第64号★やはり伸びる企業は〇〇の〇〇を大切にしている/競合をカンニングできる理由 【税理士 神佐真由美】
今日も開封いただき、ありがとうございます。
本日のメルマガの内容です。
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1.やはり伸びる企業は〇〇の〇〇を大切にしている
2. セミナー&イベント情報
3.活動日記 競合をカンニングできる理由
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1.やはり伸びる企業は〇〇の〇〇を大切にしている
「〇〇」を使うのはちょっと苦手なんですが、使ってみました。
11月1日金曜日は、TKC近畿京滋会の有志の皆さんと、北九州市へ行ってきました。
といっても旅行ではありません。事務所見学です。
北九州市にある、税理士法人 岩崎会計さんにお邪魔してきました。
総勢20名、所長先生は47歳、創業者は所長先生のお父様。
時代に合った顧客サービスを展開し、一体感ある事務所経営でも注目されている事務所です。
気づき・・・というよりも、感動を伴うような衝撃を受けたので、
皆さんにシェアできればと思い、このことをテーマにしてみました。
まずは所内の見学から。
応接室やセミナールームの「見える場所」が美しいのはさることながら、
普段仕事をする「執務室」は、ショックを受けるほど気持ちの良い空間でした。
・事務机の上には電話以外のモノがない
・モノの住所は全部決まっている(資料の保存場所・順番・考えられた配置)
・業務のひとつひとつに6桁の「業務コード」がついており、誰でも一定レベル以上の仕事がわかるようになっている
ストレスなく、生産性を上げる工夫が至るところにされています。
見学のあとは、セミナールームで、所長の岩崎先生のお話。
見学者全員に、岩崎会計の「協力的中期経営計画書」が配布されました。
協力的ーというのは、決してトップダウン一辺倒でなく、
一緒によくしていきたいという思いが込められているのだと感じました。
毎年年初に、所内の全員に配布される機密文書です。
固有名詞のある部分は除いて配布されましたが、ノウハウの結集のような資料です。
特にこれはすごいな!と思ったのは、計画書の最初の7ページ「経営理念」のところ。
ポイントは次の3点です。
・言葉の定義にブレがない
・共有したい価値観が明確
・2代目の所長が受け継いで解釈している
・言葉の定義にブレがない
まずは1ページ目から、このように書かれていました。
〇税理士法人 岩崎会計 経営理念〇
Ⅰ.〔奉仕〕
我々は、お得意先企業を心から愛し、企業繁栄のために真心込めて奉仕し、このことにより社会に貢献する。
1-1.「我々」とは、一流の自由職業人たらんことを希求して終結した当社に所属するすべての構成員を意味する。
1-2.「お得意様企業」とは、縁あって結ばれた業務上の関係先の全てである。規模の大小、業種・業績の如何を問わず、すべて平等であることを認識し、我々にとって至上の価値高きものであることと心得べし。
1-3.「心から愛し」とは、常にお得意様企業の実情を知悉し、当該企業の立場に立って、本物の熱意と誠意をもって接することをいう。子を思う親の愛と同じレベルの邪念のない純真な気持ちをベースとするものでなければならない。
1-4.「企業繁栄のために」とは・・・
経営理念の言葉のひとつひとつを、丁寧に定義づけされていました。
お得意様企業は、顧問先様だけではなく、業務上の関係先の全て。
心から愛する、のレベルの深さもしっかり定義されています。
Ⅰの「奉仕」から、Ⅱ「創造」、Ⅲ「信用」の3つの柱がありますが、読んでいくと「あいまいなところ」がないのです。
意味のブレがないのです。
・共有したい価値観が明確
さらには、「価値観の共有に向けて」というパートで、「経営理念を実現するために、どのような価値観を我々は持つべきか」を定義しています。
ここでも、言葉の定義を掘り下げています。
例えば、
部下にとって上司とは
→ 経営における意思伝達の中枢機関として、経営理念を率先して推進する人である。
→ 部下の自己訓練による昇給・昇格の契機を与えてくれ、かつ支援してくれる人である。
→ 業務上は勿論、人生全般にわたるよき理解者であり、指導者である。
同僚とは
→ 善意の競争相手である。
家族とは
→ 同じ気持ちで祖先を敬い、家庭円満に尽力してくれる人である。
職場とは
→ 自己変革のための道場である。鍛錬に徹すべし。
仕事とは
→ 自己の幸せな人生を獲得する手段である。
〔人は他人との接点で評価される。だから内に備えがないと、結局安い値段を付けられる〕
これを読んで、自分はどういう定義づけをしているだろう?とドキッとしました。
・2代目の所長が受け継いで解釈している
ここまで引用したことは、先代の所長先生が書かれたもので、それを現在所長をされている岩崎博信先生が受け継ぎ、
「経営理念の二代目的解釈」として、さらに解説をしています。
詳しい説明は省きますが、受け継いだものを大事にしながら、今の事務所や社会に合うように解釈をアップデートさせ、
さらに、経営を後継者として受け継いだ存在として、発信している。
出来たものを見れば、結果論で一貫して美しいなと思いますが、私には想像し得ない多くの葛藤や悩みもあっただろうと思います。
事務所をおいとまするときに、スタッフさんが「また、ぜひお越しくださいね」と笑顔で見送ってくださいました。
誰に対しても、そのように対応されていることがわかり、「お得意様企業」の定義が浸透しているなと感じました。
全体として感じたことは、仕事をするうえで、そして組織をつくるうえで、
やっぱり「言葉の定義」ってこの上なく大事だなと。
伸び続けている会社ほど、「言葉の定義」を大切にしていると聞いたことがありますが、本当にそうだなと思いました。
「仕事」を、「食べていくための手段」とするのか、「自己の幸せな人生を獲得する手段」とするのか。
「月次決算」を、「しなければならないこと」とするのか、「経営者の意思決定のために最大限活用されるべき毎月のルーティン」とするのか。
どう定義づけるかは、自分たち次第だし、定義づけによって、行動も変わると思います。
不思議ですね。言葉は同じなのにに、どう定義づけるかで気持ちも、行動も変わってくるのです。
伸び続ける企業では、言葉の定義が明確だという研究もあるそうで、以前のメルマガでも書いたことがあります。
第10号 伸びる会社の資金繰りとの向き合い方/お客様や社員さんに会社を大好きになってもらう方法
https://mail.os7.biz/b/JaJ8/1027298
以前、自分の仕事の言葉の定義をやってみたことがあります。少しだけご紹介です。
【税理士】
常に研鑽を怠らない税務会計のプロであるだけでなく、中小企業の経営者の一番身近な相談相手。決して数字だけを見ているのではなく、会社全体を見る目を持ち、社長と想いを共有し、魅力的な未来に進むために必要な情報と選択肢を与える存在。
【税務】
過去の税金の計算に留まらず、これから企業や個人がしようと思っていることに対して、最良の選択をし、非日常を持ち込ませないために必要な知識と実務。
【理念】
数億人の先祖から受け継がれた自分の命(時間)を何にどう使うのかを明文化し、世の中に認識してもらうもの。
【売上】
お客様のみならず社会に対して貢献したと評価されたものを数値(数字じゃなくて)で表したもの。又はその期待感を数値化したもの。
こうやって定義してみると、定義によって、心に奮い立つものが生まれます。
もう少しアップデートしてみたいと思いました。他の言葉も定義づけてみたくなりました。
また、ご紹介しますね。(と、皆さんの存在を自分が動く理由にしています。ありがとうございます)
2.セミナーやイベント情報
★セミナー予告★年に1回の事務所主催セミナー!
私の所属する角谷会計事務所の経営支援セミナー@京都
11月26日(火)14時~17時@烏丸御池
「いまの事業」を大切にしながら 時代に合わせて「会社を変え成長し続ける」シンプルなステップ
株式会社ビズラボ 人見康子氏にお話いただきます。
・急激に変化する顧客のニーズに対応していきたい
・新規事業を立ち上げたい
・営業力(集客力)をつけたい
・属人的でなく、仕組みで稼ぎたい
・会社を次のステージ(1億、10億、100億)へアップしたい
とお考えの経営者の方向けに、
「ビジネスモデル」「営業(集客)」「仕組み」「教育」など全てを
シンプルに整理し、次へのステップを構築するノウハウの概要をお伝えするセミナーです。
どなたでもご参加いただけます。
ご参加を希望される方は、下記のURLからお申込みくださいませ。
<お申込みフォーム>
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf2WlH4q84oFhVD0YwyoEnvSYeGL5l-l5pbCD_BOT6Gnth5HQ/viewform
★一代で、なぜ1万社以上の会社をつくることができたのか?
「人を信じて、託す」ことができる人材をどうやって育てたのか?
日産コンチェルン総帥・鮎川義介氏の生涯を描く舞台プロジェクト「GISKE ギスケ」
11月16日(土)12:30~/17:30~
京都府立府民ホールALTI(アルティ)
https://ayukawayoshisuke.com/
★大阪産業創造館様で、決算書の基礎&応用&資金繰りの基礎セミナーをしています。
★専門誌「銀行実務」の特別コラムに寄稿させていただきました。
https://www.fujisan.co.jp/product/1223936/new/
特別コラム 事業承継税制を「親族外承継」で活用する際の落とし穴
3.活動日記 競合をカンニングできる理由
今回の事務所見学は本当に行ってよかったです。
場所は離れていても、同業ですから、競合事務所です。
それなのに、今回の中期計画のみならず、給与の決め方、報酬の決め方などあらゆるノウハウを開示いただけています。
普通はあり得ないことですよね。
今回に限らず、TKCの事務所では、そのように助け合う文化があります。
「こんなにノウハウいただいていいんですか?」と尋ねると、
「自分も先輩方にこうして助けてもらったから!」と。
税理士事務所を「競合」と捉えず、「一緒に日本の企業と社会をよくしていく同志」と定義しているからだと思います。
学んだことを活かして、仕事で実践し、社会に還元できるようにしていきます!
今日のメルマガは、以上です。
今回もお読みいただき、ありがとうございました。
今日はシンガポールからのお客様と京都観光です。
いつまでたっても進歩しない英語を駆使して?ご案内してきます(^。^)
良き日曜日と週のスタートをお過ごしくださいね!
神佐 真由美
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