ラマダンと四旬節
今日はフランス語には関係がないですが、「ラマダン」のお話です。
私が住んでいるインドネシアでは、3月1日からラマダンが始まっています。
ラマダンとは、イスラム教における最も神聖な月の一つで、イスラム暦(ヒジュラ暦)の第9月にあたります。
この1か月間、イスラム教徒は日の出から日没までの間、飲食や喫煙などを控えるのです。
ラマダンは、単なる食事制限ではなく、精神的な浄化、自己修養、神への献身、感謝、
そして貧しい人々への共感を深めることを目的としています。
具体的に何をするかというと:
● 断食(サウム):日の出前に食事(スフール)を取り、日没後に食事(イフタール)をとる。
● 祈り(サラート):通常の1日5回の祈りに加え、特別な夜の礼拝(タラウィーフ)を行う。
● コーランの朗読:この月にコーランをできるだけ多く読むことが推奨される。
● 慈善活動(ザカート、サダカ):貧しい人々に施しをすることが奨励される。
このように1か月間を過ごし、ラマダンが終わると、イード・アル=フィトル(Eid al-Fitr、ラマダン明けの祝祭)
という祝日が訪れます。この日は家族や友人と集まり、お祝いの食事を楽しみ、貧しい人々への施し(フィトル・ザカート)を行うのです。
実は、イスラム教と共通のルーツをもつキリスト教には、同じような伝統があります。
「四旬節(Carême)」と呼ばれ、イースター前の40日間がその期間にあたり、今年は3月5日の灰の水曜日から始まり、
4月19日まで続きます。
四旬節中の食事規則は、ラマダンの断食ほど厳格ではありませんが、伝統的に以下の制限があります:
● 肉を控える(特に金曜日)
● 贅沢な食べ物を避ける
● 昔は1日1食の断食をする習慣もあった(現在はほぼ廃れている)
この伝統を守っているフランス人を私の周りでは知りませんが、インドネシアでは多くの人々がラマダンを行います。
先週ジムに行った際に、パーソナルコーチのライハン君が「明日からラマダンが始まるんだよ」と教えてくれました。
「日中は食べたり飲んだりできないの?」と聞くと、「そうだ」という彼。
日中の断食はまだしも、水を一滴も飲めないのは辛いだろうなぁ...。
そう思うと、一昨日ジムに行った時には、なんだか彼に気を使ってしまって水筒を出せませんでした
(私もラマダン中のジムでは、断水シマス)。
「ライハン、元気?」と気になって聞くと、いつもよりはるかにテンションが低い。日中のエネルギー消費をセーブしている感じです。
「ラマダン中は朝何時に起きるの?」と聞くと、4時起きだそう。日の出前に食事(スフール)を取らなけれ場合ならないので、
皆4時に起きるようです。
「朝4時に起きて、その後朝6時からクライアントのトレーニングがあって、その後一回家に帰って寝た」
「そう、大変だね...。夜は何時に寝るの?」
「10時ぐらい」
1か月間は毎日4時起きで、日中は水も食べ物も摂取できないなんて!若い彼には相当キツイだろうな.....。
日没後の食事(イフタール)はちょうど18時過ぎなので、いつもは18時からジムの予約を入れるのだけれども、
ライハン君がご飯を食べる時間だと思うと、気軽に予約も入れられません。
ラマダン中は会社ではかなり社員の生産性が落ちるんだろうなぁ、と思ってうちの旦那さんに様子を聞くと、
「別に変わんないよ。会議中、みんなの息がクサいけど」と身も蓋もない返事。
みんな精神的な浄化と自己修養をしているんだから、気をつかってあげなよっ!
とにかく私はコーチの体調が気になって、ラマダンが終わってくれないと気軽にジムに行けないのです。
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