人と業績が同時に伸びる会社づくりのヒント Vol.98 人と人は違う
Vol.96のメールでは、いいチームを作る大・大・大前提として、
1.人と人は違う、という大前提をみんなが持つこと
2.強みを活かせる仕事をしてもらうこと
3.リーダーが基準を示すこと
という3つを挙げました。
今回は、1番、「人と人は違う」について
もう少し深堀りしてお話ししたいと思います。
人と人は違う、と一口で言っても、その違いは様々です。
年齢、性別、国籍、信条、言語、好み、環境などなど…
その中でも、チーム作りをする上で私が大切にしている、
3つの「違いポイント」について、
その見つけ方も併せてご紹介します。
1.効き脳
効き手・効き目のように、
脳にも無意識に反応する思考の癖があります。
論理的・理性的なAタイプ、
堅実・計画的なBタイプ、
感覚的・人情派のCタイプ、
直感的・冒険的なDタイプ。
私たちはついつい自分を物差しにして、
「自分にとって簡単なことは、他人にとっても簡単に違いない。
こんなこともできない〇〇さんはやる気がないか能力が低い」
と思ってしまいがちです。
この効き脳の考え方を持っていると、
「自分はAが強いから論理的に考えるのは簡単にできるけれど、
Aが弱い〇〇さんには難しいことかもしれない。」
と考えることができます。
つまり、違い=間違いではなくなります。
効き脳診断をして、その結果をお互いに共有することで、
強み弱みに合った仕事を割り振ることはもちろん、
お互いにやさしくなることができます。
2.価値観
人が大事にしていることは様々です。
楽しさを大事にする人、
創造性があることを大事にする人、
貢献を大事にする人、
達成を大事にする人、
安定を大事にする人、
100人いれば100通りの価値観があります。
どれも間違いではありません。
ただ、無意識でいると、
「あの人は真面目に仕事するばっかりで、いったい何が楽しくて生きているんだろう」とか
「あの人って、全然達成意欲がないみたいで困るよ」とか
違い=間違いになってしまいます。
自分の価値観を明確に言語化していない、
そして他人の価値観も覗いたことがないからです。
私は「価値観ババ抜き」というカードゲームを使って
自分の大切にしたいモノ・コト=価値観を言語化してもらい、
お互いの価値観を共有することで
「それもいいよね」と
自分と他者の違いをそのまま受け止める機会を作っています。
3.行動スタイル
効き脳や価値観が違うのはもちろんなのですが、
それをどのように行動に移すのか、という行動スタイルにも違いがあります。
行動スタイルには以下の3つがあり、
それぞれについて、強い~弱いがあります。
・自己表現性…自分の感情を「他人に発信したい」というエネルギーの強さ
・自己主張性…自分の考えや意見を「他人に受け入れてほしい」というエネルギーの強さ
・柔軟性…自分と異なる考えや状況、行動を受け入れようとするエネルギーの強さ
私はこれを簡単なチェックシートと
仮想体験ゲームによって実感してもらい、
相手の良さをどうやったら引き出せるのか、考えてもらいます。
このような様々な違いは、
「何となく」ではなく、
「数値」や「言葉」で明確に見えるようにすることがポイントです。
見えるようにすると、お互いの違いが理解できます。
違いが理解できると、
変に期待したり、
「何で?」という誤解が生まれたり、
他者に自分の思いを押し付けたりすることが減ってきます。
そして、違うからこそ、分かる言い方で伝えようと努力できます。
「人と人は違う」ことを理解し合ったチームにいるのは、
とても心地よく感じます。
あなたのチームは、いかがですか?
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