【二本の映画】お手紙ココロの学校 vol.89
「ココロの学校」主宰
メンタルヘルスカウンセラーの高野です。
○○さん
先週は如何お過ごしでしたか?
一気に気温が落ちてきましたね。
今年は台風は少なかったですが、
ぐんと朝夕寒くなりました。
最近2つ映画を見ました。
一つは「沈没家族」という映画。
1990年代にシングルマザーだった加納さんが
「一緒に子育てをしませんか?」と
近くの人に呼び掛けて子供を育てる。
当時ドキュメンタリーなど
メディアで様々取り上げられました。
映画はその共同生活で育った
息子の加納土さんが
当時のメンバーや同居していた
他の子どもたちに改めて会いながら
フィルムを回したものです。
シングルマザーの加納さんと
別れた元旦那さんのことも
息子さん本人が追っていて、
旦那さんは
加納さんがそういう場所を作りたいと
言い出した時には「面白いと思えなかった」
とちょっと苛立ったような
口調で話していたのが印象的でした。
僕がコンサルをさせてもらっている
団体の代表さんが
「日本一醜い親への手紙」という本を書いて
児童虐待を無くす活動をされている
今一生さんという人を教えてくれて
今さんのyoutubeを聞いていたら
「沈没家族」の映画を大絶賛していました。
今さんは日本の「親権」の概念は
【子供のための権利】になっていない、
と強く仰っています。
加納土さんは、
自身が育った沈没ハウスを
そういう形もとてもいいと思っているのだけど
それでも世間には
それで子供を「ちゃんと」育てられるの?
と言う人がいる、と。
そうすると、
「ちゃんと」育てられるかって
そんな自信は持てなくて、黙ってしまうと
話していました。
日本では血がつながった両親が
子供を育てていれば「ちゃんと」なのです。
僕にはそんな理由で生きるのは
下らないとしか思えない。
逆に、血がつながっているって理由だけで
自分を育ててくれた親は偉いと思いますが
国の制度が
親の善意に頼っているようでは無策すぎる。
そんなことを思わされました。
もう一つ見た映画は
「ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記」
という映画。
「ちむぐりさ」というのは
沖縄の言葉ウチナーグチなのだが、
「肝苦りさ」と書きます。
肝が苦しい、つまり
あなたが悲しいと私も同じように悲しい
という意味を表現しています。
石川県から、沖縄にある
「珊瑚舎スコーレ」という学校に
通うことにした菜の花ちゃんという
女の子のお話し。
ここの理科の先生が
ゲッチョ先生というのですが
(盛口満さん)
放課後には幼い時に学校に通えなかった
老齢の方も学校に来られていて
理科や科学の授業をすると、
「ああ、だからあの料理にはあれを
いれるとああなるんだ」とか
「戦後にはそうやって
アルコールを作った」とか
体験が先にあって
理論や学びや説明が
あとから体験を肉付けてくれる。
その様子がとても面白かった。
僕は読書サロンをやっていて
少し前から小林秀雄の
「本居宣長」を読んでいます。
本居宣長は、源氏物語を研究して
中国の大きな影響を受けてきた
日本の純粋な価値観を
「もののあはれ」であると考えて
後世に大きな影響を与えた人物です。
彼が日本の文学や和歌を
勉強し始めた頃には
学問の為の学問のような
並べたり体系立てたり
意味づけたり
そのような牽強付会が主だった。
そこに、
「当時の人の心で
ただ素直にそれを感じる」ことが
一番の物学びの方法であると考えて
実践していきました。
菜の花さんが沖縄を全身で感じて
(北陸新聞がそのコラムを
載せてくれたことも大きいですが)
取り入れていく様子が
宣長の「物学び」の方法と
重なって感じられて
心を打ちました。
○○さんは
文化と芸術の秋をどう過ごされますか?
それでは、今日はこの辺で。
最後までありがとうございました^^
■□ 発行 □■
自分を知り、自分を楽しみ、
自分を通して幸せになる
『ココロの学校』代表
高野 真俊(タカノ マサトシ)
延べ1000人以上にお伝えしてきた
本当に強い心の育て方
https://peraichi.com/landing_pages/view/kokoronogakkou
バックナンバーはこちら!
https://mail.os7.biz/b/bHqT
気に入った記事があったら
ぜひお友達にお勧め下さい^^
https://www.facebook.com/whiteprizm
■登録・解除はこちらから
メルマガ登録・解除ページのURL
■ご感想・ご質問はこのメールに
直接返信いただければ届きます。
記事一覧
【アチーバスと浄土双六の話】お手紙ココロの学校 vol.113
昨日ですが、 オンラインワークショップの イベントを無事終了しました。 こちらで思ったことは また次回書きたいなと思います。 このところ続けて書いている ゆうさんも来てくれ
2021年05月31日
【子供の絵を洗い流した人の話】お手紙ココロの学校 vol.112
今ちょうど やぶ うちゅう さんから伺った お話し集をお届けしているところですが、 先週土曜日は彼女が立ち上げている 研究団体の成果発表会がありました。 研究会の方は 今年
2021年05月24日
今日はやぶ うちゅうさんから 聞いたお話第二弾です。 (ちなみにもう二つ書く予定) 今週末は彼女が立ち上げている 被虐待の研究グループの 活動発表に参加する予定なので それも
2021年05月17日
先週もいろいろあり、 新しいお仕事の話も決まったり 楽しみな日々です。 そう、先週少し告知した グループワークのイベント、 Facebookでイベントページを 作りました。
2021年05月10日
GWですね! メルマガは出勤時間帯に 見られることが多いので、 祝日は避けようかなと 思ったのですが 外出自粛で 時間がある方もいるかも? と思い、お手紙書いてみました。
2021年05月03日
【自分は生きている価値などないと思い込んでいる人へ】お手紙ココロの学校 vol.108
先日FACEBOOKで こんなメッセージを書きました。 ~~~~ 人は良い存在だという事に、 理由なんてない。 もう少し優しい言葉でいうと あなたがあなたのままで それ
2021年04月26日
【自分が選ばれずにがっかりした時】お手紙ココロの学校 vol.107
僕は先週は「宣長」の共読会でした。 ちょうどこのところ宣長の 「源氏物語論」について書かれています。 彼は「もののあはれ」をとても大切にした。 そして、和歌の中で一つの形容
2021年04月19日
【様々なワークショップ&よく尋かれること】お手紙ココロの学校 vol.106
先日、主催している 読書会のサロンで、 サン=テグジュペリの 「夜間飛行」を読み終わりました。 五回かかって読んできたのですが、 小説自体が本当に素晴らしくて とても盛り上
2021年04月12日
少し前に講座でコラボして 商品設計の回を担当させて頂いた 雨野千晴さんに メルマガでご紹介 頂きました。 思いが伝わる文章講座 「選択肢は多い方がいい?」 ↓↓ http
2021年04月05日
先日、お一人ココロ学校のセッションを 無事卒業されました。 知識のインプットが相当多いのですが 一般の講座のように一対多の授業形式でなく 一対一(またはカップル一組)で実施し
2021年03月29日
【心が動いたところを捕まえる&限定無料!セッションのお知らせ】お手紙ココロの学校 vol.103
先日は友人が、 男女共同参画センターで実施した講座を オンラインで無料実施していたので 参加してきました。 ライティングの講座なのですが、 一番大事な事は書き続けること。
2021年03月22日
【発達(成長)理論とカウンセリング】お手紙ココロの学校 vol.102
つい昨日なのですが、 高橋和巳先生のカウンセラー向け講座を ZOOMで受講しました。 高橋和巳先生は 「被虐うつ」を提唱された 精神科医の先生です。 通常カウンセリングをし
2021年03月15日
【実効性のある解決の導き出し方】お手紙ココロの学校 vol.101
そういえばちょうど去年の末頃から 田舎暮らし、他拠点暮らしに 興味がある人が集まって ZOOMで会議をしています。 何の知見もないのだけれど 集まって感心あることをそのまま
2021年03月08日
【自分の心が狭いと思う時】お手紙ココロの学校 vol.100
僕は先週からツィッターを始めました。 フォローはこちら↓↓ https://twitter.com/white_prizm 僕の情報発信のブランディング戦略を 考えてくれて
2021年03月01日
○○ 僕は先週は読書会がありました。 先々週と同じチームで今回は 小林秀雄の「本居宣長」です。 (月2回読書会をしているのです) ついに本居宣長のとても有名な 「もののあはれ」が日本の
2021年02月16日