このメールマガジンは、日頃書籍販売の現場でご尽力されている全国の書店員様同士のコミュニケーションの一役となれば、という編集者・箕輪厚介の想いから実現いたしました。 具体的な内容といたしましては、箕輪厚介による本の売り方についてのコラムや新刊インタビュー、書店員さんや編集者さんへのインタビューなどを掲載する予定で、月1回・無料での配信予定です。

箕輪書店だより

書店員向けメールマガジン【箕輪書店だより】2019年6月号

2019年06月30日

【 今月の目次 】

1. 今月のコラム 箕輪厚介 

2. 編集者インタビュー
「作家に寄り添い、素晴らしい才能を世に出したい」作家エージェント・宮原陽介さんの仕事哲学

3. 書店員インタビュー
紀伊國屋書店 梅田本店 百々典孝が語る「本は人の人生を変える力が、書店は文化を作る力がある」

4.著者インタビュー
「偏差値35」だった僕が東大に合格した理由 『東大読書』著者・西岡壱誠さんが語る、能動的学問のすすめ


5. あとがき
箕輪書店だより 編集長 柳田一記


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1. 今月のコラム
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先日武田双雲さんと光本勇介さんとアートを作ったんだけど、すごく楽しくて。ものすごくエンターテイメントだなと思った。光本さんって本当の資産家だし、双雲さんなんて日本トップのアーティストでしょう。そんな人たちが小さなアトリエの部屋で絵を描いているのがめちゃめちゃ楽しいってことは、もう最高級の遊びなわけ。作るってことが一番のエンターテインメントになっているなって感じたんだよね。

それを見ていて、本に限らず作るための場所を作れたらいいなって感じて、俺思ったのね。みのオフィス(箕輪編集室メンバーが利用できるシェアオフィス)の空いている部屋に全部シートを貼ってシェアアートスペースにして、絵の具とかも置いてどんな風にしてもいいからアートを作っていいですよって解放したら盛り上がると思うんだよね。

3年くらい前まではなんでも機能の方が重視されていたの。みんなもう忘れていると思うけど、3年前まではこういうことを言うのもすごくダサかった。それこそ「ブランドものはダサい、ユニクロでいいじゃん」っていうノリだったでしょう。

それに対しての強烈な揺り戻しがあって、みんな何か意味のあるものを持とうとしている。それが行き着くところまで行くと、アートにたどり着くんだなって思った。当然この揺り戻しも来るけど、それが面白いよね。

だから本もNewsPicks Book的な本がウケていたことへの揺り戻しが来るなと思っていて。それをEXODUSが担えるかはわからないけど、ものすごく少数な人が猛烈に愛するものが求められる時代が来るなと。「意味を売る」ということが求められる時代がくるなって。

僕と双雲さんが初めて会ったのは、俺が編集者として初めて担当したホリエモンの『進化論』って本を出した時なんです。新人でたどたどしいインタビューの時に会ったきりだったのに、「箕輪さんみたいな多動な傾向がある人の時代が来ますよ」って言われて、「真面目にやっていたはずなのに、なんでバレてるんだろう」って思ったんだよね。

これがどういう意味かというと、AIが発達するとAIの考える力がすごいから、1秒だけの集中力の時代が来るって言っていて。じゃぁ1秒だけの集中力を持っている人はどんな人かって言うと、多動傾向の人。

「鍵持っていってね」って言ったのに、その瞬間違うことを考えちゃってできない。武田双雲さんもそうなの。それこそ初めての取材の時に、「俺だ」って思うくらい似ていて、事故ばっかり起こすの。友達のメガネ5つくらい踏んじゃったり、富豪の家に遊びに行って「空綺麗だな〜」って上を向いて歩いていたらプールに落ちてスマホを水没させたとか。サッカーできないのにボールを見つけて蹴ったら、足の皮が全部剥がれちゃったりとか、そういう人なのよ。

それが何でかというと、瞬間にカッとそれ一点に集中しちゃうからなんだよね。これからそういう時代で、それが一番発揮されるのがアートで、要は意味とかないから意味を説明できた時点で終わりなんだよね。カッとなった瞬間に何かを発露する、以上。みたいな。そういう時代だって言われて、そうだなぁって思った。これまでのロジカルシンキングみたいな時代が終わって、直感力の時代が来るんじゃないかなと、感じています。



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2. 編集者インタビュー
「作家に寄り添い、素晴らしい才能を世に出したい」作家エージェント・宮原陽介さんの仕事哲学
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「作家エージェント」という職業をご存知でしょうか。
彼らは作家(著者)と出版社の間に立ち、影に日向に作家をプロモートしています。
今回はそんな作家エージェントの草分け的存在であるアップルシード・エージェンシーに所属し、これまでに多くのヒット作を生み出してきた宮原陽介さんにお話を伺いました。


<僕たちはすべてを作家中心に考える>

ー作家エージェントは普段どんな仕事をしているんですか?

宮原さん:エージェントはその名の通り、作家の代理人なんです。作家とエージェント契約を交わして、出版社や他のステークホルダーの間に立って書籍に関するすべてを取り仕切ることが仕事です。

ー従来から存在している編集プロダクションや出版プロデューサーと作家エージェントの違いは何ですか?

宮原さん:作品ベースではなく作家ベースで物事を考えている点ですね。肌感覚として、最近、作家エージェントを名乗る方が多くなってきた気がします。でも、その多くは一つの書籍企画をつくって、出版社に紹介するプロデューサーのような印象です。

アップルシード・エージェンシーでは、エージェント契約を結んだ作家とずっと一緒に本をつくります。「1冊目はこのテーマで本を出したから、2冊目はこれやろうよ」とか、あるいは「このタイミングでこれを仕掛けてみようよ」といった感じで相談をしながら、長期的な視点で作家をマネジメントする部分が、編集プロダクションや出版プロデューサーとの大きな違いなんじゃないかなと思っています。

ーもともと宮原さんは出版社で編集者をしていたんですよね。出版社を辞めて作家エージェントになろうと思ったのはなぜですか?


宮原さん:編集者の仕事を”川上”と”川下”にわけるとします。”川上”は人と会ったり、企画書をつくる仕事、”川下”は原稿をリライトしたり、編集作業や造本に関わる仕事です。僕は出版社で勤務していた頃から、”川上”の仕事が好きだったんですね。だから「どんどん企画をたてて、どんどんすごい人たちと会える作家エージェントの仕事って楽しいじゃん」とシンプルに思ったんです。

あとは出版社のカラーの問題ですね。出版社に勤めていると、どうしてもその枠から抜け出せないんです。企画をたてるにしても、その出版社のカラーに合わせたものをつくらなければなりません。

その点、作家エージェントは何か出版したいと考えた時に、その書籍に合う出版社とその都度組めばいいんです。ひとつの出版社に勤務しているだけでは、経験できない様々なジャンルの書籍づくりに挑戦できるやりがいが作家エージェントにはあるんですよ。


<何冊も本を出せる才能とタッグを組みたい>

ー所属する組織ではなく、作家やコンテンツを中心とした書籍づくりができるというところですね。契約する著者はどのように選んでいるのでしょうか?


宮原さん:そこは本当にケースバイケースですね。面白いなと思った人にこちらから声をかけることもありますし、信頼する人から紹介されることもすごく多いです。

あとはアップルシード・エージェンシーでは有料の企画書講座を開催しています。企画書のつくり方をレクチャーする講座なのですが、そこで「この人はスジがいいな」と思った方には直接声をかけさせていただくこともあります。

そのアドバンス編として、実際に自分がつくった企画をもっとブラッシュアップさせたいという方向けに、個別に指導する企画コンサルのようなこともしています。そこで「この人の才能やノウハウは書籍化できそうだ、ベストセラーになりそうだ」と感じる方と契約を結ぶこともあります。

作家エージェントのビジネスモデルとして、どうしても既に契約している所属作家と書籍をつくることがメインの仕事になりますので、どんどん新人を発掘するというよりは、本当に末永く一緒に仕事ができる才能ある人を選んでタッグを組むという感じになりますね。

ー既に書籍をたくさん出しているような著者に声をかけるようなことはしていないんですか?


宮原さん:ケース的にはどうしても新人とエージェント契約を結ぶことのほうが多いですが、すでにベテランと呼ばれるような方や賞の受賞経験のある作家からエージェント契約のオファーが来ることも結構あります。

ー作家の間でもエージェントの必要性が高まっているということですか?


宮原さん:出版契約や条件交渉等、作家にとって出版社との折衝はかなり煩雑さが伴いますからね。だから、そのあたりをまとめて面倒をみてほしい気持ちは強いと思いますよ。

先日、ある(弊社とは契約していない)ベストセラー作家にお会いした時に「本が売れて以降、毎日のようにオファーが来るから本当に頭がおかしくなりそうだ」とおっしゃっていました。本当に鬱になりそうだと。その方は「依頼はすべて断る」と決めてから気持ちが楽になったそうですが、その時に「作家エージェントって大事だな」と思ったそうです。

そういうことは絶対にあると思いますよ。「出版のプロ」でない作家にとっては、オファーを断る基準も、受ける基準もわからないですよね。そこを整理して条件交渉をしたり、企画を筋道たてて整理したり、スケジュール管理をしたりと、執筆・創作活動以外の交渉事は全部間に入って作家の負担を減らすことも作家エージェントの役割です。


<出版社の編集者だったからこそできることがある>

ー出版社と話し合うなかでどのように企画を固めていくのですか?


宮原さん:新人の場合はそもそも出版したことがありませんので、最初は作家と一緒に企画書をつくって、カラーの合う出版社へ持ち込みます。各出版社の個別の編集者との関係性も築いているので、その企画のテーマに強い特定の編集者を選んでピンポイントで接触することもよくあります。累計50万部を超えた『情報は1冊のノートにまとめなさい』の奥野宣之さんなどはそのケースです。

ただ、ヒット作が出ると「今度はこういう企画で書籍を書いてくれ」というオファーがたくさん来ますので、それを元に企画を練っていくことが多いですね。

ー作家エージェントは作家と編集者の間に入る存在だと思うのですが、原稿にどれだけ影響力を持てるものなのでしょうか?


宮原さん:基本的には作家と編集者のチームに入って、原稿をどうやって良いものにするか全員で考えます。だから僕も結構注文をつけますよ。

僕は作家側からフィーをもらっている立場の人間ですが、書籍が良いものになって、たくさん売れることが全員にとって良いことなので。もし編集者と作家の意見が対立した時にも、作家の意見が間違っていると感じれば、作家に対しても忌憚なく意見をぶつけるようにしています。

そのためにも原稿は日常的に読んでいます。僕は編集者経験があるので、作家さんや担当編集者から「原稿を読んでフィードバックをください」と言われることもよくありますし、読んでいて気づくこともたくさんあります。

ー元出版社勤務の編集者だからこそできることがある、ということですね。


宮原さん:編集者側と作家側、両方の立場で考えることができる「第3の関係者」という役割のメリットはけっこうあると思います。あと、出版社ごとの特徴や得意・不得意などを見極めて、作家に提案できるのも強みだと思います。

ー出版社の編集者を経験した人間が勧めるからこそ、作家の信用力も上がりそうですしね。


宮原さん:弊社でも一定の基準をもってエージェント契約を結ぶので、アップルシード・エージェンシーの所属作家というだけで、出版社の編集者にも「この人は一定のハードルは越えてきてる人だ」と思ってもらえる部分はあると思います。あと、企画のおもしろさや実績を作家自身が自分でプレゼンするよりも、「出版のプロ」であるエージェントが客観的な視点をもって説明した方が伝わりやすく説得力もあると思います。


<作家のため、社会のため、書店のため、僕は長く売れ続ける本を作りたい。>

ーしかし、同じ人が何冊も書籍を出版すると、ネタがなくなってどんどん尻窄みになっていくような気がしますが、そういう場合はどうしているのですか?


宮原さん:その人が持っているものをすべて出し切れたら、それでいいと思うんです。無理やり絞り出さなくてもいいと思っていて、もし出版するネタがなくなったら「この人は自分のコンテンツをちゃんと出し切ったんだな」と思えますし。逆に「まだあるな」と思えれば、「次はこういうのを出しましょう」と提案することができます。

あとはタイミングのようなものはありますよ。今は売れなくても、どこかで時代のニーズと合致すればヒットする。そういうことが出版業界ではありますからね。大きな出来事があった時に「これはあの人の出番だ」みたいなことがよく起こります。多くの作家と契約をしていると、何かが起きた時にそれに合うネタを持っている人が必ずいるんです。そのタイミングで取材を受けてブレイクするといったことはありえるので、一芸に秀でていれば、それを新しくアレンジして書籍を出し続けることは十分可能だと思っています。

ー才能ある作家はアレンジさえすれば何冊も本を出すことが可能だということですか?


宮原さん:例えば僕が担当する『東大読書』の著者の西岡壱誠さんは、偏差値35の状態から努力して東大に入ったんです。その話だけで「この人は何冊も書籍を出版することができるな」ということがわかります。元々頭が良くて偏差値も高くてすんなり東大に入った人に比べて、彼は本当にさまざまな工夫をしながら努力して、ようやく東大に入ることができました。彼はその工夫を語ることができるので、「読書」「作文」「試験勉強」といった具合で、多くのジャンルに転用することができるんです。

『魔法の「メス力」』の著者である神崎メリさんも、モデルをしている綺麗な方ですが、実は恋愛でかなり苦労されていて離婚もしている。その経験を経て、今では幸せな結婚生活を実現しているので、恋愛に悩む読者の気持ちがわかり、的確なアドバイスが書けるんです。

ただ、この2人はすぐにヒット作を出すことができましたが、1冊目からいきなり売れる作家ばかりではありません。僕は作家エージェントがいなかったが故に、世の中に出なかった才能もたくさんあると思ってるんですよ。大抵の作家にとって、1冊目が売れなかったら次はありませんからね。

ーそれは確かに。一度売れなかったら次の出版の話はなさそうです。


宮原さん:1冊目が売れなかった人が、自分で次回作のプレゼンテーションをしても説得力がないじゃないですか。「でも、1冊目は売れなかったんでしょ?」と言われておしまいですよね(笑)。

でも出版業界のプロが、客観的な第三者の視点で分析して「次は絶対にこの方法で売れます」あるいは「この流れで○○が出せます」と説明すれば、話に説得力を持たせることができますよね。

僕が担当している著者で、20冊以上出版している方がいますが、その人も最初の数冊は重版がかからなかったんです。でも途中でブレイクして、今でも作家として出版し続けています。作家エージェントがいなければ、最初で終わっていたかもしれません。僕はこういう才能がきちんと評価される世の中をつくっていきたいんです。

作家エージェントの本当に良いところは、作家に寄り添って、ともに成長していける点です。最初からヒット作を出すことができれば、それはもちろん素晴らしいです。しかし、売れなかったけど出版を重ねるなかでブレイクして、そこからさらに広いジャンルへ展開していく場面に立ち会えるのは、この仕事の醍醐味の一つだと思います。

ー自分が見込んだ才能をきちんと世の中に送り届けることができる仕事は何だか素敵ですね。


宮原さん:よく瞬間風速的に売れる書籍ってあるじゃないですか。僕はそういうものじゃなくて、長く売れ続ける書籍が作りたいんですよ。汎用性のある内容で、いつ読んでも学びがあるような本を世に送り出したいんです。それが作家にとっても、社会にとっても、書店にとってもいいことなんじゃないかって思っています。作家の才能にきちんと向き合い、それを深く理解したうえで、世の中に送り届けることができれば、そういう書籍ができるんじゃないかなって思っています。


『情報は1冊のノートにまとめなさい』
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3. 書店員インタビュー
紀伊國屋書店 梅田本店 百々典孝が語る「本は人の人生を変える力が、書店は文化を作る力がある」
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紀伊國屋書店 梅田本店は、阪急梅田駅の改札降りてすぐの場所。大阪の待ち合わせ場所で有名な巨大モニターBIGMANが入り口横にあり、常に多くの人で賑わう超大型書店です。百々典孝さんは、梅田店、札幌店、本町店を経て20年前から梅田本店に再び勤務。
その傍で2013年からは、大阪の本屋と問屋がタッグを組み本当に読んで欲しい1冊を選ぶOsaka Book One Projectを立ち上げるなど、精力的に活動されています。大阪のど真ん中の書店で本を見続けてきた書店員 百々さんにお話を伺います。


<本は人の人生を変える力が、書店は文化を作る力がある>

ー紀伊國屋書店 梅田本店は、超大型書店ですよね。ここで勤務したくて紀伊國屋書店を選んだのでしょうか?

百々:はい。梅田本店は大きいというか、たくさんの人と本に一番触れることができる書店ですよね。僕は子どもの頃から根っからの本好きで、本に全てを教わりました。本には、人の人生を変える力があると思っています。

ーでは子どもの頃から、たくさん本を読んでいたのですか?

百々:そうですね。僕は、小学校の3年生の時に『平家物語』を読むような、少しませている子どもでした(笑)。大人への憧れがあったから、児童書ではない『平家物語』です。

お小遣いの500円玉を握りしめて、近所の本屋さんで『平家物語』の1巻目を買いました。1か月たって2巻を買いに行ったら、売り切れ。それから毎日本屋に通いましたがやはり売り切れ。すると本屋のおじさんがさんが、声をかけてくれて、本を取り寄せてくれました。「次からここに本を置いておくからね」と言って取り置きしてくただけじゃなく、アルバイトの人にも「あの少年が来月買いに来たら、これを渡して」と言ってくれていたんです。

本そのものが好きなことも大きいけれど、その本屋のおじさんとの出会いがあったから、今の僕がいます。だから僕も「人の人生を変えられるような仕事がしたい」と考え書店員になりました。

ー大好きな本に関するお仕事、しかもたくさんの本に触れ合える大型書店でお仕事をされているわけですが、それでも辛いことはありますか?

百々:辛いこと…ありすぎて(笑)。
梅田本店はとにかくたくさんの方が来店しますから、その対応で辛い時もありますよ。仕事量が多すぎるとかもね。それから何と言っても、出版社に売れ残った本を返す「返本」が辛いです。

日本人が一番本を作っているという話を聞いたことがあります。それってどこかの発展途上国の森林をたくさん伐採して、紙をたくさん使っているわkです。返本された本は、古紙にするしかありません。そんなために生きている木が切られたわけじゃないでしょうから。でも自分は売れると思って仕入れたわけで。返本するってことは、売れなかった本づくりに加担してることになりますから、返すこちらとしても辛いです。

ーなるほど。では、その辛さをも超える喜びって何でしょう?

百々:本屋が一番いい本に触れて、選べることですね。1つの出版社だと1つのものしか見れなかったり、図書館だと新刊が入らなかったりする。でも、書店だと全ての本を知ることができます。
そして自分がいいなと思ったものを、お店に来てくれるお客様にご提案できることも大きな喜びです。本を提案するすることで、本屋を中心とした文化が周りに出来上がってくるんですよ。ここの本屋でしか売れない本ってあるじゃないですか。あれって、その本屋独自の文化ができている証拠ではないかなと。書店は文化や流行りを作ることができるんです。


<同じ紀伊國屋でも店舗によって全くニーズは異なる>

ー百々さんは、梅田本店から札幌、大阪の本町と他の店舗での勤務を経験されていますよね。同じ紀伊國屋書店でもお店ごとのカラーって違いますか?
 
百々:店舗によって、求められているものが全く違います。例えば梅田なら地域一番店。札幌本店も実はそうなんです。文化発信基地として一番大きな書店です。
その後は、札幌ファクトリー店という観光の方メインのお店にもいました。ここは地域一番店とは性格が違いますから、自分のセレクトしたものを紹介しやすいんです。そのセレクトをわかってシンクロした人が、遠くからわざわざ来てくれる場所でした。

ー「ここはちょっと面白い書店だ」と思われていたってことですね。

百々:そうですね。その後は千歳空港の小さいお店にいました。ここは飛行機に乗る方がまとめてたくさん買ってくださるので、人気の本をセレクトしておく必要がありました。

次の大阪本町店は路面店。紀伊国屋の路面店はそんなに多くないんです。路面店だと地に足がついてて、家から会社や学校に行く時に必ず通る。だから、文化の浸透が早いんです。自分の感性が全てで、それが売り上げにも直結するからシビアでした。
いろんな店のカラーが立地ごとにあるなかで、僕はいろんなタイプのお店を経験させてもらいました。


<大阪の物語を大阪の人に届けるOsaka Book One Project>

ー2013年から「Osaka Book One Project」という取り組みをされていますよね。まずは始めたきっかけを教えてください。

百々:本を通した文化をより深く読者に届けるには、地元大阪の人に浸透させることが大事です。ただ1店舗だけの取り組みだと弱い。たくさんの本屋と本を卸す問屋で一緒にやれば、強いかなというのがきっかけです。
「Osaka Book One Project」というプロジェクト名で、年に1度「大阪ほんま本大賞」を選んでいます。大阪の物語であることとが選出の条件になっているんです。

土地の文化を引き継ぐものって、物語しかないと思ってるんですよ。大阪が舞台になっている小説を読めば「実はこういうところだったんだ」と知ることができます。自分たちの住む街に関する話だから自分ごとにしやすいかなと。そして「大阪ほんま本大賞」の本を読んでくれた人は、次にまた違う大阪の本を選ぶと思うんです。

ー確かに大阪が舞台になっている話って興味がわきます。

百々:そうでしょ?それからこのプロジェクトの特徴としては、本の収益を子どもたちに寄付しています。問屋さんと我々書店が一緒になって、出版社に同じ本を1冊まとめて注文します。その分、仕入れ値を少しだけ下げてもらうようにお願いしているんです。これって1店舗だと仕入れの量もそう多くないじゃないですか?

チェーン店であってもまだまだ。だからお店の垣根を超え、取次店さんにも協力してもらって、まとめて注文し、半年間かけて本を売ります。出版社から値引いてもらった合計の金額を全て子ども達に寄付するというわけです。累計で600万円くらいになりました。

ーすごい!

百々:僕らは社会福祉協議会、なんらかの事情で育てられない子ども達の施設に本を贈ってるんですけど、そういう場所には他からも本の寄付があると思うんです。だから僕らの場合は、いろんな本のリストを見ながら自分たちで本を選ぶことができるようにしてもらっています。本を読む楽しさもありますが「何を読もうかな」と選ぶ楽しさもありますからね。

ー今年も「大阪ほんま本大賞」は選出されるんですよね?発表はいつでしょうか?

百々:今年も、もちろんありますよ。発表は7月25日で、その日になればどこの本屋に行っても「大阪ほんま本大賞」と一番目立つところに選ばれた本を置いてもらえているはずです。

ー本が売れないと言われている中、大阪の物語をセレクトしておすすめするって素敵な取り組みですね。

百々:本以外のエンターテインメントがたくさんあるし、あとは人口ですよね。人口減に比例して売れなくなる。だから「本が売れなくなった」というのは当たり前なんですよね。

「じゃあどうするのか?」というと僕は1人当たりの読書量と来店頻度あげたらいいと考えています。家族5人いて月に1,2回誰かが本を買いますって場合、それを倍にしたらいい。その1人をめっちゃ本好きになってもらって来店頻度、1人当たりの読書量を倍にすることが僕の答えです。
本に興味のない人にまで「本を読んでね」ってまんべんなく買わせようとするよりも、誰かを本好きにして、来店頻度を増やした方が現実的かなと。

ーたしかに本質的ですね。その取り組みがOsaka Book One Projectの「大阪ほんま本大賞」というわけですね。

百々:はい、そうなんですけど、それだけじゃないんです。実はこのOsaka Book One Projectには続きがあって「大阪ほんま本大賞」は入り口にすぎません。次は、本を売るだけじゃなく作る側にも回ります。それもただ作るだけじゃない…。

ただ、ごめんなさい。今の段階で発表できるのは、ここまでです。いろいろ構想があって、着々と進めています。10月くらいになれば、発表できると思うので、ぜひご期待ください。



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4. 書籍インタビュー
「偏差値35」だった僕が東大に合格した理由 『東大読書』著者・西岡壱誠さんが語る、能動的学問のすすめ
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偏差値35から東大に合格した西岡壱誠さん。現役の東大4年生でありながら、『東大読書』(東洋経済新報社)、『現役東大生が教えるゲーム式暗記術』(ダイヤモンド社)など、驚異的なスピードで数々の書籍の執筆を続ける。偏差値35だった彼はなぜ東大を目指し、いかにして合格できたのか、そして驚異的執筆速度の理由とは? (※取材は担当作家エージェントの宮原陽介さん立ち会いのもと行われました。)


<「能動性」を教えてくれた音楽の先生との出会い>

―西岡さんといえば、偏差値35から東大合格を実現させたお話が有名ですが、改めて「なぜ合格できたのか?」についてお話を聞かせてください。

西岡さん:実際のところ「本当に偏差値35から合格したのか」って、よく聞かれるんですよね。「偏差値35の自分でもいけるのか」とか、もともと頭が良かったんじゃないかとか。いろいろと言われるわけです。確かに、僕が合格したからといって、全国の偏差値35の人たちが僕と同じように3年――僕は2浪しているので3年なんですが――かけて合格できるかというのはわからないじゃないですか。

だけど、1つ言えるのは、「能動性」が重要だということです。

「どうしてぼくが東大に合格できたのか?」との問いに対する答えは、「能動的に学ぶ大切さに気づいたから」だと思うんです。僕の目から見ると、東京大学も実際そういう能動的な学生を求めているように見えていますね。

「能動性」は、まさに『東大読書』のコンセプトにもなっています。読書においても重要だし、すべての物事において必要だと思います。
それこそ『死ぬこと以外かすり傷』ですよ(笑)。前のめりなんです。

―なるほど。受験だけでなくあらゆる物事において能動性を大切にされているんですね。

西岡さん:そうです。学びでも読書でも、ただの “読者” になりきらず、本でも紹介している「取材読み」のように能動的に読むと、良質なアウトプットに繋がるんです。まさに箕輪さんの編集された『多動力』のなかでも書かれていることではありますが、アウトプットし続ける人間が勝つと思うんですよ。そのアウトプットが、僕の場合は「読書」をテーマにすれば『東大読書』となり、「作文」をテーマにすれば『東大作文』(東洋経済新報社、2019)になったわけです。

―私自身もライターなので、そこはすごく共感しました。「能動性が重要」という気づきは、東大受験を決める以前に得たものですか?

西岡さん:受験を決めてからですね。高校の音楽の先生が僕の能動性を引き出してくれたんです。

というのも、高校までの僕は本当に中途半端な人間だったんです。サッカーや野球などのスポーツの能力は皆無。それでいて勉強においても成績は全然上がりませんでした。「勉強してなかっただけなんでしょ?」って、今となってはよく言われるんですけど、勉強してたんですよ(笑)。だけど、とりあえず机に向かっていれば勉強だと捉らえていたので、勉強はしているのに成績が上がらないタイプだったんです。

そんなある時、中途半端だった僕に高校の音楽の先生が言ったんです。

「人間は、実は一本の線で囲まれている」

僕が「一体、何の線が引かれているんですか?」と聞いたら、「なれません(線)」だと言うんです。

―可能性の線引きをしているということですね。

西岡さん:そうです。幼稚園や小学校のときは、「サッカー選手になれる」「宇宙飛行士になれる」と、夢や希望があって、そのために頑張る意欲があったはず。なのに、中学、高校と上がっていくにつれて、なぜだか、なれないものが増えていく。「自分にはこれはできないだろう」「これはやめておこう」「周りに合わせてればいいや」というものが増えてきてしまうんだと。その話を聞いた僕は納得せざるを得ませんでした。例に漏れず、僕もその典型的なタイプだったからです。

音楽の先生は僕に言うんです。「西岡は『なれません(線)』が自分の近くにある人間だよ。本来はずっと向こうにあったはずなのに自分から近づいてしまっている。だけど、『なれません(線)』は実は幻想なんだ。そこから一歩踏み出せば何かにぶつかって失敗するかもしれない。でも、ここに立ち止まっているよりはずっといいんだよ」と。

音楽の先生は「一歩踏み越えてみることの大切さ」を僕にインプットしてくれたんです。すると、「お前はやることなさそうだし、とりあえず東大でも目指してみろ。てっぺん目指さなきゃだめだよ」と、ノリみたいなテンションで言われて「わかりました」と答えたことから東大受験が始まり、僕の能動性のスイッチが切り替わったんです。

<「普通の東大生」と言ったら終わり>

―それまで持っていた自分のマインドチェンジをさせるのは、かなり大変なことだと思います。どのようにして変えていったんですか?

僕のマインドを変えるために、音楽の先生がいろいろと課題をつくってくれたんです。それで僕は「生徒会長」をやらされたんですよ。“やらされた” と言っていますが、当時は本当に “やらされた” だけだったんです(笑)。

しかし、あとから思えば「ルールに支配される側にいても変化は少ない。だから1つ上の立場に立ち、ルールをつくる側になってみた時にどういう景色が見えるのか、そこから学んでみろ」と。そういう意味だったんですよね。

それは、僕のような人間が囚われていた “しがらみ” を俯瞰して考える機会だったんです。つまり「周りの意向に左右されるなら、周りの意向を左右する立場になってみた時に、いったい何が見えるのか見てみなさい」ということだったのです。

―なるほど。逆に周囲の意見を迎合するのではなく、全体観に立つことで現実が自分の目にどう映るのか確かめてみなさいと。

西岡:そうです。そこで僕は生徒規約をつくるという課題を渡されたんです。比較的あたらしい学校だったので、まだまだ未整備な部分が多かったんです。

それで、なんとか頑張って生徒規約をつくったんですが、生徒から大反対をくらったんですよ。そこで「人間は意外と簡単に動かないな」と思った時に、人間を俯瞰してメタで見た(高次の視点で見た)気がしたんです。それは僕にとって初めての感覚でした。

学校って人間関係や人間社会の縮図のような側面もあるじゃないですか。そのなかで初めて自分以外の目線で物事を見ることができたんです。

それまではずっと「従っているだけ」だった自分は、実は「自分は立ち止まっているだけ」だったことにも気づきましたね。

―初めから自分で東大にこだわっていたわけではなく、そういった先生の指導や原体験があって東大受験を目指していったんですね。

西岡さん:初めはそうでしたね。でも、2浪までして東大を目指したのはやはり「行きたい」という思いがあったからです。きっかけこそ音楽の先生ではありましたが、実際に目指してみるにつれて、自分で「おれは東大に行かなきゃだめだ」という強い意志に変わっていったんです。

―「行きたい」と思うようになったのには、やはり2回と落ちた経験が影響しているのでしょうか?

西岡さん:宮原さん(株式会社アップルシード・エージェンシーの西岡さん担当エージェント)からもよく評価していただくのですが、2浪したことや偏差値35だったことを否定して「普通の東大生です」って言い出したら、僕は終わりなんです。物書きとしてのアイデンティティを全部潰すことになると思うんですよ(笑)。

2浪したから、今の僕があるんですよね。だからこそ僕の本にも響く部分があるんだなって思います。まったくダメダメな人間だったけど、そこで苦労しているからこそ言語化できるものがあるんだと思います。

偏差値35で東大を諦めようとしている人がいた時に、ずっと偏差値が70だった東大生からじゃ伝わらない話が、僕から言うことで伝わることもあると思うんですよね。「自分でもいけるかもしれない」と思わせられるってすごい強みだと思うんです。

やっぱり、人って上からよりも下からよりも同じ立場の人間の話が一番伝わります。『東大作文』でも書きましたが、“読者の横に立つ本” は売れる。上に立つのではなく、横に立って話を聞くのが、人に一番伝わります。そこが僕の強みなんです。


<「当たり前をわかりやすく」 驚異的スピードで本を出し続けられるワケ>

―ライターを雇わず、ご自身で執筆をされているにもかかわらず、驚異的なペースで本を出されている印象ですが、実際どのくらいのペースで書いているんですか?

西岡さん:現在の出版ペースは大体、月に1冊ですね。

―月に1冊!

宮原さん:いわゆるゴーストライターがいる大物の著者でかなりの冊数を出している方は何人もいますが、ご自身で書いて新作でこれだけ出す人は、かなり稀だと思います。

西岡さん:とはいえ、まさに今も原稿待たせてますから(笑)。宮原さんここにいますけど、僕は取材受けながらヒヤヒヤしてますからね(笑)。

―それほどのペースで書けることには、何か秘訣があるんですか?

西岡さん:そうですね。ぜひ『東大作文』を読んいただければ、と言いたいところではありますが(笑)。考えられる理由は2つあって、1つは「当たり前のことしか書いていない」からです。

例えば『東大読書』を東大生の友人に読んでもらうと15分くらいで読み終わるんです。「僕がどうだった?」と聞くと「当たり前のこと書いてるね」と。それだけなんです。

だけど、人によってはそれが「当たり前じゃない」ことは結構あるわけですね。そういう人が読んでくれるんです。

東大の教授もそうですけど、本を書く多くの人は、「難しいことを書かなければならない」とか「みんなが驚くような概念を語らなければならない」といった、ある種の強迫観念に襲われている人が多いと思うんです。でも、実はそれはあまり意味がありません。

「難しいこと」を書いている時点で、それは自分のなかで腹落ちしていないことだからです。

僕は本を書いていて、「いかに難しいことを語ったか」よりも、「当たり前のことをいかにわかりやすく書けたか」を基準に自分で読み返すんです。人間、結局難しいことは語れないんですよ。だから当たり前のことをどういうフリで書くかといったことを重視しているんです。

難しいことを書いていたら、たぶんこんなに速いペースでは書けません。ただ、東大生が読んだ時に「これは当たり前だけど、よくここまでわかりやすく書いたね」って言ってくれるものを意識して書いていますね。だからたくさん書けてるし、買っていただいているんじゃないかなと思っています。

―「わかりやすさ」を重視してるんですね。もう1つの理由は何ですか?

西岡さん:もう1つは、「完璧主義にならないでとりあえず傷ついてみる」からです。とりあえず書いて出してみて、だめだったら仕方ないと。

他の東大生を見ていると、論文やレポートでも100%のものを提示したがるんですよね。だけど、「ここが100%」という明確な基準はなくて、ただの自分のこだわりでしかありません。なので、100%を目指すことにはあまり意味がないと思うんです。

だから、たとえ30%の出来でもいいから早く出すんです。すると、「これはこうしましょう」「これはああしましょう」と意見がもらえるので、わかりましたと修正して、また投げる。それで70%なら70%でいいんです。そうする方が圧倒的に速いです。


―100%を目指さず、高速でPDCAを回転させることが大事なんですね。

西岡さん:そういうことですね。

宮原さん:ぼくもいろいろな作家さんと本をつくっていますけど、客観的に見ていて「やっぱり東大生だな」と思うのは、最初にコンセプトをしっかり固めていることです。西岡さんはどんな企画でも、誰よりも丁寧にコンセプトづくりをしていますね。

コンセプトが腹落ちして、もう全体のイメージができるところまでつくってあれば、あとはそれ文字化するだけなんです。そのコンセプトづくりの質が高い。

なかなか原稿が来ない時も、「どうなってます?」って言ったら「もう見えてるんですけど、書く時間が取れない」という感じが多いですよね(笑)。

<本は “情報以上” を届ける>

―noteの中で、本という媒体を通すことで情報以上を届けている、といったお話をされていますが、WEBと本の伝える情報においてどのような違いがあると思いますか?

西岡さん:そうですね。今、テレビがYouTubeになり、本がネット記事に移行して、簡易的で合理的なもののほうがユーザーにウケる時代のなか、本って非合理で非効率なんですよね。だけど、人を変えるほどの力を帯びるためには読書という体験そのものを提供しなければならないんじゃないかなと思うんです。

情報だけならWEB記事でも伝わるし、そのほうが効率的です。しかし、読者に伝わる情報はそれだけじゃないからこそ、本が残っていると思うんですね。

ネット記事を読んで「このネット記事で人生変わった」という人はなかなかいないじゃないですか。だけど本を読んで人生が変わったという人はたくさんいるわけです。

なぜ本にそんな付加価値が出るのかといえば、書籍制作につまったストーリーとか、味わえる分量や時間、手に持つ触感など、いろいろな思いが詰め込みやすいからだと思います。だからこそ心に届けられるものがあるんじゃないかなと思っています。

―書店員さんにメッセージはありますか?

西岡さん:いつもありがとうございます。書店をまわることもあるんですけど、書いている人間からすると、書店の棚の前の方に置いてくださっていたりすると本当にありがたいんです。

それと、一度じっくり書店員さんにお話を伺ってみたいですね。販売戦略で当たったことや外れたこと、時代の変化を感じることとか。


宮原さん:データやお金の動きだけ見ていても絶対にわからない「書店員さんの勘」は、AIデータだと絶対はじかれる部分ですよね。書店員さんの魅力ってそういう目利きとか、感覚の面白さもすごくありますよね。

西岡さん:書店員さんの仕事はすごく面白いと思います。感謝を伝えつつ、そういったお話を伺えたらいいなと思っています。


『東大読書』
https://www.amazon.co.jp/dp/4492046259/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_KWigDbXCK556Z



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5. あとがき
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ご登録いただきありがとうございます。『箕輪書店だより』編集長の柳田一記です。
6月号では『東大読書』の著者・西岡壱成さん、アップルシード・エージェンシー所属の作家エージェント・宮原陽介さん、紀伊国屋書店梅田本店の書店員・百々典孝さんにインタビューさせていただきました。

作家エージェントの宮原陽介さんは、もともと出版社勤務の編集者でしたが、今は退職し、著者を中心に据えたコンテンツ作成に従事しています。箕輪書店だよりでは今後も、従来の枠組みにとらわれない、新しい編集者像、書店員像、著者像をお示しいただける方々へご登場いただきたいと思っています。

『箕輪書店だより』は、日頃書籍販売の現場でご尽力されている書店員の方々のコミュニケーションの一助となるべくスタートしたメールマガジンです。今回の6月号でスタートから約半年が経過しました。無名だった発足当初はなかなか取材を受けてくださる方が見つからず、あまりの自転車操業に編集部は四苦八苦していました。しかし、2月号の鈴木敏夫さんを筆頭に、登場していただける編集者や著者、書店員の方々も増え、おかげさまで少し先を見据えた媒体運営ができるようになりました。

そんななか、7月10日に『箕輪書店だより』は代官山 蔦屋書店様とコラボし、初のリアルイベントを開催することになりました。メールマガジンにもご登場いただいたSBクリエイティブの多根由希絵さんや朝日新聞出版の大坂温子さん、さらにはダイヤモンド社の木村香代さんといった、ヒット作を連発する3名の編集者をゲストに迎え、「未来の書店」について参加者の方々と一緒に考えるイベントです。

メールマガジンと冊子から始まった私たちの活動がついにリアルの場である書店のイベントへと繋げられたことをとても嬉しく思っています。代官山 蔦屋書店様とのコラボイベントは今後も開催していく予定です。もちろん全国の書店様とも何らかの形でご一緒させていただければと思っています。皆様とコラボができること、とても楽しみにしています。よろしくお願いいたします。

『箕輪書店だより』では、これからも読んで勉強になる、ワクワクするような内容をお届けしていきます。感想や、ご意見ご要望、冊子送付などご要望がございましたらハッシュタグ「#箕輪書店だより」をつけてTwitterでつぶやいてください。箕輪編集室のメンバーがすぐに伺います。
では、来月もメルマガならびにイベントでお目にかかれることを楽しみにしています。

〈イベント詳細〉
【イベント】代官山 蔦屋書店 × 箕輪書店だより コラボイベントVol.1 編集者と語る!出版社・書店・読者がつながる「未来の書店」https://store.tsite.jp/daikanyama/event/humanities/7619-1240350621.html
会期 2019年7月10日(水)
定員 50名
時間 19:00~21:00
場所 蔦屋書店1号館 2階 イベントスペース
問い合わせ先 03-3770-2525

〈ゲスト〉
SBクリエイティブ 多根由希絵さん
朝日新聞出版 大坂温子さん
ダイヤモンド出版 木村香代さん

モデレーター 箕輪編集室・箕輪書店だより編集長 柳田一記

<箕輪書店だより 6月号>

編集長 柳田一記

*取材...柳田一記・金藤良秀・浜田綾・奥村佳奈子・柴山由香
*書き起こし...奥村佳奈子・今井慎也・小河健一・古奈正貴・菅井泰樹・Nobuhiro Arai・海馬澤洋介・野口和郎・嶋田敬史・Makiko Sato・遠藤 可菜・今井慎也
*執筆...柳田一記・金藤良秀・浜田綾・柴田佐世子
*制作協力…柴山由香

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