社会保険労務士法人SUCCESSIONメールニュース【読み物編】(メルマガvol.55)
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1883年の2月16日、日本で初めて天気図が作成されました。
気象学者であり、船乗りでもあったドイツ人のエリヴィン・
クニッピング指導のもと東京気象台(後の気象庁)で作成され、
この日が天気図記念日となりました。
今の天気予報に欠かせないのは気象衛星「ひまわり」ですが、
現在は「ひまわり9号」が観測し、「ひまわり8号」が
バックアップの役割を担う2機体制で日本の空を見守っています。
「ひまわり7号」と比べると画像はモノクロからカラー、
分解能は2倍となっていて、氷や黄砂などを細かく
判別することができます。また2分半間隔で画像が送られるため、
積乱雲の急激な発達を克明に捉えることもできます。
現在、翌日に雨が降るかという予報の適中率は、全国平均で83%。
技術の発展によりさらに精度が上がりそうです。
さて、今回のメルマガは・・・
┏━[CONTENTS]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
◆今月の経営格言
「わたしは勝ち続けることで成長したんじゃなく、
負けて強くなったんです」
吉田沙保里(元レスリング選手)
◆コラム
『今注目されている「年収の壁」の問題について』
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◆今月の経営格言
「わたしは勝ち続けることで成長したんじゃなく、
負けて強くなったんです」
吉田沙保里(元レスリング選手)
出所:「こころを育てる魔法の言葉 1(夢をかなえる言葉)」
(汐文社)
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冒頭の言葉は、
「敗北を次の勝利につなげることができてこそ、さらなる
高みに登ることができる」
ということを表しています。
吉田選手は、自宅でレスリング道場を主催していた父親・
吉田栄勝氏の影響を受け、3歳でレスリングを始めました。
かつて全日本王者だった栄勝氏は、吉田選手の才能を見抜
き、幼い頃から熱心な指導を行ってきました。
吉田選手は、栄勝氏の「下がるな」「攻めろ」という指導
に忠実に従い、得意技のタックルで果敢に攻めるレスリン
グスタイルをとりました。その後、吉田選手はめきめきと
頭角を現し、全国中学女子選手権やJOC杯ジュニアオリン
ピックなど、数々の大会で優勝を重ねるようになりました。
当時、吉田選手のライバルは、同じくレスリング一家に育
った山本聖子選手でした。2001年に開催された全日本女子
選手権では、吉田選手は準決勝で山本選手に敗れて第3位と
なりました。しかし、そこから吉田選手の「不敗神話」が
始まります。このときの試合を最後に、その後の吉田選手
は公式戦で驚異的な連勝を重ね、2004年のアテネ大会では
金メダルを獲得しました。
ところが、この不敗神話にも終焉が訪れます。2008年1月、
中国で開催された女子ワールドカップの予選3回戦で、吉
田選手は敗北を喫してしまいました。これにより、連勝記
録は119戦でストップすることとなります。
決して負けないと思われていた吉田選手のまさかの敗北に、
周囲は大きな衝撃を受けました。しかし、最も大きな衝撃
を受けたのは、ほかならぬ吉田選手自身でした。試合後、
吉田選手は父親の栄勝氏に電話をかけ、「攻めたにもかか
わらず、負けてしまった」と泣きながら話しました。それ
に対して、栄勝氏は「攻めて負けたのであれば、次はきっ
と勝てる。その悔しさを忘れずに、一生懸命練習しなさい」
と静かに語りかけました。
それから、吉田選手の再起に向けた道のりが始まりました。
帰国早々、吉田選手は練習を開始しました。吉田選手は、
前回の試合で敗因となったタックル返しを再現し、監督と
ともに「自分のどこがいけなかったのか。どのようにすれ
ばよかったのか」を徹底的に検証し、熱心に練習を重ねま
した。
そして、2008年3月、吉田選手は韓国で開催されたアジア
選手権に出場します。この大会は敗北後初となる試合であ
り、吉田選手には周囲からの大きな注目が集まっていまし
た。こうした中、吉田選手は1回戦でインドの選手と対戦
しましたが、前回の敗北が脳裏をよぎり、動きに迷いがみ
られる場面もありました。しかし、果敢に攻め込み、なん
とか1回戦を突破することができました。
その後、吉田選手の動きは次第に滑らかになり、2回戦、準
決勝と勝ち進みました。そして、決勝では完全にペースを
取り戻し、いつも通りタックルを重ねてポイントをとって
優勝しました。敗北の挫折から、完全に再起を遂げること
ができたのです。
常に順調なとき、人間はそれに慣れ、当然だと考えるよう
になります。そうした際に逆境に陥ると、大きなショック
を受けてしまいます。しかし、本当に重要なのは、そこか
らいかにしてはい上がるかなのです。女子ワールドカップ
での敗北によって連勝記録が止まってしまったときのこと
を振り返り、吉田選手は次のように語っています。
「あの負けは、自分の意識を変えてくれました。精神的に
も強くなれたし、技術的にも進歩できました。連勝中な
ら絶対にそんなことしないでしょうけど、初心に戻って
練習に打ち込みました」
その後、吉田選手は見事に復活を遂げ、2004年のアテネ大
会に続き、2008年の北京大会、2012年のロンドン大会と、
三大会連続金メダル獲得の偉業を達成しました。
逆境は、いつなんどき訪れるか分かりません。そこに陥っ
たとき、ただ意気消沈するだけでは、そこから抜け出すこ
とはできません。現実から目をそむけることなく、どうす
ればそこから脱することができるかを模索することが重要
なのです。
負けてこそ、逆境に陥ってこそみえる景色があります。現
実を虚心坦懐に受け止めた上で、その景色をプラスに転じ
ようとする強い前向きなメンタリティーが、逆境から自分
を引き上げ、次の勝利へと導くのです。
【本文脚注】
本稿は、注記の各種参考文献などを参考に作成しています。本
稿で記載している内容は作成および更新時点で明らかになって
いる情報を基にしており、将来にわたって内容の不変性や妥当
性を担保するものではありません。また、本文中では内容に即
した肩書を使用しています。加えて、経歴についても、代表的
と思われるもののみを記載し、全てを網羅したものではありま
せん。
【経歴】
よしださおり(1982~)。三重県生まれ。
中京女子大学(現至学館大学)卒。
2005年、綜合警備保障株式会社入社。
第28回~第30回オリンピック競技大会で3連覇を達成。
2012年、国民栄誉賞受賞。
2019年、現役引退。
【参考文献】
「こころを育てる魔法の言葉 1(夢をかなえる言葉)」
(中井俊已(文)、小林ゆき子(絵)、汐文社、2010年2月)
「プレジデント51(1)」
(プレジデント社、2013年1月)
「吉田沙保里119連勝の方程式」
(布施鋼治、新潮社、2008年7月)
「日本レスリング協会公式サイト」
(公益財団法人日本レスリング協会)
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◆ コラム
『今注目されている「年収の壁」の問題について』
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昨年10月、政府は扶養の範囲を超えないように働く、いわ
ゆる「年収の壁」問題の対策を発表しました。今回施行さ
れた制度は、年収が一定額を超えても手取りが減らないよ
う取り組む企業等を支援する内容となっており、今後も抜
本的な制度改正に向けて、議論が進められていく予定です。
その動向に注目が集まる中、エン・ジャパンは『1000人に
聞いた「年収の壁」調査』の結果を公表しました。この調
査からは、短時間労働者が「年収の壁」や政府の施策に対
し、どのような意識を向けているのかを見ることができま
す。今回は、本調査結果を抜粋してご紹介します。
エンバイト利用者を対象とした本調査によると、有効回答
者1,019名の内、年収の壁について、89%の方が「知って
いて説明できる」「説明できないが聞いたことはある」と
回答しました。その回答者を対象に「年収の壁によって困
った経験があるか」を質問したところ、42%が「ある」と
回答しています。
具体的な困りごととして最も多かったのは「もっと働きた
いのに働けない」(63%)、次いで「就業時間の管理・調
整が大変」(51%)、「収入が少ない」(42%)等が挙げ
られています。
次に、2023年10月施行の「年収の壁対策」の内容について
は、58%の方が「知っていて説明できる」「説明できない
が聞いたことはある」と回答しました。その回答者に対す
る、今回の年収の壁対策によって「働き方を変えた・変え
る予定があるか」の質問については、「変える予定がある」
が15%となり、「変えた」と回答した方は4%という結果
でした。
本調査結果から、年収の壁を意識せず勤務時間を増やして
手取り収入を上げたいと考える方が、一定数存在すること
がうかがえます。一方で、昨年開始された政府の施策は、
まださほど大きな影響を及ぼしていないように見受けられ
ます。
元より今回の施策は、次期年金制度改革までの時限的なも
のとされており、現時点、制度改革についての具体的な方
針は示されていません。とはいえ「年収の壁」の問題への
対応をめぐって、今大きな転換期を迎えていることは間違
いありません。
「年収の壁」を意識した就業調整は、短時間労働者の所得
向上を阻む一因となるのはもちろんのこと、企業の人手不
足を加速する原因の一つにもなり得ます。労働人口減少が
深刻化する中、労働者が「年収の壁」を意識せずに働ける
環境を作ることは、企業にとっても重要な取り組みとなる
でしょう。
弊所では、引き続き動向を注視してまいります。本件に関
する取り組みや施策等で、何か気になる点やご検討されて
いる経営者様がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合
わせください。
《参照》
エン・ジャパン株式会社『1000人に聞いた「年収の壁」調査』
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2024/35875.html
調査対象 :『エンバイト』(https://hb.en-japan.com/
調査期間 :2023年11月28日~12月25日
有効回答数:1,019名
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