書店員向けメールマガジン【箕輪書店だより】2019年7月号
1. 今月のコラム 箕輪厚介
2. 編集者インタビュー
「売り場づくり」がトリプルミリオンセラーを生んだ 『ざんねんないきもの事典』編集者・山下利奈さんに、大ヒット作誕生のワケを聞く
3. 書店員インタビュー
「伝統ある店を守るために、イノベーションをしかける」恵文社 一乗寺店 鎌田裕樹インタビュー
4.著者インタビュー
初の著書が発売たちまち6万部突破した著者・神崎メリさんが語る、不器用でも幸せになれる恋愛法則
5. あとがき
箕輪書店だより 編集長 柳田一記
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1. 今月のコラム
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本の売り方でいうと、先日の週刊文春の阿川佐和子さんとの対談(7月11日(木)発売『週刊文春7月18日号』)でも言ったんだけど、時代は可処分所得から可処分時間の奪い合いになって、さらに可処分精神の奪い合いになってる。
要は、お財布を開かせるための競争をしていたところから、いかに時間を使ってもらうかの戦いに変わった。本のライバルが他社の本とか他のコンテンツではなくて、恋人から来るLINEに変わっているんだよね。LINEしている時間をとるか、本を読む時間をとるか。そもそも、時間すらくれないという世の中になっている。
そのくらいコンテンツや情報があふれていて、みんな時間がないという中、時間をもらおうと思ったら心をもらわないとならない。好きだとか応援したいという思いがないと、時間すら取れない。いかにストーリーとか物語を作って、可処分精神を奪うかっていう世の中に変わってきている。
だから今回は、本の売り方というより本屋さんの話をしたいなと思っていて。
本屋さんがこれからどうやってビジネスをやるのかっていうと、やっぱり可処分精神を奪う本屋さんがいいよね。
可処分精神を奪う時に一番簡単なのは、一緒に作るということ。作り手側が作ったものを渡すのは「消費」で、一緒にゼロから作ったとなると「体験」になる。それがストーリーになって、みんなの共通体験として物語化していく。このみんなで作るっていう要素を、本屋さんのどこかに入れた方がいいなと思っています。
一番簡単でよくあるのは、読者の人の「棚」を作るとかなんだよね。「みんなで本屋さんの棚を作ろう」という流れはあるんだけど、俺が思うのは、「本屋さんが本を作る」っていうのを読者と一緒にやるっていうのがあったら、めちゃめちゃいいなと思っていて。
本を好きになるとか本を買うっていう消費行動をさせるためには、本を一緒に作るっていうことが大事。そうすると作り手の気持ちが「意外と面白い本を作るのって難しいな」とか、「本を売るのってまじで大変だな」とか、わかるようになるんだよね。箕輪さんはあんな感じでやっているけど、実は地味な作業多いなみたいなこととか。
だから本をみんなで企画して作って、最終的には一緒に戦略を考えて売るっていうところまでやっていくと、その本屋さんのことを応援するようになると思うんだよね。
今、多くの本屋さんが、それこそ自分たちのオリジナルの本を作るみたいな流れになってきている。青山ブックセンターもやろうとしていたり、小さい街の本屋さんも、センスがいいところはやろうとしている。
だけど、そこで書店さんのセンスで本を作るっていうのもアリだと思うし、面白いと思うし、新しいと思うんだけど、それだと別に出版社がやっていることとそんなに変わらない。
出版社にはない本屋さんの強みって、読者が毎日集まって来ることだと思うんだよね。本屋さんが日々お店に来る読者と一緒に作って、一緒に売るってなった時、その本が売れる売れないに関係なく、読者はお客さんじゃなくて本屋さん側の発想で応援するようになる。
それでいうと今月、僕はノータッチなんだけど、箕輪編集室とダイヤモンド社が組んで出したビジネス書(松永直樹著『戦略と情熱で仕事をつくる』(https://www.amazon.co.jp/dp/4478107904/
僕のオンラインサロンなのに、版元が幻冬舎ですらなくてもうわけわかんないんだけど、書き起こしとかライティングとか装丁デザインとかを箕輪編集室メンバーが全部担当していて。他にも少しでも関わったメンバーは、やっぱり必死で売ろうとする。メンバーには書店員もいるから、それこそ棚に展開とかして。こうなってくるともう、彼らは読者ではない、出版社や著者側の発想で動いているんだよね。
だから、本屋さんでも本を読者と作って売るってことを、どこかがやってみてもいいんじゃないかなという気がします。
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2. 編集者インタビュー
「売り場づくり」がトリプルミリオンセラーを生んだ 『ざんねんないきもの事典』編集者・山下利奈さんに、大ヒット作誕生のワケを聞く
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モグラが穴を掘るペースはカタツムリの歩く速度と一緒!? カブトムシはモンシロチョウより飛ぶのが遅い!? そんな “ちょっとざんねん” ないきものを紹介している大ベストセラー書籍『ざんねんないきもの事典』シリーズや、累計55万部を突破した『たのしい!おりがみ』シリーズを生んだ高橋書店の編集者・山下利奈さん。大人気作品の生まれた経緯とヒットの理由を伺いました。
<愛があるからこその「ざんねん」というタイトル>
―『ざんねんないきもの』シリーズは、当初どういう経緯で始まったんですか?
山下さん:高橋書店の編集部では、生活実用書と児童書を出しています。元々、動物や昆虫の驚きの生態を紹介する「図鑑シリーズ」をポケット版で出していたため、動物についてよく調べていたんです。勉強するなかで、「必ずしもすごい生態ばかりではないんだ」という気づきを得たのがきっかけです。子どもたちの読む図鑑にもあまり書かれていないような、動物たちの一面を掘り下げることができたらおもしろいんじゃないかと思い、企画が立ち上がりました。
―『ざんねん』という形容がとても引きの強い表現になっていると思います。『不思議ないきもの』あるいは『おもしろいいきもの』といった他の表現も候補としてあったと思いますが、どうして『ざんねん』というタイトルになったのでしょう?
山下さん:生き物の変わった一面を取り上げる内容なので、生き物を扱う書籍のなかでも、王道ではなく、少しニッチな書籍になると思ったんです。
生き物を扱う書籍は、「この生き物がいかにすごいか」ということをアピールする本がいわゆる “王道” だったと思うんです。それに対してこの書籍では、「生き物のちょっと変わった一面」を紹介しているので、タイトルには子どもたちに響く言葉をつけたいと思いました。そこで「ふしぎ」とか「ヤバい」とか、いろいろと案を出し合ったなかに「ざんねん」が出たんです。
「ざんねん」って一般的にはネガティブなワードかもしれませんが、「ざんねん」のなかにはある種の柔らかい意味合いが含まれているんです。たとえば、友達に「お前、ざんねんだな」なんてことを言えるのって、愛情があるからこそだと思うんですよね。
ーなるほど。親しみが込められているわけですね。
山下さん:そうです。企画会議では、上役の方々から「いきものを『ざんねん』と言ってしまうのは失礼じゃないか」という意見もありました。でも、「『ざんねん』というキーワードは、決して生き物を馬鹿にした言葉ではなく、愛情を持ってるからこそ使うんです」という話をして、最終的にこのタイトルになったんです。
本のなかでも生き物を否定するような表現や、読んでいる人を不快にさせる表現は絶対に入れないようにしています。むしろ、「ざんねん」な一面を知ってもらうことで、子どもたちが、より生き物のことを好きになれるようなものを目指してつくっています。
<800のネタを出し、その8割以上がボツになる!?>
―シリーズ化され、今では第4弾が出ていますが、情報収集や取材はどのように進めているのですか?
山下さん:巻頭の進化の説明は、著者の今泉先生にお話を伺う形でつくったのですが、本題である生き物のざんねんな一面のネタに関しては、いろいろな探り方をしています。
今泉先生も含めて、生き物に詳しいスタッフたちと一緒に全員で、あらゆる参考文献を漁ります。そのなかから、ちょっとおもしろそうなもの抜き出す作業です。ある程度絞られてきたら、それが本当に正しいかどうかを調べたり、今泉先生に詳しく伺ったり。
逆に、動物を指定して「この動物の意外な一面を教えてください」と、今泉先生に質問を投げ掛ける形もありました。そこで「それおもしろいですね!」となったものはピックアップしていくと。
―書籍づくり自体も大変ですが、これはかなり大変な作業ですね。
山下さん:そうなんです。第1弾から第4弾までどれも100個以上のネタが載っていますが、今年(2019年)の6月27日に発売になったシリーズ第4弾では、800個のネタを集めました。
ある程度の信憑性が得られたものしか本には掲載していないので、ボツになったネタもたくさんあるんです。実際に本に載っているのは100個強なので、600~700個はボツになったんですよ(笑)。
―ネタを集めるのには、どれくらい時間かかるのですか?
山下さん:今回、発刊された第4弾でいえば、全工程で1年くらいかかりました。そのうちネタ出しはおよそ半分の時間をかけています。原稿をつくりながらも、また新しいネタを探して。どんどん補強していくような形で制作しました。
<日々、積み重ねた思いが企画になる>
―高橋書店さんは生活実用書がメインジャンルの1つですが、山下さんが生活実用書をつくるうえで、意識されていることはどのようなことですか?
山下さん:やはり、読者の悩みを想像して掘り下げることですね。「こんな悩みを持っている人に何かを提案してあげたい」という思いでつくっています。
私は児童書と生活実用書を担当していますが、本をつくるときには必ず「届けたい人」のイメージができています。「今、こんなことで困っている人がいるんじゃないかな」と、自分のなかで考えて、その悩みを解決してくれそうな方を探します。
実際にお会いしに行って、その疑問をぶつけてみるんです。そこで自分がイメージしていた「読者の悩み」が合っているときもあれば間違っているときもあります。イメージが違っていたときには、「じゃあ実際はどうなのか?」を伺って、「実はそっちだったんだ」と企画を軌道修正することもあります。「世のなかで、今、何が求められているか」「人々は何に悩んでいるか」「提案できるものはないか」を考えるようにしています。
―世の人々が抱えている悩みを想像して企画をつくるんですね。
山下さん:そうですね。何をしているときでも、常に自分のなかでは企画のことを考えています。友達と話していても、プライベートで遊んでいても、何かあれば「あ、これは企画にできるんじゃないか」と思ってしまうんですよ。「この前、あの人がこれに悩んでるって言ってたなあ」とか、「自分はこれが全然できなかったな」とか、日々の思いの積み重ねが企画になっていると思います。
私の場合、企画になりそうな疑問が湧いたらそれを解決してくれそうな先生のもとへ直接行くので、そこでお話をしているなかで、自分の抱えていた思いと結びつくときがくるんです。それが実際に企画として具体化されることが多いです。
<書店員さんの「売り場づくり」がベストセラーにしてくれた>
―『ざんねんないきもの事典』は、シリーズ累計300万部を超えていますが、企画立てのときからミリオンセラーを狙っていたんですか?
山下さん:「これでミリオン出すぞ!」と思ってつくっていたわけではありません。むしろ初めはこんなに売れるとは思っていませんでした。生き物が好きな小学3~4年生の男の子が読んでくれるかなと思っていたので、ターゲットはかなり限定的で狭くなると思っていたんです。
しかし、いざ出版したら、自分が思ってた以上に生き物が好きな人たちがたくさんいて、「人々はこういう情報を欲してたんだ」と、私自身が気づかされた思いです。
―それは意外です。シリーズ累計55万部を突破している『たのしい!おりがみ』シリーズも同様ですか?
山下さん:そうですね。『たのしい!おりがみ』も同じです。おりがみを楽しむ子たちは、まあ一定数はいる。そのなかで、良い本があればと思って出したものです。それもやはり、思っていた以上に反響があって、気づかされることが多かったんです。
「親子でコミュニケーションツールになるからやりたい」とか、「大人でも折れるものが実は少なかった」とか。実際に本を出してみてからわかることが多いです。
―両シリーズとも、最初は狭い層に刺さるものをつくったつもりだったんですね。
山下さん:そうです。広告も宣伝も全然していなかったのですが、書店員さんが目をつけてくださったんです。そこから児童書の棚だけではなく、新刊台や話題書のコーナーなどにも置いてくださり、広がった売り場が見事にハマって人気を呼び、一気に全国へと広がっていきました。全国の書店員さんがいろいろなかたちで売ってくださったので、本当に書店員さんに読者を広げていただいたという思いです。
―書店員さんとのドラマがあったんですね。
山下さん:そうなんです。『ざんねんないきもの事典』シリーズも『たのしい!おりがみ』シリーズも、企画云々より、何より書店の現場で売っていただいた書籍だと思っています。
書店員さんがいなければ、いくら本をつくったところで読者に届けられません。特に『ざんねんないきもの事典』は、書店員さんなくしてこんなに大きな数字には結びつきませんでした。たぶん、子どもたちだけでは300万部までいかなかったと思います。書店員さんが “大人も興味をもつような置き方をしてくれた” ことで読者の幅が一気に広がったんです。本当にありがとうございます。
いろいろな売り方をしていただければすごく嬉しいですし、こうしてたくさんの方に読んでいただけて、楽しんでいただける本をつくることで、書店の皆さまに恩返しができればと思っています。
『おもしろい! 進化のふしぎ もっとざんねんないきもの事典』
https://www.amazon.co.jp/dp/4471103741/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_lJyqDb3D46AM5
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3. 書店員インタビュー
「伝統ある店を守るために、イノベーションをしかける」恵文社 一乗寺店 鎌田裕樹インタビュー
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恵文社 一乗寺本店は、1975年創業。京都駅から離れていて決して便利な場所にあるとは言い難いにもかかわらず、お店の佇まいや選書のユニークさで本好きから支持されています。2010年には、イギリスのガーディアン紙が選ぶ「世界でもっとも美しい書店ベスト10」の一つに選ばれたこともあります。
鎌田裕樹さんは恵文社に24歳で入社し、若くしてマネージャーに就任しました。穏やかな語り口調でありながら書店の未来について熱く考える、そんな鎌田さんにお話を伺いました。
<「ゆとりの子は本を読まない」と言われる世代がマネージャーになる>
ー恵文社一乗寺店は、伝統がありファンも多い書店です。鎌田さんは、ここに憧れて入社されたのでしょうか?
鎌田さん:僕は今28歳で、恵文社に入社したのは4年前。憧れというよりは、自身にとって転機だと感じたからです。大学時代には他の書店でアルバイトをしていて、その会社にそのまま就職しました。ただ当時働いていた書店と自分の考えには、乖離がありました。例えば、倫理的に問題がある本でも売れるならお客さんに勧めなければならなかったり。あとは、年功序列の体制がまだ残っていて、店舗の責任者になるには相応の時間がかかることがわかっていました。今となっては、そういう制約下でも表現するのがプロだと思いますが、まだ若かったので。そんな時、前店長の堀部さんとういう有名スタッフが退職して独立するという話を聞きました。「恵文社に行けば、自分が主導して何かをやれるのではないか?」「今は実力が足りなくても、こういう場で叩き上げられた方が、今後の自分の人生としてもいいんじゃないか?」と考え、履歴書を送り、今に至ります。結果、やはりいろいろ苦労はします(笑)。
ー若くしてマネージャーに就任し大変だった中で、原動力となったのは何でしょう?
鎌田さん:店の顔とも言えるスタッフが独立した後ということもあって恵文社に入社してすぐの頃は、心ないことを言われることもありました。でも今はまったくなくなりましたね。僕が入ってから来てくれるようになったお客さんもいますし、逆に「今の方が柔らかくて来やすい」と言ってくれる人もいます。
原動力ですか…、ずっと「ゆとり」と言われてきた世代ですから、それこそ20代前半の頃は、そういった声へのカウンターの意味でも動けていたような気がします。本屋で働いている僕でも「ゆとりの子は本を読まない」から、と決めつけられることはあります。(笑)。今では、後輩もいますし、気がつくと若いとも言っていられない時期にさしかかってきて、あまり世代のことも気にしなくなりました。
最終的には、自分のためですね。今でこそ、本を中心にした複合型の店舗が増えましたが、恵文社では、10年以上前から雑貨部署を設けています。オンラインショップやギャラリー、イベントスペースも備わっています。もちろん、恵文社は本屋なので、一番力をいれるべきは、もちろん本のラインナップや棚作りです。ですが、良い本を並べて儲かるということの難しさを感じますし、そもそも物販以外のチャンネルについても考えていかなければならないと思うようになりました。
そうなると新しいことへの挑戦も必要です。その準備段階として、今、お話しているこのイベントスペースで週に一回自分で喫茶を開けることにしました。金曜日に昼から夜まで、お酒も出しています。お客さんはもちろん、京都に住む編集者やデザイナー、作家の方々が集う場になれば良いなと考えています。言うなれば、ローカルサロンのイメージです。だから今は、珈琲やお酒の勉強もしています。慣れないことなので、正直疲れる時もありますが(笑)。きっと本を選ぶことだけに集中する働き方ももちろんできましたが、店の未来と自分の将来を考えると必要なステップだと思っています。喫茶はアイデアやコミュニティの受け皿になれば良いと思ってはじめたことなので、本来の目的は人が集う店に育てることです。
<伝統を守るためのイノベーション、コミュニティを作る!?>
ーこの箕輪書店だよりを通して書店員さんにお話を聞くと、みなさん物販プラスの戦略を考えている印象を受けます。恵文社さんはすでに雑貨もギャラリーもあるとのことですが、次の一手となると先ほどお話いただいた喫茶でしょうか?
鎌田さん:そうですね。あとはコミュニティに注目しています。うちはイベントスペースやギャラリーなどのインフラはありますが、京都の郊外地であることと、スタッフが使いこなせていないことが課題です。その解決のヒントがインターネットとコミュニティにあると思っています。喫茶にしてもローカルな話題で終わらせるのではなく、オンラインに展開していけたらいいなと。
ーいいですね。ぜひオンラインのコミュニティを。
鎌田さん:実際に店舗に足を運べない人がイベントのライブ配信をみれたり、オンラインの会議で参加できたらいいですもんね。ただ僕個人は、SNSだったり、オンライン通話のミーティングもすごく苦手で、いま使いこなそうと必死にしがみついています(笑)。こういうのって慣れなんでしょうけど、僕と同じように本好きな人は特にその抵抗が強い気がしているので、恵文社がこれまで築いてきたパブリックイメージとのバランスは考えなければなりません。もしかすると既存のお客さんの層とは真逆のことをやろうとしているので。
今の僕は、村にITを導入しようとしている感じです。そう考えると東京の書店さんは早いですよね。一乗寺は純粋に田舎で、だからこそ心地よくローカルでやれている部分もありますが、10年、20年先を考えたとき、同じ業態が成り立つとも思えません。
とはいえ、やはり店の根幹は選書や棚作りです。
僕がこうやってお店のハード面の話ばかりをできるのは、コンテンツを任せられるスタッフがたくさんいるからです。そもそも書店員ってそういうタイプの人が多いですから。もちろん僕のメインの仕事も選書ですが、経営感覚を持って長期の目線で本を売るためにはどうしたら良いか考えていきたいです。
<仕入れた分をきちんと売り切って返本を減らす>
ー 一般的に書店は自動配本が7割程度の割合を占めるそうですが、恵文社は98パーセントを注文しているそうですね。選書についてお伺いしたいです。
鎌田さん:はい、今は残りの2パーセントも無くそうとしています。
郊外ということもあって、利便性とはかけ離れた店舗です。お客さんもあまり発売日や新刊かどうかは気にしません。徒歩圏内にはスタンダードなタイプの別の書店がありますから、そこと同じものを仕入れても仕方がない。他の店舗と同じ土俵に立たずに本を売る。当店は決して資本の大きくない中小企業ですから、そこは会社としてのアイデンティティとして根付いていると思います。
また、伝統的に返品の率は低い店舗ですが、返品が無ければ良いというわけでもありません。仕入れた冊数はしっかりと売り切って、消化するということが重要だと思います。買い取った本や商品がずっと売れ残っている状態はつくりたくないので、仕入れる本の種類や冊数は、手の届く範囲でシビアに判断していきます。本屋にとっての目利きとは、そういった能力も必要とされるはずです。
細かな例にはなりますが、先日、取次経由で本を仕入れる際の掛け率の一覧をながめていたら、87パーセントという異様に高い掛率の版元がありました。13パーセントだったら、1,000円の本を売っても130円にしかならない。そのあと出版社には、直接の取引を持ちかけて、買取を条件に低い掛け率を提案しましたが、見事に断られました(笑)。
チェーンの本屋に勤めていた頃は、そんなこと気にしたこともありませんでしたし、今は店舗の規模が小さいが故に良い経験を積めています。良い本を選ぶのは当たり前で、それをどう効率的に儲けに繋げるか。儲けだけが仕入れの判断基準にはならないし、条件が悪いからといって、仕入れないということはない。もともと、悲しくなるほど利幅の狭い業界ですが、だからこそ利益を意識することが重要です。そもそも、商売として成り立っていかないといけないので。
よく勘違いされることに、個人的にスタッフが好きな本が並んでいるといわれますが、ある程度の伝統がある店舗なので、「恵文社という器の中でお客さんが何を求めているか?」を考えて選書にのぞんでいます。もちろん、その本が好きかどうかも重要な基準ですが。
<恵文社が日本一売った本『数学の贈り物』>
ー最近印象に残っている本を教えてください。一般的なベストセラーでなくていいです。
鎌田さん:最近だと、ミシマ社から出ている『数学の贈り物』という本ですかね。著書の森田真生さんは、研究機関に属さず、個人で数学をベースにして、哲学や経済、宗教や言語などあらゆる思考をめぐらしている、京都を拠点にする注目の書き手です。当店ではもう5年ほど、年4回、定例でトークイベントを開催していただいています。
お世話になっていることもあり、新刊発売時に何かできないかと考えて、当店企画・発行のインタビュー冊子を発行しました。この冊子は無料の購入特典ではなく、冊子自体も有料にしました。経費を設定して無料の特典として販売する方法もありますが、結局そのやり方では原価が上がっていることと同じなので。
僕が森田さんにインタビューをさせてもらって原稿を書き、当店のスタッフに冊子のデザインをお願いしました。最大の目的は、冊子を販売して儲かることではなく、新刊の『数学の贈り物』を売るためなので、本とセットでの購入で割引をするという方法をとりました。その試みを評価していただき、小さい店舗ながら、当店が全国で一番『数学の贈り物』を売っているらしいです。
日頃から著者の森田さんは、発行元のミシマ社さんとの関係性があったからこそですし、継続的に同じ手段はとれませんが、これまでにない新たな試みとして結果を出せました。反省点は、冊子制作の過程を記事にできなかったこと。手が回らなかったという理由がありますが、今はそれも宣伝材料にできる世の中なので。
ーそれこそコミュニティがあれば巻き込めそうですね。
鎌田さん:まさにそうです。今後はローカルでもオンラインでもコミュニティを作ることが目標です。僕はカリスマタイプの書店員ではないので、お客さん含め周りと相談して一緒にやってもらう感じが向いているかもしれない。本についてもお客さんに教わることは多いですし、それを素直にきけるのは、他の書店の先輩方と比べて、経験の浅い僕の強みかもしれません。
恵文社は個人店ではなく、チームで動いている店舗なので、各スタッフの得意分野を理解しつつ、これからも伝統を守り、新しいことをどんどんしかけていきます。
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4. 書籍インタビュー
初の著書が発売たちまち6万部突破した著者・神崎メリさんが語る、不器用でも幸せになれる恋愛法則
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現在では結婚され、幸せな家庭を築く神崎メリさん。実は、自身も過去に恋愛地獄や離婚などに苦しんだ経験があります。その経験から、LINEブログやInstagram(https://www.instagram.com/meri_tn/
今回、初の著書出版にもかかわらず、発売2週間前の時点でAmazon 総合ランキング1位、発売前3刷となった『「恋愛地獄」、「婚活疲れ」とはもうサヨナラ! ”最後の恋”を”最高の結婚”にする 魔法の「メス力」』(KADOKAWA)。その法則はどう見つけ出したのか、また熱狂的なファンを持つ秘訣を伺いました。(※取材は担当作家エージェントの宮原陽介さん立ち会いのもと行われました。)
<「メス力」の法則を見つけるまでの道のり>
ー神崎さん自身も恋愛や離婚に苦しんだと著書にも書かれていましたが、そこから「うまくいく法則を見つけよう!」というモチベーションにどうつながったのでしょうか?
神崎さん:「恋愛や結婚で幸せになるには、何か私が知らない法則が絶対にあるはず!」と思ったのがきっかけです。そこからいろいろな本を読んで人の話を聞いて、「自分がなぜ別れることになったんだろう」と数年間分析しました。
結果やっぱり法則があって、自分が原因だったんだなと気がついたんです(笑)。相手は自分を好きでいてくれているのに、男心を踏みにじっていたなと。その行動をパターン化し、自分なりの法則をつくっていきました。
ー神崎さんの法則はとてもわかりやすく、「きっとこうされたら男性は嬉しいんだろうな」と感じます。その法則はどう見つけられたのですか?
神崎さん:「メス力を持った女性を徹底取材する」に尽きます。女同士で話していると、うまくいってない話はいっぱい出てくるんです(笑)。でもうまくいってる人は、本当に余計なことを話さないから情報が出てこない。だから、「そういえばあの子って旦那の愚痴をあんまり言わないな」という子に結構しつこく聞いてます(笑)。
ある友人がすごい悩んでる時に「私だったらこうするかな」と、その子が言っていたことを聞き逃しません(笑)。その後、メス力的に考えるとやっぱり法則に当てはまっているなと気がつくので毎回はっとすることが多いです。
ーメス力を持った女性はどう振る舞うんでしょうか。何か共通点はありますか?
神崎さん:メス力を持った女性は、カッとなって怒ることがありません。でも言いたいことは「ぱっと短く」言うので、ストレスをためていないですね。例えば旦那さんがちょっと変なことしたら、「ダメよ」で終わり(笑)。旦那さんもそれが癖づいてるから「え、やってた?」くらいで受け止める。この短さだったらケンカにならないですよね。
すごいメス力の高い人はその場で言わず、後日空気を見て言う。旦那さんがお酒飲んでDVDとか見て、ちょっと楽しい感じの時に「そういえば、私も悪いとこあるけど一緒に気をつけよ!」っていう感じでふわっと言うんです。そしたら、「うん。わかった!」みたいな感じで終わる。
こんな感じで「具体的にこういう場面でどう振る舞うのか?」を聞き、その子達がどういう風に男性に対して接しているかをずっと観察し、うまくいかないパターンと比較して法則を見出してます。
割と女性がやりがちなのが、旦那さんが疲れて帰ってきてる時に「ちょっと座って」っていうの、あれ絶対だめ(笑)。帰ってこなくなりますね。男性はうまく立てて転がすのが一番です(笑)。
ーうまくいっている女性はどうやってそのメス力を学んだんでしょうか?
神崎さん:やっぱり勘がいいんですよね。一度「なぜあなたがそういう性格になったのか」と質問したことがあるんですが、20代の前半にその当時の彼に言われた一言で悟ったっていうんですよ。悟れますか?
ーえー! すごいですね! 私なら絶対悟れないです(笑)。
神崎さん:結構年上の彼と付き合っていたそうなんですが、カップル複数の飲み会で彼女も若かったからノリが良すぎたみたいで。そしたら「ちょっと来なさい」と呼ばれて、「あの子達を見てごらん。君より年下だけど凛としてるよね? ああいう女になりなさい」と言われて気づいたっていうんですよ。
どんな業種でもそうなんですけど、勘がいい方っていらっしゃいますよね。一言で百わかるような。彼女みたいに一度で悟れる人もいれば、私のように失敗を繰り返して繰り返して、コツコツやる不器用な人もいて、まったくやらない人もいる(笑)。私は、コツコツタイプの人に向けて発信してますね。
ー見つけた法則を人に発信しようと思ったのはなぜですか?
神崎さん:謎の使命感です(笑)。この法則を知らずに、多くの女性が恋愛でつまずいているんですよ。だから、「うまくいく法則があるよ!」っていうのを教えていかないといけないなっていう思いで発信しています。みんなが幸せになれない相手を「お見切り」し、結婚して幸せになっていくのを見るのが、LINEブログやInstagramを書くモチベーションにつながっているんです。
恋愛地獄で苦しんだり、ずっとワンオペ育児したりとかって大変じゃないですか。法則を知ってみんなの恋愛や結婚がうまくいくようになれば、穏やかでもっと女性が生きやすい世の中になると思うんですよね。
ー本当にそう思います。幸せな女性と一緒にいれば、男性も幸せになれるから世の中の幸せの総量が増えそうですね!
<神崎さんの発信にファンがつく理由>
ー神崎さんのInstagramはティファニーブルーに文字だけ、というシンプルさが特徴ですが、その理由は?
神崎さん:女の子向けのインスタだと、結構ピンクが多くてキラキラしているイメージ多いじゃないですか。でも、ピンクは意外に好き嫌いがわかれるので避けてます。すっきりしているけれど、女性らしさを感じるカラーだなと思ってこの色にしました。書籍も一緒です。文字だけなのは直球でメッセージを伝えるためですね。
ーブログも辛口だけれど愛があるというか、ダメな部分も認めて頑張ろうと言ってくれている感じがして勇気が出るなと思いました。伝え方で意識されていることはありますか?
神崎さん:ありがとうございます!意識しているのは共感できる、面白い、キャッチーの3つです。特に差別化しようと計算してからやったわけではなく、反応を見ながらマッチするポイントを見つけていった感じです。私の場合、あまりそういうのは意識していなくて、等身大の言葉でくすっと笑える面白い感じをイメージして書いていますね。
あんまりきれいな言葉だと、若い女の子達にとっては受け取りづらいみたいで。普段、友達同士で話すような話し言葉を使う、メリハリをつけて面白くするように変えていきました。
ー「メス力」「おクズ様」「ど本命クラッシャー」などセンセーショナルなワードはある意味キャッチーだと思うのですが、ネーミングはどうされたのですか?
神崎さん:考えてやったわけではなく、書いてるうちに出てきました。「メス力」は男の本音を理解し、決して媚びずに恋愛も結婚もうまくいく力と定義しています。女子力は割と自己満足の世界でもあるので、そことの違いは意識していますね。
「おクズ様」は“クズ”だとメス力的に言葉が汚いかなと思って、ちょっとクズ男にリボンつけてみようみたいな感じですね。少しでもかわいく(笑)。「ど本命クラッシャー」はその名の通りなんですが、「せっかく好きで男性が来てくれているのに、自分から壊してることに気づけ!」という気持ちを、センセーショナルなワード選びに込めてます(笑)。
ー神崎さんの気持ちがすごく伝わってきました(笑)。ターゲット層の方の普段のコミュニケーションを意識して浸透しやすくしている、ということですね。
神崎さん:はい。辛口についても、ズバッと言ってあげた方が分かりやすいかなという考えからです。対面で友達に言われたらきついけど、やっぱり文字だとフォローもできるし、「なんでそれを言うのか」っていう説明もできるので。
あとは私のことを直接知らない人だからこそ、傷つくけどそこまで「否定された」という感覚にならないと思うんです。やっぱり友人同士だと、そこに行き着くまでの友達の関係があって裏読みしちゃったりすると思うんですよ。「いじわるで言ったのかな?」とか、いろんなことを考えちゃいますよね。でも、私みたいなまったく知らない人だと、はっきり言われても飲み込みやすいみたいです。
<SNSユーザーが「初めて書店に行く」そのハードルを超えさせたもの>
ーすでに6万部突破、発売前にも2回重版がかかるなどすごく売れていると思うのですが、どんな販促活動をされた結果なのでしょうか?
神崎さん:ブログやSNSで告知したのはもちろんなんですが、本を売るよりも私の文章のファンになってもらうために書いています。本だけ売ろうとしてもファンじゃないと買ってくれないので。Instagramユーザーはファッション誌も買わない人がほとんどです。
そんなターゲット層がリアルの書店に足を運ぶのは、かなりハードルが高いですよね。だから、InstagramやLINEブログなど日々の活動が大事なんです。
宮原さん(株式会社アップルシード・エージェンシーの神崎さん担当エージェント):SNSでは、神崎さんにTwitterやインスタで読者さんがアップしてくれた「買いました!」っていうコメントに、返信や“いいね”をしてもらうことはお願いしていましたね。
神崎さん:読者さんが「買いました!」って自分のInstagramのストーリーに上げてくれたら、私のストーリーで紹介するっていうのをやっているので、ストーリー見てる人が「流行ってる!」って勘違いしてくれたのかもしれません(笑)。
ーいえいえ、実際にとても流行っていらっしゃいます(笑)。
宮原さん:著者本人がインスタで紹介してくれるのは、テンション上がりますよね。だからみんな「私もやりたい!」って思い始めて、書籍を買うモチベーションが上がったんじゃないかなと思っています。
本作りの段階でも、神崎さんには「平易な文章」を意識してもらいました。神崎さんのフォロワーさんはInstagramユーザーが多く、平易な文章じゃないと読みづらいと感じて離脱してしまうと思ったからです。
また、有料の書籍ならではの価値として、今までLINEブログやInstagramで読めていない「新しく収録したものや(限定公開した)“18禁”の内容など、普段は読めないものも読める」という価値を加えたことで、本を買ったことがないユーザーが発売と同時に書店を探しまわってくれるという効果がありました。
ーすごい反響ですね!
宮原さん:そうなんです。書店に行くこと自体初めてかもしれない人たちが書店をはしごして「品切れしてる!」と投稿すると、「◯◯店にありました!」とか読者さんが反応してくださって。「インスタで毎日読んでるけど買う意味ありますか?」という質問に対しても、「あります!私も毎日インスタ読んでるけど、買って面白かった!」と見知らぬ読者さん同士がコメントし合うなどコミュニティが生まれていました。
本人不在ですが、オフ会も開かれていて。こういった盛り上がりができたのも、有料の本に付加価値を感じてくれたんだなと思いました。コメント欄見てるだけでも、本当にすごかったです。
また、本を出したおかげで新たに本からの流入でファンのルートが確立されました。「コメントで話題だったから」とか「売れてるから」などの理由で、本からインスタやブログに逆流入現象が起きています。ブログも初版のときは100万PVだったんですが、重版してから200万PVまで伸びました。
神崎さん:あと、本を出してからは「口コミで買った」、「友達にプレゼントした」など、読者さんづたいで新しい読者さんが増えていっていて、広がりを感じます。たくさん買って配ってくれている方もいらっしゃって、本当に嬉しいです!
ー逆流入現象でそこまで反響がくるんですね!改めて本の力のすごさを感じます。ちなみに神崎さん自身が書店員だったら、どんな売り方をされますか?
神崎さん:「おクズ様を切りました!」とか、あとは読者さんからのコメントなどから、女の子がドキッとする言葉を選んでPOPにすると思います。本が売れているという情報だけでなく、恋愛コーナーに行く女の子が悩んでいることを言葉にしたものがあると、初めて書店に訪れた方にとってもわかりやすいですよね。
悩み別で思い出したんですが、書店員さんがオリジナルで描いてくださったPOPがあったんです。おクズ様を背負い投げしている女の人の絵が描いてあって、「おクズ様を捨てろ!」みたいな(笑)。あれはぱっと見ても悩みが解決できるとわかるPOPで、素晴らしかったし本当に嬉しかったですね!
ー絵で表現してくれるとわかりやすくていいですね!
宮原さん:確かに悩み別に棚作りして、他の恋愛本もセットで買うとかも提案できそうですね。ビジネス書はそうなっているじゃないですか。恋愛本は塊になっていて悩み別になっていないからどれを買えばいいのかわからないし、読者もファンになっている著者の本のところにしか行かないと思うんです。もしかしたら他に、一緒に買ったらいい本があるかもしれないですよね。でも、現状は「自己啓発・美容・スピリチュアル」などと一括りの棚にされていることが多くて、見つけづらいのかもしれません。
神崎さん:確かに悩み別はいいと思います!あとは読者層が同じなので、女性誌の横に置いて流れを獲得するように構成したいですね。あと女性向けコーナーはわかりやすく、華やかに装飾したい。
今回の売れ行きで、自分にメリットがあれば読んでくれて書店へ行くハードルが下がることはわかったので、SNSでの情報収集がメインで、ふだんあまり本を読まない層をうまく取り込めたら、売上はもっと伸びるような気がします。
宮原さん:読みやすい本からスタートして「読める!」っていう自信につながれば、次も読んでみたいという気持ちが醸成できると思うので、そのステップを作る価値は大いにあると思います。
ー確かにそうですね。恋愛系の著者さんはSNSフォロワーも多いですし、うまく活かしたらすごい爆発力がありそうです。
宮原さん:だからこそSNSのパワーを借りて、「書店に行かない人をどう呼んでくるか」に力をかけやすいジャンルなんじゃないかなと思いました。神崎さんの本が書店に並ぶ時に3刷だったのは可能性を示していると思うし、SNSの眠っているユーザーを書店に呼び込む、掘り起こしができるジャンルだと思います。
書店員さんはもともと小説とかビジネス書とかに興味がある方が多いと思うので、恋愛本は得意じゃないこともあると思うんです。だからこそ書店員さんとフォロワーさんの多い恋愛本の著者がうまく組めると、面白いんじゃないかと思います。書店員さんの力を持ってすれば、相当の反響を得ることができると思うんですよね。
ー確かに可能性がすごく眠っている感じがします! 最後に神崎さんから書店員さんへ一言お願いします!
神崎さん:いつもありがとうございます。書店に寄らせていただくことも多いのですが、話しかけていただけるとすごく喜びますので、ぜひ寄った際はお話させてください! そして今6万部まできていますが、10万部まで頑張りたい、そしてこれからもどんどん新刊を出していきたいと思っていますので、ぜひ応援・ご協力くださると嬉しいです。このジャンルの面白さをぜひ一緒に広めて幸せな女性を増やしていきましょう。これからも宜しくお願いします!
『「恋愛地獄」、「婚活疲れ」とはもうサヨナラ! ”最後の恋”を”最高の結婚”にする 魔法の「メス力」』
https://www.amazon.co.jp/dp/B07P41LSW9/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_RLyqDb18M7608
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5. あとがき
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ご登録いただきありがとうございます。『箕輪書店だより』編集長の柳田一記です。
7月号では『「恋愛地獄」、「婚活疲れ」とはもうサヨナラ! ”最後の恋”を”最高の結婚”にする 魔法の「メス力」』の著者・神崎メリさん、高橋書店の編集者・山下利奈さん、恵文社の書店員・鎌田裕樹さんにインタビューさせていただきました。
さて、8月22日(木)19時から、『箕輪書店だより』と『代官山 蔦屋書店』がコラボレーションをするリアルイベントの第二弾が開催されます。ゲストは7月に『戦略と情熱で仕事をつくる 自分の強みを見つけて自由に生きる技術』を発売したボードソムリエの松永直樹さん、編集を担当したダイヤモンド社の木村香代さんです。
『戦略と情熱で仕事をつくる』は、著者、編集者、デザイナー、ライターすべてが箕輪編集室メンバーで構成された本です。もちろん書籍制作について未経験のメンバーばかりのチームです。そんな彼らが苦労しながらも圧倒的な努力でやり遂げたところを、私たちはサロンの仲間として間近で見ていました。そういった意味でもこの本は、私たちにとってとても思い入れのある一冊となりました。ぜひ手に取って読んでいただければと思います。
イベント当日は、松永さんと木村さんのパネルディスカッションに加え、松永さんがセレクトしたボードゲームを実際にプレイしていただく予定です。ぜひご参加ください。
『箕輪書店だより』では、これからも読んで勉強になる、ワクワクするような内容をお届けしていきます。感想や、ご意見ご要望、冊子送付などご要望がございましたらハッシュタグ「#箕輪書店だより」をつけてTwitterでつぶやいてください。箕輪編集室のメンバーがすぐに伺います。
では、来月もメルマガでお目にかかれることを楽しみにしています。
<箕輪書店だより 7月号>
編集長 柳田一記
*取材...金藤良秀・高下真美・浜田綾・丸山紘平
*書き起こし...菅井泰樹・佐伯美香・山崎奈央子
*執筆...金藤良秀・高下真美・浜田綾・柴山由香
*制作協力…柴山由香
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