第190号★2023年から「経営者保証」が制限されることに!理由なく連帯保証を求められなくなる?/やり抜く人の5つの武器/プレスリリースセミナー/おかげさまでもうすぐ200号【税理士 神佐真由美】
今日もご開封いただき、ありがとうございます。
本日のメルマガの内容です。
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1.2023年から「経営者保証」が制限されることに!理由なく連帯保証を求められなくなる?
2.現在&これから公募の補助金/融資制度
3.おすすめ書籍 やり抜く人の5つの武器
4.セミナー情報 最新プレスリリースセミナー(無料)
5.活動日記 おかげさまでもうすぐ200号
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1.2023年から「経営者保証」が制限されることに!理由なく連帯保証を求められなくなる?
前回のメルマガでは、コロナ対策だった「ゼロゼロ融資」の借り換え対策が発表されたことを取り上げました。
https://mail.os7.biz/b/JaJ8/1557147
融資枠を広げて、新しいお金の投入も可能とし、
10年~15年返済にできる、5年据え置きにできる、など、
具体的な施策が準備されることになりました。
それと同時期に、新しいニュースが舞い込んできました。
それが、タイトルにある通り、
中小企業融資において、「経営者保証」が制限される、ということです。
中小「経営者保証」制限へ: 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO65626050R01C22A1MM0000
中小企業が融資を受けようとすると、
ほとんどのケースで、当たり前のように、
経営者による連帯保証が求められてきました。
会社が万が一返せなくなったら、経営者が代わりに債務を保証する、
私財も投じて、弁済をする、ということになります。
経営者による連帯保証があることで、
経営に対する規律を求め、金融機関はリスクを減らせて貸しやすくなる
というメリットがある一方で、
経営者による保証があることで、
思い切った事業展開を阻害していたり、
それを重く感じている後継者へのバトンタッチができなかったり、
事業再生への早い決断ができなかったりと、
大きな弊害があることも指摘されてきました。
そこで、作成されたのが、「経営者保証に関するガイドライン」。
全国銀行協会と日本商工会議所が策定し、
平成25年12月に公表され、平成26年2月から運用が開始されています。
下記の3つの場面において、ガイドラインによる取扱いが求められるものになります。
1)新規の借入のとき 既存の借入の借換えのとき
→3つの要件の充足具合により、経営者の連帯保証を徴求しない
2)事業を承継するとき
→3つの要件の充足具合により、事業承継の際に承継者による経営者の連帯保証を徴求しない
3)会社で借入を返せなくなり、経営者による保証を履行するとき
(会社の連帯保証人である経営者が、会社の債務を返済するとき)
→早めに決断をすれば、一定財産を手元に残せる
あくまで、ガイドラインという位置づけであり、
そのようにしないといけない、という義務ではありませんし、
活用するかどうかは、当事者間(金融機関・企業)にゆだねられているものでした。
それが、今回のニュースでは、
~ここから引用~
金融庁は2023年から、金融機関の中小企業向け融資で経営者が個人で背負う「経営者保証」を実質的に制限する。
メガバンクや地域銀行、信用金庫といった預金取扱金融機関は
【保証の必要性など理由を具体的に説明しない限り、経営者保証を要求できなくなる。】
個人が起業しやすい環境を整備する狙いだ。金融機関側は融資先に対する目利き力を問われることになる。
金融庁は1日に改正案を発表し、23年4月からの適用を目指す。
【金融機関が融資時に経営者保証を求める場合には説明義務を課し、
その内容を記録して金融庁に件数を報告することも義務付ける。】
金融庁はヒアリングや検査を実施し、手続きに違反があったり企業とトラブルが起きたり、
自主的に改善が期待できなければ行政処分の対象になる。
経営者保証に依存しない融資をどう進めるか取り組み方針を公表するよう要請する。
~ここまで引用~
ポイントは、
・金融機関が経営者保証を求める場合は、保証の必要性など理由を具体的に説明することが求められる。
→説明なしに、経営者保証を求めることはNGとなる。
・具体的に説明した内容を記録して金融庁に件数を報告することも義務付ける。
→金融庁に報告義務ができることで、これまでより強制力が強まる。
ということだと考えられます。
金融機関側に対して、
「どの部分が十分ではないために保証が必要になるのか」
「どのような改善を図れば保証の変更・解除の可能性が高まるか」を説明するよう求める、
ということです。
「経営者保証に関するガイドライン」が適用され、経営者保証を求めない3つの要件とは、
1:資産の所有やお金のやりとりに関して、法人と経営者が明確に区分・分離されている
2:財務基盤が強化されており、法人のみの資産や収益力で返済が可能である
3:金融機関に対し、適時適切に財務情報が開示されている
です。
1については、税理士などの第三者のアドバイスももらいながら、
法人と経営者との貸借りの明確化(ちゃんと契約書など文書をつくるなど)や、
経営者所有の不動産の賃料を相場通りにするなど。
そして、明確に区分・分離されていることを、決算の説明などに盛り込むなどして明文化しておくこと。
→税理士が記載する添付書面にも記載できると、なおよいです。
2については、時間がかかるかもしれませんが、
しっかり利益が出るように経営改善をしていくこと。
3については、定期的に(毎月・四半期など)、試算表などの財務情報を、
金融機関に開示をすること。
これまでは、これらの要件を満たしていることを、
企業側で開示し、
経営者保証を外してもらうことを交渉する、というのが実務レベルでのやり方でしたが、
これが、
経営者保証を求める際は、
金融機関側が、
「どの部分が十分ではないために保証が必要になるのか」
「どのような改善を図れば保証の変更・解除の可能性が高まるか」
ということを説明しないといけない、ということになります。
主語が変わった、と思いました。
説明をする側が、企業側から金融機関に。
2023年度からの運用の予定とのことですが、さて、どうなるでしょうか。
このように金融庁の監督指針が改正されて、経営者保証に対する説明義務が明文化されたからといっても、
忙しい金融機関の担当者(1人あたり数10件~100件を超える担当をお持ちです)に、
これに答えられるくらい、企業の内容を把握してもらうことは、現実的には難しいことではないかと考えます。
そこで、私たちのようないちばん近くで企業をみている専門家による支援が求められるのですが・・・。
必要な情報を開示できる、その上で、
「経営者保証を外してもらうには、どうすればよいのですか?」と
金融機関に質問してみることが重要です。
経営者保証を禁止しているものではなく、
金融機関も経営をしている主体ですから、貸付債権を保全するために、状況によっては必要な保証はあります。
経営者保証ガイドラインを適用してもらえる企業になるために
必要なことを、目線を合わせて見定め、目指していく。
このような関係性づくりが必要なのではないかと思います。
経営者保証の解除は、
相互の信頼関係が築けること、
そして、リアルタイムで継続的に企業の事業の状況を把握できることが
暗黙の前提となっているように思います。
今の税理士の仕事は、税務申告だけではなく
税務署や金融機関に対する会計面で「保証」業務も含んでいると考えます。
月次で監査をしているわけですから、
第三者に対して、帳簿の真実性の保証を通して、正しい情報を開示していますよ、という「保証」をする仕事です。
今回の経営者保証の制限のニュースで、
ますます私たちの役割が重要になってくるのではと自分事に捉えています。
経営者の皆さまには、
経営者保証が制限されること、
どの要件を満たせば経営者保証を外せるのかを金融機関に聞いてみること、
3つの要件を満たせる取組みと仕組みづくりを検討すること、
これらをおすすめしたいと思います。
皆さまの事業が、よりよい方向に運びますように。
2.現在公募中/これから公募の補助金/融資制度/おすすめ情報
・事業承継・引継ぎ補助金(現在第3次公募)
https://jsh.go.jp/r3h/
2017年4月以降の事業承継者の新しい取り組み支援(経営革新支援)や、
M&Aにかかる費用の支援(専門家活用型)があります!
・インボイス対応に!
ITツールと同時導入でパソコンやタブレットも対象に!IT導入補助金2022(延長されました!)
https://www.it-hojo.jp/schedule/
・事業再構築補助金(第8回2023年1月13日締切で最後)
https://jigyou-saikouchiku.jp/
・ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(第13次公募 12月22日まで)
https://portal.monodukuri-hojo.jp/schedule.html
・小規模事業者持続化補助金(第10回公募 12月9日まで)
https://r3.jizokukahojokin.info/
・技術開発を支援するサイト(研究開発を支援する補助金など)
SBIR(Small Business Innovation Research )制度 特設サイト (smrj.go.jp)
https://sbir.smrj.go.jp/index.html
・支援情報ヘッドライン | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
https://j-net21.smrj.go.jp/snavi/index.html
3.おすすめ書籍 やり抜く人の5つの武器
やり抜く人の5つの武器
椎木倫太郎さん https://www.amazon.co.jp/dp/4434309234/ref=cm_sw_r_tw_dp_CWNTRXHK55WJVK7WGP26
(本の紹介より)
本書は、サラリーマンが「やり抜く力」をつけて、充実した人生を送るための方法を説いた本で、素晴らしい成果を上げてきた現役サラリーマンが解説します。
自身の体験をもとにした内容で、実践しやすさ・身につけやすさにこだわった一冊!
★手に取ったきっかけ
発行されている出版社 古川書房の古川さんと知り合ったことから、おすすめとのことでご紹介いただきました。
やり抜く力、ほしい!
★おすすめポイント
気合いじゃない「やり抜く力」を再現性高くまとめられています。
予測力 構築力 選択力 分析力 突破力
どれも大事です。
”自利利他の状態は、サラリーマンとして、「幸福な無双環境」だと考えています。”
という一節、なるほどと思いました。
どんな立場であっても、自分自身が楽しくて、成長して、かつ誰かのためにもなっていて、
感謝され続けるという状態は幸せなものです。
この本を通して、筆者が読者に対して願っていることだと思います。
サラリーマン向け、とありますが、
気持ちよく、楽しく仕事をしたいというビジネスパーソンにおすすめです。
4.セミナー情報/イベント情報
★大阪産業創造館様 主催セミナー
11月16日 月次決算セミナー
【セミナー】数字を経営に活かす“月次決算”―翌月10日の決算で経営判断の精度を上げる!
https://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=37992
12月8日 資金繰り基礎セミナー
【はじめての○○セミナー】きちんと押さえたい!経営者のための資金繰り基礎知識
https://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=38016
1月18日 部門別会計セミナー
【セミナー】課題を把握し、高収益に繋げる「部門別会計」
https://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=38046
★【ご紹介&お誘い】100年企業を目指したい方に!
ジャパン・コンサルティング・ファーム主催
新春セミナー2023~中小企業に勇気を!~
100年企業の秘訣に迫る!
100年企業の共通点を見える化した
「100年企業就業規則」はグッドデザイン賞を受賞された
日比野先生をお招きしての講演会&懇親会です。
詳細はこちらからどうぞ!
https://7ea1q.hp.peraichi.com/
神佐の紹介割引ができます!
★【ご紹介&お誘い】最新プレスリリースセミナー2022@京都(無料)
http://www.chuokai-kyoto.or.jp/whatsnew/20221026_chirashi.pdf
お金をかけずにたくさんの方に知ってもらうには、
PR(パブリック・リレーションズ)を活用するとよいといわれます。
プレスリリースの最新の書き方&SNSの活用の仕方の無料セミナーです。
5.活動日記 おかげさまでもうすぐ200号!
おかげさまでこのメルマガも、190号を発行できました。
これもいつも読んでくださる皆さまのおかげです。
2018年8月に始めたメルマガ、なんとか4年ちょっと続いております。
あと10号で200号です。
本当は、年内で200号まで到達する予定だったのですが、
ときどき、お休みをしてしまいまして、200号記念号は年明けになります。
毎週メルマガを出し続けることは、まだまだ私にとっては大変なことですが、
まずは、メルマガを始められたこと、
続けてこられたことに感謝しかありません。
今日まで全部で190記事となります。
文字数にするとどのくらいだろう・・・と思いますが、
今から190回分書けと言われたらできません。
時間を味方に、
そして、
読んでいただけるというありがたさで力を得てきました。
メルマガでつながってこれたからこそのご縁も多くあります。
自分は微力だが、無力ではないと思うとともに、
支えられてこその自分だなと感じます。
いつも長いメルマガにお付き合いいただいて、
本当にありがとうございます。
これからもますます、良い情報をお届けできるよう、
頑張ってまいります!
本日もお読みいただき、ありがとうございました。
今週もたくさんいいことがありますように!
いってらっしゃい!
神佐 真由美
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