台を与えてくださった師匠の福田房仙先生・光孝先生には感謝の気持ちでいっぱいです。
仕事とのバランスで悩むことも多いのですが、
自分という人間をつくるには、芸術活動も大事だと思っています。
書道には「道」が付きます。
「道」を歩み、「道」を作っていけるように、仕事も、書道も、精進し続けたいと思います。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。
今週も皆さんにとって、
たくさんよきことがありますように!
いってらっしゃい!
神佐 真由美
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