自分を知り、自分を楽しみ 自分を通して世界を知る。 「ココロの学校」 延べ1000人以上にお伝えしてきた 本当に強い心の育て方

つい昨日なのですが、
高橋和巳先生のカウンセラー向け講座を
ZOOMで受講しました。

高橋和巳先生は
「被虐うつ」を提唱された
精神科医の先生です。

通常カウンセリングをしていくと
悩みと同時にその時の「辛さ」に
耳を傾けていきます。

ただ、その本人の「辛さ」が
聴いても“糠に釘”みたいに
全然出てこない人がいるのです。

それで、よくよく話しを聴いていくと
小さい時に親から虐待された体験から
自分の欲求とか社会性が育たないような
体験をしてきていた。

そういうケースがあるということに
気づかれたのですね。


高橋和巳先生は
被虐待の経験がある人を
（正確には幼児期の愛着形成の有無で
分別している）
「異邦人」と呼んでいます。

さて、それでその「異邦人」の方が
直面する問題と解決が、

我々一般の人が中年またはそれ以降に
直面する問題と解決に
通じるものがあるのです。

通常カウンセリングする際には
大人をカウンセリングすることが
ほとんどです。

でも、大人の発達理論というものは
ほとんど研究されておらず
（つまり、成人したら成長はそこで
終了という考え方になります）

ユング、エリクソン、
ダニエル・レビンソン他数名といった
ところ。

そのユングが、中年の危機を
（人生の半ばを過ぎて、自分の人生が
これでいいのかと振り返り、
感じ始める状態）
40歳頃から訪れるとしていますが、

高橋先生達の実感によると
相当早いのだとか。

そこまで人生を俯瞰して客観視するのは
もっと歳を重ねてからのことが
多いそうで、

「異邦人」の方の事例と思われるものが
多く入っているとのことでした。


高橋先生の理論ではまず
【見立て８型】といって、
相談者の状況を８つに分類します。

それによって悩みや不適応の質や
対処方法が変わります。

その８つとは、

①学童期（成人学童期）
②思春期
③成人期
④異邦人（被虐待者）
⑤軽度知的能力障害
⑥自閉症スペクトラム障害
⑦統合失調症
⑧認知症／高次脳機能障害

です。

カウンセリングは「傾聴」によって
対応していくのですが、
本人へのカウンセリングで
対処できるのは③と④のみなのですね。

これを来談時の予約の入れ方から
相当正確に見極めることができ、
それを元に対応方針を組み立てます。

高橋先生と組んで講義をされた
野口先生によると
あるカウンセリングルームで
連続100名中この８景で
97％の方が見立てられたとのこと。

カウンセリングを実施していても、
その適応範囲を理解していることが
とても大切です。

無理をしてメチャクチャに
してしまうということを格段に
減らすことができるわけです。

さて、それで
大人のカウンセリング段階では
何が大切なのかというと、

その人の「こうしなければ」という
【規範】意識が行き詰まりを
生じさせていることがほとんどです。

高橋先生の方法だと
そこに本当に聴くだけの【傾聴】で
アプローチしていきます。

ただ、その時に
“自分の規範意識が解消”していないと
相手に対して悪感情を生じてしまいます。

・なぜこうしないの？
・直接言えばいいのに
・よくそんな状態で平気だな
・甘えてるのじゃないの？

などなど。

もちろんそのままそれを
カウンセラーが相手に言う事は無くても、
ちょっと不自然になったり
集中してフラットに聴いたり答えたり
出来なくなったりします。

それを解消することは
自分にも相手にも有用な事です。

これって、普段の人付き合いでも
この人どうしても苦手、とか
どうしてこういう時に過度に
反応しちゃうんだろう、、という事と
関係してきます。

来週のお手紙で
そのヒントをお伝えできればと
思いますので、お楽しみに。


それでは、
今日も最後までありがとうございました^^