自分を知り、自分を楽しみ 自分を通して世界を知る。 「ココロの学校」 延べ1000人以上にお伝えしてきた 本当に強い心の育て方

【お手紙ココロの学校】

【ジョハリの窓と一つの鞄】お手紙ココロの学校 vol30

2019年06月29日

○○さん、こんにちは!

「ココロの学校」主宰
メンタルヘルスカウンセラーの高野です。

皆さん今週はいかがお過ごしでしたか?

僕は今日から来週にかけて
企業さんでの外部研修が三件入っているので
準備におおわらわです。

でも、心の健康については
皆さんにお伝えしたいことだから嬉しい。

特に今日は
コミュニケーションをお題に
僕が自由に作れるということだったので

「逆鱗」と「価値観」に触れて
自分を知ることと、
相手を知ることの難しさを、

そして「傾聴」から
分からない中でどうやって
コミュニケーションを抜本的に改善できるか
に触れるという盛りだくさんな内容。

仕事のストレスで一番大きいのが
コミュニケーションと言われているけれど
僕はこれは心理の深いところに繋がる
鍵であり、門であると思っているので
楽しい講座にしてきます。

来週は、東京高裁と日本化薬さんに
研修に行ってきます。


さて、先日の
「セラピストのための読書会」では
アーヴィン・ヤーロムの短編集
“恋の死刑執行人”の第五話
『わたしは特別だったのに』を読みました。

この章は中でも一番短いのですが、
僕は二番目に好きなお話。
(一番好きなのは、次の次に読む予定の
ジキルとハイドみたいな二重人格のお話)

“特別だったのに”というのは、
このお話の主人公の女性エルバが
無意識に自分に持っていたイメージでした。

アメリカに移民として来て、
旦那さんと一緒にサンフランシスコで
上流階級として成功するまでになった。

彼女は努力して、報われると思って
でも旦那さんが亡くなってしまって
鬱になった。

それでヤーロムのカウンセリングを受けて、
周りの人に八つ当たりしていたイライラが
少しずつ取れて
それにつれて周りの人も戻ってきた。

そこにある晩、ひったくりにあって
鞄(カバン)を盗まれてしまう。
300ドルの現金と中身が空っぽで
鞄だけ道端で見つかった。

そこで意気消沈して、まるで最初の頃
旦那さんが亡くなって
一年経ったのにまったく元気が出ないと
カウンセリングに来たのと同じように
なってヤーロムのところに来た。

そこでヤーロムは
あなたはまだ、旦那さんが亡くなったことを
本当には受け入れていない、
まだ旦那さんのアルバートが生きていたら
こんなことは起こらなかったって、
そう思って悲しいのだと言った。

彼女は目からボロボロ涙を流して
その大きな古い鞄を抱きしめている。
今までそんなに心から号泣していることなど
なかったのだった。

ヤーロムは、いたずらっぽく
随分大きな鞄ですね、
これ以上大きかったら台車が要りそうだ
なんて軽口を叩く。

エルバはこれでも大事な物が
全部入ってるのよと返して、
冗談でしょう、見せてよと言う
ヤーロムの掛け合いに乗って
中味を出していく。

その鞄に入っていたのは、

・ドギーバック3つ
(レストランで食べ残しを
犬用(ドギー)なのと言い訳して
持ち帰るための袋)

・三箱のクリネックス・ティッシュ、

・一ダースのペン

・三本のちびた鉛筆

・二瓶の香水

・三個のヘアブラシ

・大きな懐中電灯

・ルーズリーフ帳に大束のアルバム

・10セント銀貨50個入りの筒

・低糖キャンディー3袋

・古いオレンジの皮が入った
 プラスチックのサック

・編み棒六本

・パン種のイースト一袋

・スティーブン・キングの小説の
 ソフトカバー本が半分
(読み進めながらページを破っていくそう)

・小さなホチキス一個

・サングラス三個

・コイン

・ペーパークリップ

・爪切りとやすり


これらを一つずつヤーロムは
これ、何に使おうっての?と
軽口を叩いて机に並べていった。


人は、自分だけは特別だと考えて生きる。

悲惨なニュースや病気や死を目にしても、
自分はそれと違うと思っている。

ヤーロムはそれを
「特異性に関する合理的な側面」と呼ぶ。

確かに合理的だ。
今まで努力して成功してきたのだ。

でも、長く生きていけば
いつか終わりが来ることや
病気や事故や不運は
自分の努力だけでは防げないことが
身の回りに忍び寄ってくる。

だからみんな厄を祓いたがるし
西洋ではウサギの足やら蹄鉄やら
逃げ足の速いものにすがる。

エルバの鞄はその
悲しい合理性の象徴だったのだ。

ヤーロムは、
今までどの患者にも無い程
彼女は彼女らしさを
すっかり見せてくれた

そしてその一時間の間に
絶望的にすさんだ孤独から
希望に輝く和やかな親愛へと
飛躍を遂げた

彼女は生気を取り戻し、
再びみずからの豊かな人間愛を
確信するに至ったのだ
と書いている。


エルバは鞄の中身を開いて
何を知ったのだろう。

自分や、自分の大事にしているものを
保証してくれるのは
結果や、そこで得た色んなモノじゃなくて
それを得てきたあなた自身だ
そのことに、気づいたに違いない。


さて、僕は研修で
「ジョハリの窓」について話すつもりだ。

ジョハリの窓では
他の人だけ知っている盲点な事や
自分だけ知っている秘密な事を
オープンにしていくのが大事だと考える。

ジョハリの窓を開いていくと
得意だと自分で思っていること以外の
色んな色のクレヨンを
自分の中に見つけることができる。

自分では秘密にしなきゃと思ったことが
意外とみんな普通のことだったり

自分では普通だと思ってたことが
周りから見ると特別だったりする。

だけど本当はもう一つ
「エルバの鞄」についても伝えたい。

鞄の中身に価値があるのじゃない。
それを詰めて、作ってきた
○○さんに価値があるのだ。


さて、最後に一つだけ。

○○さんが、
鞄に詰めているものは何ですか?


今日もお読みいただき
ありがとうございました^^


■□ 発行 □■

自分を知り、自分を楽しみ、
自分を通して幸せになる

『ココロの学校』代表 
高野 真俊(タカノ マサトシ)

延べ1000人以上にお伝えしてきた
本当に強い心の育て方
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