第224号★インボイス開始2カ月・・・いかがですか?そして、これからどうなる?※動画あり/逆・タイムマシン経営論/今年最後の産創館セミナー【税理士 神佐真由美】
今日もご開封いただき、ありがとうございます。
本日のメルマガの内容です。
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1.インボイス開始2カ月・・・いかがですか?そして、これからどうなる?
2.現在&これから公募の補助金/融資制度
3.おすすめ書籍 逆・タイムマシン経営論 近過去の歴史に学ぶ経営知
4.セミナー情報&イベント情報
5.活動日記 今年最後の産創館セミナー
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お待たせしました・・・!
1.インボイス開始2カ月・・・いかがですか?そして、これからどうなる?
インボイス制度が始まって2カ月が経ちました。
皆さんの日常にはどのような影響を与えていますでしょうか。
今までより領収書を見るようになりました(登録番号が入っているか)。
Amazonで買い物をすると、インボイスが出ないことがあって困った。
※マーケットプレイスで購入すると、購入先がいろいろなので・・・
→ビジネスアカウントであれば、インボイスが出る・出ないが前もってわかります
会食のお店の予約をするときに、インボイスが出るかどうかも確認しないといけなくなった。
受取った領収書に登録番号は書いてあるものの、税率や消費税額が書いていなくて困った。
※インボイスの要件を満たしていないのをどうすべきか・・・
外注先は小規模で登録をしてくれないので、こちらのコストが増えるがかといって、交渉も難しいし・・・。
インボイスが免除される取引(3万円未満の公共交通機関の交通費など)には、免除取引であることを帳簿に書かないと・・・。
実際に始まってみると、いろんな影響を与えていると感じます。
ホント大変ですよね。
ちゃんとインボイスをもらう + 保存する + 帳簿に記載する
これがそろって、支払った消費税が、納付する消費税から、差し引けることになるので、
インボイスをもらうこと
保存をすること
帳簿に正しくインプットすること
これが厳格に必要になるのですよね。
インボイスかどうかはともかくとして、
請求書や領収書をもらうこと
保存すること
帳簿に正しくインプットすること
これは、インボイス前からあったルールではあります。
ただし、【3万円未満】の取引については、
請求書等の保存がなくても
帳簿の保存があれば支払い側は消費税の処理が認められる
という3万円ルールがありました。
3万円未満の取引であれば、請求書や領収書の保存がなくても、
消費税は差し引くことができたのですね。
3万円ルール、と呼ばれていました。
これが、今回のインボイス制度開始により、
3万円ルールはなくなったのです。
原則としてすべての消費税がかかる取引について、
インボイスに該当する領収書や請求書をもらうこと、
保存をすること、帳簿に記載すること
が要件になりました。
おそらくここが、実務対応が大変!というポイントだと思います。
私たちとしても、金額の大小かかわらず、
インボイスの登録がある購入先か、インボイスが保存されているか、
この点にも確認をしていかないといけなくなりました。
なお、2年前(2期前)の消費税がかかる売上高が1億円未満の事業者は、
1万円未満の取引については、【6年間に限り】、
インボイスの保存がなくても、帳簿記載で消費税を差し引けるとされています。
新たな【1万円ルール】ですね。
とはいえ、この措置は【6年間に限り】です。
いずれは原則通り、1万円ルールは撤廃されます。
私としては、規模関係なく1万円ルールを設け、さらに、恒久化してほしいものです。
簡素な税制を・・・!と言いながら、
どんどん複雑化しているような気がしてなりません。
こちらのメルマガ↓は、2018年に、消費税が10%になる前に書いたものです。
第2号 消費税10%のとき景気はどうなる?やっぱり大変!複数税率。
https://mail.os7.biz/b/JaJ8/1009158
税理士による研究発表で、下記のような動画を13年前に作っています。
複数税率とインボイスはあかん!というテーマなのですが、
短いショートコントのような動画なので、ぜひ一度ご覧下さい。
複数税率、インボイス、やってられまへん!
https://m.youtube.com/watch?v=dhYIkftEY1c
(私は、ちょうど上の娘の産休育休で、出演ならず。出演したかった・・・。)
13年前に作られたものなので、実際の税率と違うところもありますが・・・。
反対していたことなのですが、力及ばず、インボイス制度は始まってしまいました。
さてさて、問題だらけのインボイス制度は、これからどうなるのでしょう?
反対する声は多いものの、おそらく制度自体がなくなることはないでしょう。
電子インボイスをめぐる動きも進んでいます。
電子インボイスは、デジタルで送受信するようなインボイスのことを総称していいます。
メールで送る、受け取る、ダウンロードする、画面のキャプチャを保存する、など。
方向として、どうなっていくか?なのですが、
基本的にBtoBでの取引については、
送受信するシステムは異なったとしても、決められた規格で、
システム同士で、電子インボイスを送受信するような流れになると思われます。
実際にさまざまなシステムベンダーが、電子インボイス推進協議会という機関に属し、
決められた共通の規格(「ペポル」という)で、やり取りできる仕組みを作っています。
デジタルインボイスとは | EIPA|電子インボイス推進協議会
https://www.eipa.jp/peppol
やりとりするだけでなく、受け取ったインボイスが、会計に仕訳連動をし、
支払データまで作成できるような仕組みになりそうです。
ドイツでは、BtoBは原則として電子インボイス取引とのこと。
日本もその方向に進んでいくように思います。
とはいえ、限られたBtoBでのお話。
日ごろの細かいところでの実務の問題は、まだまだこれからですね。
会計システムも進化して、
取引先がインボイスの登録をしているかをチェックできるようになりましたし、
日常の実務でのバグは少しずつ解消していくのだと思いますが・・・。
そして、いつか慣れていくのだと思いますが・・・。
おかしいなと思ったことには、
ちゃんと反対の声を上げていく、
改善要望を出していくことも、大事だなと改めて思います。
今月中に、来年度の税制改正の大綱が発表されます。
発表されたら、メルマガでお知らせをいたしますが、
定額減税をはじめとして、どうなるんだろう?と思うことが満載です。
また、発表されたら、大事なところをピックアップして、お知らせいたしますね!
2.現在&これから公募の補助金/融資制度
・事業承継・引継ぎ補助金(第7次公募は未定)
https://jsh.go.jp/r4h/
2017年4月以降の事業承継者の新しい取り組み支援(経営革新支援)や、
M&Aにかかる費用の支援(専門家活用型)があります!
・事業再構築補助金(第12回公募 これから)
https://jigyou-saikouchiku.jp/
・ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(第17次公募 近日公開)
https://portal.monodukuri-hojo.jp/schedule.html
・小規模事業者持続化補助金(第14回公募 12月12日まで)
https://s23.jizokukahojokin.info/
・技術開発を支援するサイト(研究開発を支援する補助金など)
https://sbir.smrj.go.jp/index.html
・支援情報ヘッドライン | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
https://j-net21.smrj.go.jp/snavi/index.html
・令和5年度業務改善助成金
事業場内で、最も低い賃金(事業場内最低賃金)を30円以上引き上げ、
生産性向上に資する設備投資等を行った場合に、その設備投資等にかかった費用の一部を
助成する制度です(最大600万円)。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03.html
3.おすすめ書籍 逆・タイムマシン経営論 近過去の歴史に学ぶ経営知
逆・タイムマシン経営論 近過去の歴史に学ぶ経営知
著:楠木 建さん 杉浦 泰さん
https://amzn.asia/d/0GxBvLh
「飛び道具トラップ」「激動期トラップ」「遠近歪曲トラップ」
経営を惑わす3つの「同時代性の罠」を回避せよ!
近過去の歴史を検証すれば、変わらない本質が浮かび上がる。
戦略思考と経営センスを磨く、「古くて新しい方法論」。
「ストーリーとしての競争戦略」の著者らの最新作!
これまで多くの企業が、日本より先を行く米国などのビジネスモデルを輸入する
「 タイムマシン経営 」に活路を見いだしてきた。
だが、それで経営の本質を磨き、本当に強い企業になれるのだろうか。
むしろ、大切なのは技術革新への対応など過去の経営判断を振り返り、
今の経営に生かす「 逆・タイムマシン経営 」だ。
そんな問題意識から、日本を代表する競争戦略研究の第一人者、
一橋ビジネススクールの楠木建教授と、社史研究家の杉浦泰氏が手を組んだ。
経営判断を惑わす様々な罠(わな=トラップ)はどこに潜んでいるのか。
様々な企業の経営判断を当時のメディアの流布していた言説などと共に分析することで、
世間の風潮に流されない本物の価値判断力を養う教科書「逆・タイムマシン経営論」を提供する。
経営判断を惑わす罠には、AIやIoT(モノのインターネット)といった
「 飛び道具トラップ 」、今こそ社会が激変する時代だという「 激動期トラップ 」、
遠い世界が良く見え、自分がいる近くの世界が悪く見える「 遠近歪曲トラップ 」の3つがある。
こうした「 同時代性の罠 」に陥らないために、何が大事なのか──。
近過去の歴史を検証し、「新しい経営知」を得るための方法論を提示する。
★手に取ったきっかけ
知り合いの方の書評を読んで、興味を持ちました。
★おすすめポイント
長期スパンで経営をする上で、流行に流されすぎないこと
情報化社会では、聴こえのよいバズワードや飛び道具が飛び交う。
今はサブスクだ、Web3.0だ・・・
本書では、一時期流行になったものでも、
それほど続かなかったこと(セグウェイやGoogleグラス、洗濯物をたたむ機械など)
を取り上げて、なぜ、それが続かなかったのか、何が本質とずれていたのか、を振り返る内容となっています。
今は、これだよね~に惑わされない考え方のヒントになります。
表立った華やかな成功例には、その源流となる戦略があったことも、興味深く読めます。
4.セミナー情報/イベント情報
★おすすめセミナー
★大阪産業創造館様 主催セミナー
■2024/1/23開催
【セミナー】<管理会計シリーズ>事業投資判断に役立つ「意思決定会計」
失敗しないための基本式と投資対効果の考え方
https://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=42220
★おすすめコンテンツ
簿記や会計を完全無料で学べるCPAラーニング
https://www.cpa-learning.com/
起業される方には、簿記3級程度の会計知識を持たれることをお勧めしています。
こちらのサイトでのeラーニングは完全無料。おすすめです。
5.活動日記 今年最後の産創館セミナー
12月5日に今年最後の産創館セミナーの講師を務めました。
テーマは、予算管理です。
予算管理とありますが、
戦略ある経営計画を立てて、
毎月、数字だけではなくて活動も振り返りをしましょう、という内容です。
新しいコンテンツなので、当然レジュメもイチから作成です。
コンテンツといえども、普段考えていないことを盛り込むのは無理があり、
日ごろ実務で心がけていることを、言語化して落とし込む、
レジュメづくりは楽しいですが、エネルギーが要ります。
自分でリハーサルをして話してみて、内容を最終的に決めますが、
実際に話してみて、受講者の反応を見て、話す内容を濃くしたり、逆に薄くしたりと、
話したあとに、やっぱりこうだったな~と課題が生まれることも多いです。
セミナーが終わった後は、ホッとするとともに、問題と課題の整理を熱いうちにやるのです。
振り返れば、今年は全部で7回、産創館さんでは登壇させていただきました。
最初はダメダメだったセミナー講師の私ですが、
見放さずに場数を踏ませていただいて、
今回は満足度(とても満足・満足)100%をいただくことができました。
また、来月に向けて新しいコンテンツでのセミナーをつくります。
もちろん大事なのは本業ですし、そこに影響を与えてはいけません。
むしろ、本業にも貢献できる、お客様にもお役に立てるような、
コンテンツを作っていきたいと思います!
本日もお読みいただき、ありがとうございました。
今週もたくさんいいことがありますように!
いってらっしゃい!
神佐 真由美
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