税理士 神佐真由美が毎週発信する、会社経営や、家庭経営、そして、人生の経営にちょっと役立つメルマガです。 税務や会計を中心に、日々の仕事での気づきを混ぜながら。

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第239号★保証料率の上乗せにより経営者保証を提供しないことを選択できる信用保証制度等が開始されました/罰ゲーム化する管理職/見守ってくださる方のいるありがたさ【税理士 神佐真由美】

2024年04月15日

こんにちは!
税理士の神佐真由美です。
今日もご開封いただき、ありがとうございます。

本日のメルマガの内容です。

-----------------------------------------------

1.保証料率の上乗せにより経営者保証を提供しないことを選択できる信用保証制度等が開始されました
2.現在&これから公募の補助金
3.おすすめ書籍  罰ゲーム化する管理職
4.セミナー&イベント情報
5.活動日記 見守ってくださる方のいるありがたさ

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1.保証料率の上乗せにより経営者保証を提供しないことを選択できる信用保証制度等が開始されました


金融機関からの融資を受けている、これから受けようとしている事業者様向けの新しい情報です。
(3月15日公表)


中小企業庁HPより

保証料率の上乗せにより経営者保証を提供しないことを選択できる信用保証制度等を開始します
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2024/240315.html

このような発表がありました。

"法人である中小企業者が、一定の要件を満たした場合に、

保証料率の上乗せを条件に保証人による保証を提供しないことを選択できる信用保証制度等を創設し、

2024年3月15日から取扱いを開始します。"


どのような動きかというと、

中小企業、経営者、金融機関共通の自主的なルールという位置づけの

2014年に作成された、「経営者保証に関するガイドライン」があり、

第77号★連帯保証が要らない?適用できるようにしたい!経営者保証ガイドライン/
https://mail.os7.biz/b/JaJ8/1194204

その後、2022年12月に、「経営者保証改革プログラム」が策定されました。

経営者保証改革プログラムを策定しました (METI/経済産業省)
https://www.meti.go.jp/press/2022/12/20221223006/20221223006.html

第190号★2023年から「経営者保証」が制限されることに!理由なく連帯保証を求められなくなる?
https://mail.os7.biz/b/JaJ8/1558913

スタートアップ起業や創業した企業には、

起業家が経営者保証を提供せず資金調達が可能となるよう、

経営者保証を徴求しないスタートアップ・創業融資を促進。


民間金融機関による融資については、保証を徴求する際の手続きを厳格化することで、

安易な個人保証に依存した融資を抑制するとともに、

事業者・保証人の納得感を向上させるため、監督指針を改正します。

つまり、経営者保証を求める際は、なぜ経営者保証が必要なのか、の説明が必要、となりました。


経営者保証に依存しない融資を進めていこう、という方向へ舵を切っているのですね。


かといって、どんな企業でも、経営者保証は求めません、となってしまうと、

融資のハードルが高くなってしまうことも事実ではあります。

「経営者保証ガイドライン」が定める経営者保証を提供することなく、資金調達を受ける場合の要件は、

①法人・個人の資産分離

②財務基盤の強化

③経営の透明性確保 です。

これらを充たしていれば、経営者保証を解除する取組を徹底してほしいとし、

一方で、経営者保証ガイドラインの要件のすべてを充足していない場合でも、

経営者保証の機能を代替する手法を用いることで、

【経営者保証の解除を中小企業者が選択できる】制度を創設することなどが明記されました。


経営者保証を求めない要件がそろわない段階であっても、

一定の要件を満たせば、経営者保証の解除を選択できる制度が作られた

ということですね。


具体的には、以下の3つの制度が創設されました。

1.事業者選択型経営者保証非提供制度(横断的制度)の創設

信用保証付融資において、一定の要件を備えた中小企業者が保証料率の上乗せを条件として経営者保証を提供しないことを選択できる制度です。

本制度を様々な信用保証付融資に適用することで、経営者保証を提供することなく融資を受けることができます。

一定の要件とは、

①過去2年間、決算書を金融機関に提出していること

②直近の決算で、代表者への貸付金等がなく、役員報酬や賞与などが社会通念上、高額過ぎないこと

③直近の決算において債務超過でないこと または 経常利益+減価償却費がプラスであること

④①及び②を継続する旨の誓約書の提出があること

⑤中小企業者が、保証料の上乗せにより保証人の保証を提供しないことを希望していること です。


要件の満たし方によって、保証料を0.25~0.45%上乗せをすることで、

経営者保証を提供せずに保証付き融資を受けられるものとする制度です。



上記の新しい制度を加速して活用いただくため、

2.事業者選択型経営者保証非提供促進特別保証制度(国補助制度)

が創設されています。


当初3年間(2027年3月末まで)の時限措置として、

上乗せされる保証料率の一部を国が補助する信用保証制度です。

要件は、1と同じですが、保証申し込み日に応じて、0.15%~0.05%に相当する保証料が補助されます。



さらに、

3.プロパー融資借換特別保証制度

が創設されます。

基本的に経営者保証を求めない、とすると、貸しにくくなるのは想像できると思います。


保証を求めない取組による信用収縮を防止し、民間金融機関における取組浸透を促すために、

例外的に、既往のプロパー融資(保証協会の保証がない融資)(経営者保証あり)から

信用保証付き融資(経営者保証なし)への借換を認める保証制度が時限的に創設されます。


このような借換は基本的にできなかったと思うのですが、

経営者保証を求めない動きによって、保証協会の保証がない融資がしにくくなるであれば、

中小企業に資金が流れにくくなってしまいます。

それを防ぐのに、一定の要件のもと、信用保証付き融資(経営者保証なし)への借換を認めるものです。


この3つの制度が新しく作られたものになります。

まずは、自社の融資が、経営者保証があるのか・ないのか

あるとすれば、要件はどのくらい満たせているか、どの制度が使えそうか、など、確認してみてくださいね。


このように少しずつ変わっていく金融環境ですが、

10年前から比べると、ドラスティックに変化してきたように感じます。

ちゃんと情報をとって、アップデートしていかないといけないなと感じました。


今、月に1度、元金融機関の方から、今の中小企業融資について学ぶ場に参加しています。

本来の融資の考え方だけでなく、今使える事業再生の手法など、

参加のたびに新しい情報が提供されるので、なおさらそう思うのです。


大きな流れをおさえつつ、タイムリーによい制度をお客様に使っていただけるよう、

これからもアンテナを張っていきたいと思います。


少しでもご参考になり、お役に立てましたら幸いです。



2.現在&これから公募の補助金

・New!中小企業省力化投資補助金
https://shoryokuka.smrj.go.jp/
中小企業等のみなさまの売上拡大や生産性向上を後押しするため、
IoT・ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品の導入を支援いたします。


・New!中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化などの大規模成長投資補助金 (第1回公募 4月30日まで)
https://seichotoushi-hojo.jp/
補助上限が50億円で、10億円以上の投資が対象となります。


・事業承継・引継ぎ補助金(次回第9次公募 詳細未公開)
https://jsh.go.jp/r5h/
2019 年 9 月 17 日~2024 年 9 月 16日に事業承継をした
事業承継者の新しい取り組み支援(経営革新支援)や、
M&Aにかかる費用の支援(専門家活用型)があります!


・事業再構築補助金(第12回公募 当分後になりそうです)
https://jigyou-saikouchiku.jp/


・ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
(第19次締切はまだこれから)
https://portal.monodukuri-hojo.jp/schedule.html


・小規模事業者持続化補助金(第16回公募 これから公開)
https://s23.jizokukahojokin.info/


・技術開発を支援するサイト(研究開発を支援する補助金など)
https://sbir.smrj.go.jp/index.html


・支援情報ヘッドライン | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
https://j-net21.smrj.go.jp/snavi/index.html


・New!! 令和6年度業務改善助成金(令和6年12月27日まで)
事業場内で、最も低い賃金(事業場内最低賃金)を30円以上引き上げ、
生産性向上に資する設備投資等を行った場合に、その設備投資等にかかった費用の一部を
助成する制度です(最大600万円)。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03.html



3.おすすめ書籍 罰ゲーム化する管理職

罰ゲーム化する管理職 バグだらけの職場の修正法
著:小林 祐児さん
https://amzn.asia/d/iAqPQKt

(本の紹介より)
高い自殺率、縮む給与差、育たぬ後任、辞めていく女性と若手──、
日本の管理職の異常な「罰ゲーム化」をデータで示し、解決策を提案する。
ビジネスの現場を救う"希望の書"!

「管理職の活性化」に悩む経営層にも、現場の管理職にも役立つ、知恵とヒントに溢れた1冊。

・・・・・
──「はじめに」より (一部再編集して抜粋)

今、管理職として働くということが、「罰ゲーム」と化してきている。
日本の管理職に対するこの「罰ゲーム」という比喩は、近年、ビジネスの現場や研究者の間でもしばしば聞かれていたものですが、いよいよ正面から取り上げる必要が出てきました。

この「罰ゲーム化」の影響は深刻です。
管理職ポストの後継者不足、イノベーション不足、部下育成不足、さらには管理職本人のストレス、そして本人の自殺という悲劇的な問題にまで連綿とつながっています。経営・組織の課題の域を超え、「社会課題」とも呼べるものになってきました。

さて、ではこのバグの原因は何でしょうか。
あまり気が付かれていませんが、この管理職の「罰ゲーム化」には、放置すると負荷が上がり続ける、まるでインフレ・スパイラルのような構造が存在します。
ここ10年ほどで現れたハラスメント防止法、働き方改革、テレワークの普及など、新しいトレンドの多くが、管理職の負荷を増やし続けています。

すべてのゲームには、「作り手」がいます。
会社という世界の中で言えば、働く環境やルールを決める側、経営や人事といった人たちです。しかし残念ながら、ゲーム環境の作り手の多くも、この「バグだらけの職場」を放置し続けています。
社長と人事の間、部長と課長の間、事業部門と管理部門の間には、まるで半透明のベールがかかっているように、課題への認識も切実さも噛み合うことなく、すれ違い続けているのです。これが実は、「罰ゲーム化」の根本的原因です。

このゲームは、本当のゲームのようにやり直しがききません。
人生もキャリアも一度きりであり、リセットボタンは存在しません。
雇用や組織の研究者の端くれであり、端くれらしく民間企業のビジネスの現場に近いところで研究している身として、この状態を放置することはできません。だからこそ、この本は書かれました。
様々な方にとって本書が、この問題を真剣に考え、議論し、行動を起こす助けになれば、筆者としてこれ以上の幸せはありません


★手に取ったきっかけ

なかなか管理職になってくれる人がいなくてね~
責任を取りたがらない人ばかりで・・・
管理職になると、自分のしたい仕事ができないし・・・

このようなお声をよく聞きます。
管理職とはそんなに嫌なものなのか?
何がそうさせているのか?に興味をもち、手に取りました。


★おすすめポイント

・働き方改革が、管理職の負荷を上げる方向に進んでいる。
→時間外労働の上限設定は生産性の向上といった本質的な変化を伴わない。
 改革の対象は、メンバー層のみで、職場全体ではない。

・この問題を解決するアプローチが間違っている。
→管理職の個別スキルを向上させようとする
→負荷が増大した管理職が、部下をコントロールしようとし、部下が指示待ちになる
→さらに負荷を抱えた管理職を見て、人事は、管理職の個別スキルを向上させようとする
 というループにハマっている

・このバグを修正するために
→管理職の部下へのトレーニングを増やす(フォロワーシップ・アプローチ)
→管理職同士のネットワークを構築する
→次世代のリーダーになる候補層を早めに絞り込み、特別な育成やトレーニングを計画的に実施する
 リーダー層は自然には育たない 健全なえこひいきが必要

今多くの職場で起きている管理職の負のループと、
それを修正するための建設的なアプローチが、データの裏付けとともに
よくまとまっていると思いました。

リーダー層が育たたないと、組織は育たないと思っていますが、
それには、リーダーだけへのアプローチでは不完全で、
どんな組織であるべきかも含めた、メンバー層へのアプローチも欠かせないですね。



4.セミナー情報&イベント情報


★大阪産業創造館様 主催セミナー★

6月19日14時~16時30分(仮)製造原価報告書をテーマにしたセミナー
(詳細は後日お知らせいたします)

6月26日14時~16時30分
【はじめての○○セミナー】
きちんと押さえたい!経営者のための資金繰り基礎知識
https://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=43694



★今年も書展に出展します!

【房仙会書展】
4月26日~28日
各日11時~ 26日18時まで 27日17時まで 26日16時まで
房仙会書展@鳩居堂銀座本店

昨年に引き続き、作品を出展することができました。
27日、28日は在廊しております。
お近くの方、お近くにお越しの方、ぜひ観にいらしてください。



5.活動日記 見守ってくださる方のいるありがたさ

先日、TKC近畿京滋会 洛西支部様で、事務所の取組みについて講演の機会をいただきました。

テーマは関与先様のDXにつながる、システムの移行や活用について。

関与先様が見たいものを見せられるような、業績管理ができるようにしよう!ということが大きな目的。


内容のこともそうなんですが、私にとって、今回の講師は特別な思いがありました。

2003年に新卒で株式会社TKCに入社して、配属されたのが京都センターでした。

システムコンサルティンググループという職種で、

税理士事務所を担当顧客として受け持ち、システム活用の提案やサポートを行っていました。


担当支部の一つは、今回講演させていただいた洛西支部。

支部長の大槻先生の事務所は、私の初めての担当先で、

何もわからないところから、(先方がお客様なのに!)たくさんのことを教えてもらい、

ぺいぺいにも関わらず話を聴いてくださり、育てていただいたと言っても過言ではありません。

電子申告第1号をサポートしたことは忘れられない思い出です。


会長の佐藤先生の事務所も担当させていただき、

組織としての事務所づくりを今もたくさん学ばせていただいています。


在職中の2005年に税理士試験に合格し、

2006年末でTKCを退社し、税理士業界に入り、今に至ります。


育てていただいたふるさとみたいな洛西支部で、お話する機会をいただけて本当に嬉しかったです。

「あの頃のかんざさんはツンケンしてたよなぁ!」

(20代のころ・・・ほんとそう思います、何もできないくせに、何でも自分でできると思ってました)

「もう少し前は、私が私がって言う感じやったのが今はそれが取れてめっちゃカッコええなぁ!」


(どちらも佐藤会長からのコメントです^^)


そんなふうに見てくださってたんですね。

ちょっと前(つい最近か?)までは認められたいばかりで、周りが見えていなかったこともあり。

ひとりでできることなど知れていて、みんなの力を活かさないと先がないと実感して

事務所で取り組んできたことをお話できて。

私の成長も見守ってくださってて、このような機会をいただけて

この20年のありがたさを噛み締めて胸がいっぱいになりました。


人はひとりで生きていないし、自分が思ったよりもたくさんの人が見てくれているものだと思いました。

そう思える私は幸せ者です。

しっかり、一層、前に進んでいきたいと思います。みんなで力を合わせて!


本日もお読みいただき、ありがとうございました。

今週も皆さんにとって、

たくさんよきことがありますように!

いってらっしゃい!


  神佐 真由美


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