第78号★やはり金融機関との付き合い方が変わってきている/社長は労働法をこう使え 【税理士 神佐真由美】
今日も開封いただき、ありがとうございます。
本日のメルマガの内容です。
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1.やはり金融機関との付き合い方が変わってきている!
2.おすすめ書籍 社長は労働法をこう使え!
3.活動日記 発信して得ること多し
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1.やはり金融機関との付き合い方が変わってきている!
前回に続き、金融機関まわりのテーマです。
突然ですが、金融機関にどんなイメージをお持ちでしょうか?
あるいは、どんな存在だとお考えでしょうか?
「忙しく仕事しているところにきて、投資信託をすすめられて。それどころちゃうねん」
「月5万円の出金?これな、お付き合いの投資信託やねん。いつでも解約してええねんけど」
こういうふうにお話される経営者さんもあれば、
「いつもお願いしていた外注先が、倒産してしまって・・・困っていたところ、金融機関の担当者が、
その金融機関内部のネットワークを使って、外注先を見つけてくれて、ホンマ助かったんやわ」
「うちの売掛金や在庫の内容を見て、長期借入を当座貸越にしてくれて、資金繰りがスムーズになってよかった」
このようなお話をされる経営者さんもいらっしゃいます。
金融機関の存在って、その人その会社が受けているサービスによって、
ずいぶん印象が違うものだなと思います。
(税理士もそうかもしれませんが・・・(;’∀’))
どちらが本来の金融機関の役割なんだろう。
そして、どう付き合うべきなんだろう。
日々の仕事で金融機関の方々とやり取りすることも多く、考えさせられることがあります。
先日、TKC近畿京滋会 金融機関 新年交流会に参加してきました。
毎年ある行事なのですが、最新の情報を得られるだけでなく、
京都・滋賀を中心に金融機関の方も多く来られますので、交流を深めることができる貴重な機会です。
毎年、講師をお招きして、金融機関と税理士が共有しておくべきことを確認します。
今回は、金融庁参与の森俊彦先生(日本動産鑑定会長)。
「地域経済活性化のための金融機関と税理士の連携とは」
森先生は東大卒の元日銀の超エリートな方ですが、
日本経済を支えているのは、中小企業であるという強いご認識から、
中小企業の実情には細かく目配りをされており、
金融はそもそもどんな役割をすべきなのか?突き詰めておられる方です。
あちこちで講演もされますし、中小企業の社長のご相談に自ら乗られていることもしばしば。
一方で、様々な金融機関でも研修・指導をされています。
私も、3年前に、その当時支援していたお客様のことも相談したことがありました。
詳細なメールとお電話までいただき(しかも、とってもスピーディ)
とてもお忙しい方なのに、アドバイスをいただきました。
その一連のやりとりでも、使命感からくるパッションを感じました。
以前、金融検査マニュアルが2019年12月に廃止されたことを取り上げました。
第74号★金融検査マニュアルがなくなるってどういうこと?
https://mail.os7.biz/b/JaJ8/1185616
第75号★金融検査マニュアル廃止によって、資金調達はこう変わる!
https://mail.os7.biz/b/JaJ8/1188371
金融検査マニュアルの廃止を、当時の森信親金融庁長官に提言したのは、森先生です。
森先生は、講演のなかで、こうおっしゃいました。
金融検査マニュアル廃止の真意は、
『金融機関がまずもって向き合うべきは、金融庁やこのマニュアルではなく、
中小企業経営者である』ということなんだ、と。
つづいて、
金融機関が、金融仲介機能(簡単にいえば、必要なところに必要なお金を融通すること)を
十分に発揮して、中小企業の元気を引き出すことができれば、
地域が活性化して、金融機関は健全性が確保できるし、
持続可能なビジネスモデルの実現へと『好循環のループ』ができると。
そうなった段階で、投資信託で資産形成を促すことも可能になるし、
保険や他の商品を販売しても喜ばれる。
中小企業を元気にすることが、まず、スタートであるべきだ。
多くの中小企業は、少子高齢化や人手不足などの非常に厳しい状況のなかでも、
日夜、果敢に挑戦し事業リスクを取っている。
金融機関が担保や保証をいくらとっても、
中小企業が挑戦している事業リスクそのものは、減らない。
金融機関は、今こそ、中小企業の経営者としっかり向き合って、
融資をして終わりなのではなく、伴走支援をしていくべきだ。
そのためには、税理士をはじめとした企業に寄り添っている専門家と「がっちり」連携をし、
一緒に中小企業の元気を育てていくことが、絶対に必要。
あとは、それからだ!と。
読んでいただいている方は経営者の方が多いので、経営者目線でまとめると。
・しっかり自社の事業と向き合ってくれる金融機関と付き合おう
・「よく見せよう」という努力よりも、透明性の方が大事。
積極的に開示した方が支援しやすいし、支援できる方に風が吹いている
・長期の証書貸付で運転資金を調達するのは長期的に無理がある。
運転資金を把握して、専用当座貸越など短期継続融資に切り替えられるように要望を。
(定期的な借換えが必要・資金繰り悪化の一因であった)
・経営者の金融リテラシーを上げましょう!
おすすめ動画
「中小企業経営者の金融機関との付き合い方と眼力強化」
—取引先企業に向き合う本気度で差が広がる金融機関—
https://www.smrj.go.jp/event/t_seminar/frr94k0000009pzs.html
・税理士を活用して、がっちり連携をしてもらいましょう!
・ローカルベンチマークの非財務情報をまとめておきましょう!
自ら「見える化」「見せる化」の時代です。
ローカルベンチマークとは
https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/locaben/
税理士としては、このような取組みができるように、
がっちり連携の一端を担う役割が期待されていて、
私たちの仕事も、大きく変わっていきそうです。
(すでに、がっちり連携をしていかないと進まないこともあり、そう強く実感しています)
こういう変化を知らないことは、そのままお客様のチャンスを奪うことになりかねません。
しっかりキャッチアップして、実務に落とし込んでいきます。
2.おすすめ書籍
社長は労働法をこう使え! 向井 蘭 著
https://www.amazon.co.jp/dp/4478017042/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_maZpEbBBEZM92
弁護士さんによる著書。
2012年の本で、少し古いです。それ以降働き方改革を含めて状況は大きく変化をしています。
しかし、経営者であれば最低限知っておきたい労働法の基礎・労働問題への対応方法を多くの事例とともに解説してあります。
★手に取ったきっかけ
今通っている講座での課題図書であること
「人のことをおいては経営は語れない」と経営者の皆さんのお悩みを聞いて心底感じたため
自分の事務所でも、労働まわりを整備しようとしていて、働く立場としても知っておきたいと思ったため
★おすすめポイント
網羅的かつ、わかりやすいです。
・労働組合との交渉にはどう対応するか。
・トラブルになった場合の対応法や、そもそもトラブルが起こらないためにはどうしたらよいか。
・採用の時点で気を付けるべきことはなにか。履歴照会は必ず行う、など。
特にモンスター社員やぶらさがり社員にどう対応するか、現実味ある対応法が書かれているのが興味深いです。
まず労働問題に関連する法律(これを労働法と総称するそうです)を、現場目線でわかりやすく知りたいという方にはよいと思います。
先述したとおり、少し古いため、最新の情報も併せてキャッチアップしておくとよいかと。
(ご参考)
最新版 労働法のしくみと仕事がわかる本 向井 蘭 著
https://www.amazon.co.jp/dp/4534056745/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_hiZpEbJ6K5YY6
こちらは2019年の本で、働き方改革にも対応済みです。
3.活動日記 発信してみて得ること多し
先述の金融機関との新年交流会のことをFacebookに掲載しましたら、
ある方から友達申請があり、メッセージのやりとりで、あるサイトを教えていただきました。
「貴重な情報がたくさんあるから、毎日読むことをおすすめしますよ」と。
多胡秀人(たごひでと)、「芸のない旅芸人」の独り言
地方創生との関連で地域金融の改革に注目が集まり、金融行政も金融機関の健全性から地域に対するコミットメントという視点に変わっています。
地域金融の本質を発信します。
https://tabiblog.net/
毎日地域金融について発信されていて、コメントには、元金融機関のトップの方や、「捨てられる銀行」の橋本卓典さんなど、
名だたる方が実名で責任ある投稿をされている、貴重な情報満載のブログでした。
また、毎日追いかけるサイトができました。
発信してみるって、本当に得るものが多いなと実感しました。
サボってる場合ではありませんでした(;^_^A
今日のメルマガは、以上です。
今回もお読みいただき、ありがとうございました。
よき週のスタートをお迎えくださいね!
神佐 真由美
このメルマガの内容の転載は、大歓迎です。
大阪産業創造館で、あきない・えーど登録専門家(財務・会計部門)をしています。
(令和2年度も継続予定)
https://www.sansokan.jp/akinai/consult/spe_list.san?H_SPE_ID=1449&H_PRO_NO=4
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