第208号★今のうちにおさえておきたいカーボンニュートラル政策!今年度から本格始動している【GXリーグ】とは?/個人契約型 雇用制度について/20年越しでやっと時代が追い付いてきた?【税理士 神佐真由美】
今日もご開封いただき、ありがとうございます。
本日のメルマガの内容です。
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1.今のうちにおさえておきたいカーボンニュートラル政策!今年度から本格始動している【GXリーグ】とは?
2.現在&これから公募の補助金/融資制度
3.おすすめ書籍 個人契約型雇用制度
4.セミナー情報&イベント情報
5.活動日記 20年越しでやっと時代が追い付いてきた?
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1.今のうちにおさえておきたいカーボンニュートラル政策!今年度から本格始動している【GXリーグ】とは?
貴社における温室効果ガスの排出量を測って、報告してもらえませんか?
温室効果ガスの排出削減の目標を出してもらえませんか?
得意先から、
そういわれる日が、そう遠くないかもしれません。
というお話です。
2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、
【カーボンニュートラル】を目指すことを宣言しました。
「排出を全体としてゼロ」というのは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」※から、
植林、森林管理などによる「吸収量」(人為的なもの)を差し引いて、合計を実質的にゼロにすることを意味しています。
カーボンニュートラルの達成のためには、
温室効果ガスの排出量の削減 並びに 吸収作用の保全及び強化をする必要がある、とされています。
また、その前に、
地球規模の課題である気候変動問題の解決に向けて、
2015年にパリ協定が採択され、世界共通の長期目標として、
世界的な平均気温上昇を工業化以前に比べて
2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求すること(2℃目標)
今世紀後半に、温室効果ガスの人為的な発生源による排出量と
吸収源による除去量との間の均衡を達成すること等を合意しました。
この実現に向けて、世界が取組を進めており、
120以上の国と地域が「2050年カーボンニュートラル」という目標を掲げているところです。
さて、これらの動きと、経営と、どう関係してくるの?ということなのですが、
この「カーボンニュートラル」に向けて、
政府が本格的に動きだしており、
その影響が、近いうちに中小企業の取組みにも求められてくるのでは、ということです。
経済産業省が本格的に動き出す、ということは、それだけ投資が行われるということで、
その規模は、官民の投資で、この10年間で150兆円とされています。
脱炭素・GX、総額150兆円超の投資に高まる期待 | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/ncr/18/00178/122300025/
この分野の取組は、それだけチャンスがあるといえそうです。
会社によっては、今後の経営戦略を考える上で、視野に入れておいたほうがよいかもしれません。
いろいろな動きがあるのですが、これから大きな動きになりそうなのが、
【GXリーグ】です。
GXリーグ設立準備公式WEBサイト (gx-league.go.jp)
https://gx-league.go.jp/
経済産業省が旗振りをし、
GX(グリーン・トランスフォーメーション※)に積極的に取り組む「企業群」が、
官・学・金でGXに向けた挑戦を行うプレイヤーと共に、
一体として経済社会システム全体の変革のための議論と
新たな市場の創造のための 実践を行う場として設立されたものです。
※グリーン・トランスフォーメーションとは、
化石燃料に頼らず、
太陽光や水素など自然環境に負荷の少ないエネルギーの活用を進めることで
二酸化炭素の排出量を減らそう、
また、そうした活動を経済成長の機会にするために
世の中全体を変革していこうという取り組みのことを指します。
カーボンニュートラルへの移行を向けた挑戦を率先して行い、
国際ビジネスで勝てる企業群が、
社会のGXをけん引する枠組み
これがGXリーグなんだそうです。
ここで、官民学の議論が行われ、ルールが作られ、
ビジネスの機会もつくっていく、ということなんですね。
それでですね、
GXリーグには、すでに679社の上場企業を中心とした会社が賛同し
GXリーグのメンバーになっています。
こちらのサイトで見られます!
MEMBER|GXリーグ設立準備公式WEBサイト (gx-league.go.jp)
https://gx-league.go.jp/member/
日本のCO2排出量の4割以上を占める企業が賛同しているそうで、
社会の取組みやルールを議論する中心的な存在になりそうです。
GXリーグの狙いと、そこから想定される動きです。
1)企業が世界に貢献するためのリーダーシップのあり方を示す。
⇒GX実践企業の行動指針が議論される
⇒GX実践企業の周りの企業も行動指針に影響されることになるのでは・・・
2)GXとイノベーションを両立し、いち早く移行の挑戦・実践をした者が、
生活者に選ばれ、適切に「儲ける」構造を作る。
⇒商品やサービスなどのCO2削減量を表示するルールをつくられるのでは・・・
⇒グリーン商品の調達が推進される取組が検討されるのでは・・・
3)企業のGX投資が、金融市場、労働市場、市民社会から、
応援される仕組みを作る。
⇒エネルギー源の移行努力や、CO2削減の貢献度、GX投資を評価する仕掛けが検討される
⇒GX投資をして、努力をしている企業が、あらゆる面で応援される仕掛けができるのでは・・・
こういうことを目指していくようです。
今の動きとしては、
679社が賛同し、今現在は、【参画企業】を募集しているところです。
おそらく、賛同企業の多くが、参画企業になるものと思いますが、
参画企業に求める取組も明らかになっていて、
参画する事業会社、金融機関ごとに、
求める取組が発表されています。
こちらのページに記載があります。
HOW TO JOIN THE GX LEAGUE|GXリーグ設立準備公式WEBサイト (gx-league.go.jp)
https://gx-league.go.jp/howtojoin/
事業会社は、自らの排出削減の取組だけでなく、
サプライチェーン上流の事業者に対しては、2050年のカーボンニュートラルに向けた
排出量削減の取組支援の実施または計画が、
サプライチェーン下流の需要家・生活者に対する、
自らの製品・サービスへのCFP表示等の取組を通じた、
能動的な付加価値の提供・意識醸成の実施または計画が求められています。
つまり、仕入先に対して、調達元に対して、
CO2排出量削減の取組を促したり、計画を出してもらうなどの取組みが想定されます。
そして、自社も含めたその取り組みを、
商品やサービスに積極的に表示し、
付加価値が認められるような取組をしていく、ということも想定されます。
カーボンニュートラルへの取り組みを計画的に行っている企業は、
積極的にサプライチェーンに入ってもらいたい
そうでない企業は、
そのような取組をしてほしい
こんな動きが、これから本格的に始まるのではないかと思われます。
積極的に取り組む姿勢を持っていれば、
より、チャンスをつかみやすい、ということが言えるのではないでしょうか。
おそらく、今後の補助金についても、
この分野への投資を後押しするものの比重が大きくなると想定されます。
10年で150兆円の投資が見込まれているくらいですから・・・。
今すぐなんとか、ではないかもしれませんが、
このような動きがあることを視野に入れていただき、
GXリーグの動きに、ご注目いただければと思います。
GXリーグ設立準備公式WEBサイト (gx-league.go.jp)
https://gx-league.go.jp/
第181号のメルマガでご紹介している書籍「脱炭素経営の基本としくみ」もおすすめです。
第181号★きれいごとを言わないと嫌われる時代!?伝わるビジョンの重要性 /脱炭素経営の基本としくみ/・・・
https://mail.os7.biz/b/JaJ8/1537681
2.現在公募中/これから公募の補助金/融資制度/おすすめ情報
・事業承継・引継ぎ補助金(第6次公募は6月中に公開予定)
https://jsh.go.jp/r4h/
2017年4月以降の事業承継者の新しい取り組み支援(経営革新支援)や、
M&Aにかかる費用の支援(専門家活用型)があります!
・事業再構築補助金(第10回公募 6月30日締切)
https://jigyou-saikouchiku.jp/
・ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(第15次公募 7月28日締切)
https://portal.monodukuri-hojo.jp/schedule.html
第14次公募から大幅リニューアル!最大5,000万円の設備投資補助
・小規模事業者持続化補助金(第12回公募 6月1日まで)
https://r3.jizokukahojokin.info/
・技術開発を支援するサイト(研究開発を支援する補助金など)
SBIR(Small Business Innovation Research )制度 特設サイト (smrj.go.jp)
https://sbir.smrj.go.jp/index.html
・支援情報ヘッドライン | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
https://j-net21.smrj.go.jp/snavi/index.html
3.おすすめ書籍 個人契約型社員制度と就業規則・契約書作成の実務
個人契約型社員制度と就業規則・契約書作成の実務
著:萩原 京二さん 岡崎 教行さん
https://amzn.asia/d/gIvR9MN
(本の紹介より)
労務管理ツールの普及により多様で柔軟な働き方ができる今,
企業の採用戦略としては積極的に限定社員を活用し,優秀な人材の確保・定着を図るべきです。
本書が提案する個人契約型社員制度では,
対象社員のベースとなる労働条件として就業規則を適用しつつ,
希望する労働条件については会社と交渉のうえ,
個別の雇用契約書で就業規則と異なる内容を定め,
本人が希望する働き方を実現します。
導入のための制度設計から,
就業規則の策定および個別の雇用契約書作成をどのように行えばよいのか,
具体的に例を示しながら解説。
目次
はじめに
第1章 多様な働き方に対応できない会社に未来はない!
第2章 これからの雇用制度の考え方
第3章 中小企業の人事戦略としての「パーソナル雇用制度」
第4章 パーソナル雇用制度を導入する手順
第5章 個人契約型社員の就業規則・雇用契約書の作成の仕方
★手に取ったきっかけ
Facebookで知り合いの社労士さんがご紹介されていて、
「個人契約型社員制度」という耳慣れない言葉に
現在の雇用制度の課題を解決するものでは?という期待をもって、手に取りました。
★おすすめポイント
柔軟な働き方ができる、ということが、採用におけるアピール材料になると思いました。
基本の雇用制度も温存しながら、個人ごとに契約できる余地を作る制度。
第2章で、これまでの雇用制度のよいところと限界を示したうえで、
法的根拠を持たせて、パーソナル雇用制度を提案しているところが魅力。
個人契約だからこそ、求めるものと成果とを、しっかり話し合うことが前提なのも、
これからの時代に合っていると思いました。
4.セミナー情報/イベント情報
★女性起業研究会ESPACE宝塚様 主催セミナー
6月15日 税理士に教わる 知っておくととってもお得!
世の中の見え方が変わるお金のお話セミナー
https://espace2020.com/events/4212
「女性にランチ代くらいで学びの場を提供したい」
というおもいで女性起業家・起業を志す方向けに
学びの場を創り続けているエスパス様。
おもいに共感し、定期的に登壇させていただいています。
★大阪産業創造館様 主催セミナー
【はじめての〇〇セミナー】
9月5日予定
経営者は押さえておきたい!資金繰りの基礎知識
5.活動日記 20年越しでやっと時代が追い付いてきた?
GXのお話を書きましたが、近年はSDGsなど、持続可能性を目的とする取組が多くなってきましたね。
私は高校生のころから環境問題に関心があり、
大学時代に経済学部で「環境経済学」を専攻しました。
エコハウス(太陽光発電や、コージェネレーションシステムでCO2排出をおさえる家)の普及により
CO2を削減するには、どのくらいの補助金が必要か?というテーマで、
ゼミ仲間で論文を書きました(ゼミだけ真面目に行ってました)。
環境にどのくらい貢献しているかをまとめる「環境会計」も勉強して、
メーカー企業の採用面接で、これをしたい、と話をしたのですが、
「あ~、環境会計ね~(笑)」と鼻で笑われました。
ですよね~、環境問題どころじゃないですよね~と
どこかにもともとの想いは置いてきてしまっていたのですが、
ここにきて、SDGsにはじまり、カーボンニュートラル、そしてGXリーグと・・・
20年も経つと世の中も変わるものですね。
どこかで忘れてきたことを棚に上げて、
「やっと時代が追い付いてきたか~」
なんて思っている私です。
先日はご縁がつながり、
「脱炭素の実行管理における会計的なポイント」
というテーマで、会計士協会で講演するチャンスもいただきました。
またこのことは、改めて書きたいと思います。
中期的に見た経営の改善も、そして、脱炭素も、人の採用育成も、と
取り組むべきテーマはますます多いですが、
しっかり動きをキャッチして、
先を見据えた情報提供をしていきたいと思います!
本日もお読みいただき、ありがとうございました。
今週もたくさんいいことがありますように!
いってらっしゃい!
神佐 真由美
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