自走式組織コンサルタントの倉石が、人と業績が同時に伸びる会社づくりのヒントをお伝えしています。

人と業績が同時に伸びる会社づくりのヒント

人と業績が同時に伸びる会社づくりのヒント Vol.66 部下の自発性の基礎は「自己効力感」

2021年11月17日



前回は、「学習性無力感」についてお伝えしました。

自発的に考え、行動しても無駄だ、ということを
上司とのかかわりの中で部下が学習してしまう、という話です。

今回は「学習性無力感」の反対の「自己効力感」についてお伝えします。
部下に自発性を期待するのであれば、
まずこの自己効力感を持ってもらうことがベースとなります。

自己効力感とは、自分に対する信頼感や有能感のことです。
目標を達成できるという自信、
自分が組織に貢献できている感覚。
そういったものを指します。

自己効力感を持てておらず、自信のない状態のまま
自発性を持たせるのは非常に難しいと言われています。
自信がないと怖くて動けないからです。

では、現在自己効力感が低い部下に、
自己効力感を持ってもらうためには何が必要か。

一つ目は、成功体験。
二つ目は、言語的説得です。

具体的な成功体験を積ませたうえで、
「君ってやっぱりこういうこと得意なんだね!」と
本人に能力があることを気付かせる、ということです。

一つずつ解説していきます。

成功体験について大切なことは、
「上司が成功体験をプロデュースする」ということです。

放っておいたら勝手に成功体験を積んでくれた…
そんな部下であれば苦労しません。
上司がプロデュースするのです。

具体的には、達成すべき目標を本人と一緒に設定したら、
それに到達するためのステップ=小目標を具体的に設定します。

小目標は、「行動しさえすれば達成できる」ものが良いでしょう。
そして小目標を達成するごとに褒め、
次の小目標に向かわせるよう励まします。

こうして小目標の達成という成功体験を積ませるとともに、
達成のたびに褒め、
さらに次の小目標達成へ、と導いていきます。


そしてもう一つ、言語的説得によって、
部下本人のセルフイメージをポジティブなものに変えていきます。

一つ、面白い実験があります。

小学校のクラスAにはこう伝えました。「算数の勉強は大事だからやりなさい」
クラスBにはこう伝えました。「君たちには算数の才能がある」
どちらのクラスが、算数の成績が上がったでしょうか?

また、クラスAには「しっかり掃除をしなさい」と伝え
クラスBには「君たちほどきれい好きなクラスは見たことがない」と伝えました。
どちらのクラスが、より熱心に掃除をしたでしょうか?

お分かりのように、どちらもクラスBですよね。

これは「自己成就的予言」と呼ばれる現象です。
人間は「こうしなさい」と指示・命令されるよりも、
「あなたはこういうことができる人間なんだ」と
セルフイメージを変えられた方が、
その方向に向かって動く可能性が高くなる、ということです。

部下育成においては、
小目標の達成という具体的な成功体験と共に、
「君ってこういうことが得意なんだね」
「君のこういう仕事ぶりにセンスを感じるよ」
「君はこういう才能がありそうだ」
と伝えることで、「自分はこれができる」というセルフイメージを持ってもらいます。

成功体験という根拠があるため、
この新たなセルフイメージを受け入れやすいのです。


このようにして、部下の自己効力感を育むことが、
自発性を引き出す基礎となります。


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(編集後記)

トイレでこんな貼り紙を見たことがありませんか?
「いつもきれいにお使いいただきありがとうございます。」

これも、自己成就的予言の力を
上手く使った貼り紙ですね。

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