人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.224 それって買っちゃダメですか?
早さに驚いた…
続きは編集後記で。
先日、ある会社の経営会議で
こんな声が挙がりました。
B事業部長「この前、A事業部でモニターを10台も買ってましたよね。
あれ、必要なんですか!?」
A事業部長「あれはうちのC課長が
社長に相談して買ったって言ってましたよ」
社長「やっぱりモニターがあった方が仕事の効率が上がるって言うから」
B事業部長「いや、そっちの部署なんて、昼間しょっちゅう外出してるじゃない。
全員分はいらないと思うんだけど…」
社長「いやいや、結構昼間もPC仕事してるよ。
効率が上がれば、モニター代なんてすぐに回収できるよ」
B事業部長「いや~、3台買ってそれを共有するとか、工夫できるんじゃないですか。
C課長って無駄にお金を使いたがるのよね」
…さて、皆さんは、
この議論についてどう思いますか?
解決すべき問題は何でしょうか?
「A事業部にモニターが10台必要か」
というのは、本当の問題ではありません。
その問題を生み出した「構造」こそが、
解決すべき問題です。
いつもの氷山モデルで考えてみましょう。
氷山モデルとは、
問題を捉える際の「視点の深さ」を
4段階で示すものです。
表面にあって注目されやすい「できごと」
できごとの起こる中長期的な傾向である「パターン」
パターンを生み出す「構造」
さらにその構造の前提にある「メンタルモデル」に
分けてとらえます。
=============
「できごと」
何が起こったのか?
=============
「パターン」
どんなパターンなのか?
繰り返し起こっていることは何か?
=============
「構造」
何がパターンを引き起こしているか?
どんなメカニズムになっているのか?
=============
「メンタルモデル」
どんな思い込みがあるのか?
何がそうさせているのか?
=============
この事例では、こんな具合です。
できごと:A事業部が10台もモニターを買った
パターン:C課長が社長に相談して購入する
構造:決裁者と決裁権限が明確になっていない
メンタルモデル:社長がなんでも決めることができる
問題はモニターの要否ではなく、
何かを買うときに
誰が決裁すべきなのか、いくらまで決裁できるのか。
これが明確に決まっていないことがこの会社にある「構造」でした。
この構造をそのままにしておくと、必ず
また同じような問題が繰り返し起こります。
そこで、この会社では、
決裁権限と決裁ルート、つまり、
事業部長はいくらまで決裁できる、とか、
事業部長を通さずに直接社長に決裁を仰いではいけない(その場合は社長は突き返すこと)、
といったルールを明確にしました。
大企業では当たり前にあるこうした仕組みも
中小企業ではほとんどない場合があります。
いつもお伝えしている組織作りの公式、
人材力×組織力×関係力
で言うと、
組織力が弱いのです。
組織力が弱いことは、
関係力に影響を及ぼします。
つまり、
「いつもC課長は無駄遣いをする…」
とC課長を責めるようなB事業部長の発言は
まさにその典型です。
皆さんの会社では、
「できごと」ではなく「構造」をとらえる議論を
することができていますか?
この「氷山モデル」の考え方を使って
組織作りがよく分かるセミナーを開催します。
2024年、忙しすぎて全く自主セミナーを開催できなかったので
久々のこの機会に是非どうぞ!
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(セミナー情報)
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(編集後記)
先日、私が使用しているWeb作成ツールについて
問い合わせフォームから質問を送ったところ
1時間以内に返信が来て非常に驚きました。
メールを読んでみると、
AIによる自動回答を行っているとのこと。
早いうえに、内容も的確で驚きました。
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