人と業績が同時に伸びる会社づくりのヒント Vol.86 理念浸透の取り組みが頓挫する理由
「理念を浸透させたい」
多くの経営者から頂く相談です。
そして、多くの会社で、途中で頓挫する取り組みです。
これがなぜ起こるのか？が今回のテーマです。
結論から申し上げますと、
「理念を浸透させる」というのがあまりにも曖昧だからです。
例えば、「やせたいんです」という相談を考えてみましょう。
これに対する打ち手は、無限にあります。
食事制限、ランニング、筋トレ、ジム、ヨガ、糖質制限、などなど…
どの打ち手を選ぶべきかは、目標によって全く異なります。
半年間で3キロ痩せたい場合と、
1カ月で5キロ痩せたい場合では、
取るべき打ち手は違います。
筋肉質でほっそりした身体になりたいのと、
とにかく脂肪を落としたいのとでも、
取るべき打ち手は違います。
そうだとすると、
「痩せたいんです」という相談に対して、いきなり
「じゃあランニングがいいよ！」という答えではなく、
「いつまでに何キロ痩せたいの？どんな痩せ方をしたいの？」
という目標をハッキリさせるべきでしょう。
翻って、今日のテーマである「理念浸透」。
「理念を浸透させたい」と思ったときに、
「朝礼で唱和するのはどうか？」
「評価制度に入れてみては？」
「壁に貼ってみては？」という打ち手から入るのは
良くないということが分かりますね。
重要なのは、
「いつまでに、どの状態を目指すのか」。
それによって取るべき打ち手が変わってきます。
例えば、半年後までに、理念を全員が暗唱できるようになっている。
1年後までに、スタッフに「今週、理念に基づいてどんな行動をしたか？」と聞いた時に答えられるようになっている。
2年後までに、スタッフ間のコミュニケーションの中で理念やビジョンの話が出ている。
など。
そうだとすると、最初の半年は朝礼で唱和することで暗記してもらおう、
次の半年は、毎週のミーティングで発表してもらう取り組みをしよう、
次の1年は、会議の冒頭で毎回〇〇するようにしよう、
など、
いつまでにどの状態を目指すのか？を明確にすると
それに向けた取るべき打ち手が明確になります。
目標と打ち手が明確になれば、
それが達成できたかできていないか、
達成できていない場合は、
打ち手が悪かったのか、それを徹底できなかったのが悪かったのか、
検証できるようになります。
これをせずに、漠然と「理念を浸透させよう」
としか決めないために、
取り組みが頓挫し、忘れ去られることになる。
そんな風に考えています。
あなたの会社ではどうですか？
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