人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.259 他社の成功事例を真似し続けたら社員に詰め寄られた話
お祭り好きの血は…
続きは編集後記で。
先日、ある経営者からこんな話を聞きました。
その会社は従業員100名程度の製造業で、
社長は「最近組織が停滞している」と感じていました。
社長はとても勉強熱心な方で、
ある経営者団体に所属し、
月1回の会合で仲間の経営者と一緒に学んでいました。
「1回の会合で、一つは自社で取り組むことを持ち帰ろう」
そんな意気込みで毎回参加し、
仲間の経営者から
「自社でこんな取り組みをしたらうまくいった!」
という事例を聞いては、自社に取り入れていました。
しかし…懸命になるほど空回り。
毎月のように「これをやろう」という社長の提案に
社員たちは対応に追われ、本来の業務に集中できない状況に。
ついに、社員から「社長は何がやりたいんですか?」
と詰め寄られる事態になってしまったのです。
何が問題だったのか?
この社長の学習姿勢や取り組み自体は、
決して間違っているわけではありません。
実際、どれも他社では成功している施策でした。
しかし、致命的な問題がありました。
それは、自分の会社の状態をよく見ずに、
他社の成功事例を真似していたことです。
詳しく現場を見てみると、こんな状況でした。
・新しい制度が次々と導入されるたびに時間が取られる
・それぞれの制度の目的や関連性が不明確
・社員は「今度は何が始まるのか」と疲弊
・本来の業務品質や効率に影響が出始める
つまり、「良い制度」を導入しても、
「自社に合わない」「一貫性がない」状況では
逆効果になってしまったのです。
結果として、
・社員の混乱と疲弊感が増大
・制度の多くは形骸化、社長への不信感が生まれる
・社員から「何がしたいのか分からない」と詰め寄られる
という事態に陥ってしまいました。
本当に必要だったこと
では、この会社は何をすべきだったのでしょうか?
この社長は、その後気づきました。
他社の成功事例を学ぶことは大切だが、
まず自社の理念や方向性を明確にすることが先決だと。
この会社は現在、方針を大きく転換し、
・自社の理念を明確に定義
・理念に合った施策だけを従業員と一緒に取捨選択
・施策を増やすだけでなく、減らす取り組みも実施
・新しい取り組みを始める前に、既存の取り組みの効果検証
といった「自社に合った改善」に取り組んでいます。
結果として、社員の混乱は収まり、
本業に集中できる環境が戻ってきました。
そして何より、
「会社が何を目指しているのかが分かりやすくなった」
と社員からの評価も上がっています。
この事例が示しているのは、
組織改善における典型的な落とし穴です。
・表面的な症状(停滞感)だけに注目
・本当の原因(理念・方針の不明確さ)を見落とし
・一般的に良いとされる施策(成功事例の模倣)を盲目的に導入
・結果として別の問題(現場の混乱)が発生
このような失敗を避けるためには、
組織改善の正しい原理原則を知ることが重要です。
こうした事例から、組織改善の原理原則を学べるセミナー
「失敗する組織改善と成功する組織改善」を、8/28に実施しました。
セミナー参加者の声
・組織の課題がありすぎてどこから手を付けてよいかわからない状況でしたが、一般論として正しい順序があることを事例を交えて解説していただけて、アプローチのしかたを整理できました。
・失敗例、成功例を交えての講演で、かつ、倉石先生の優しい語り口が良く、すっとお腹に落ちた。経験に基づく話に説得力を感じた。
・失敗事例を含めてのご講演でしたので、理想論ではないリアル感を持つ事ができた。
・組織改善を進めるステップと実際の事例を聞くことが出来てよかったです。
このセミナーのアーカイブを、09/17限定で公開します。
この日であれば、1日中いつでも視聴可能です。
申し込みは前日17時まで。
下記のURLより是非どうぞ。
https://www.kuraishi-mc.com/news/2025-08-30.html
---
(編集後記)
小6の長男がベイブレードXというおもちゃにはまり、
好きが高じて大会を主催するまでに。
実は、私も夫もイベント会社出身。
お祭り好きの血は受け継がれているようです。
----
記事一覧
人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.296 制度を入れたら組織が崩れた。原因は○○がなかったから
助っ人は「孫」… 続きは編集後記で。 ある会社で、こんなことがありました。 社員数約40名の建築系の会社。 社長は「社員の人間力を高めたい」という思いから、 ある評価制
2026年06月17日
人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.295 やってしまいました…ごめんなさい
最近はDが伸びてきた… 続きは編集後記で。 本日は、やってしまった話と、再案内をお伝えしたくご連絡しました。 先日セミナーのご案内をお送りしたところ、 全くお申込みがなく
2026年06月11日
人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.294 自社の組織、どこから変える?
家の中で小躍り… 続きは編集後記で。 今年の3月と6月に、 東京商工会議所の渋谷支部・墨田支部にて、 組織づくりをテーマにした対面セミナーに2回登壇しました。 おかげさ
2026年06月04日
人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.293 Z世代に「これ意味あるんですか?」と聞かれた理由
シーちゃん、命名。 続きは編集後記で。 先日、こんな相談を受けました。 管理職が若手社員と毎月1on1を実施している会社。 上司と部下の仲は良好。 でも、ある日Z世代の若手
2026年05月26日
人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.292 「Z世代がすぐ辞める」のは、彼らの問題じゃない
新しい家族… 続きは編集後記で。 経営者とお話していると、こんな言葉を時折耳にします。 「最近の若い子は、成長意欲がない」 「やる気がない」 これって本当でしょうか?
2026年05月19日
人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.291 他社で効いた薬が、うちで効かない理由
雨の日が好きな理由… 続きは編集後記で。 経営者の勉強会や交流会に積極的に参加し、 他社の取り組みを学んでは自社に取り入れる。 そんな熱心な社長がいました。 「あの会社、
2026年05月13日
人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.290 エンゲージメントサーベイが無駄になる会社
クリーニングに出せない… 続きは編集後記で。 最近、エンゲージメントサーベイ(従業員満足度調査)を導入する会社が増えています。 「うちの社員は今、どう感じているんだろう?」
2026年05月07日
人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.289 組織の問題は「肩こり」と同じ!?
なんでそっちは大丈夫なのか… 続きは編集後記で。 私は昔から、肩こりに悩んでいました。 デスクワークの合間に肩を揉んでみる。 ストレッチをしてみる。 一時的には楽になるの
2026年05月01日
人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.289 評価制度は「評価制度」から始めると失敗する
ぶり返してしまった… 続きは編集後記で。 「社員のモチベーションを上げるために、ちゃんとした評価制度を作りたい」 「公平な査定ができる仕組みを導入すれば、みんな納得して動くは
2026年04月22日
人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.288 Z世代の特徴は「チル&〇〇」
小さな気づき… 続きは編集後記で。 「Z世代は、何を考えているのかわからない」 「プライベート優先で、仕事に対するガッツを感じられない」 もし、あなたがそう感じているとし
2026年04月16日
人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.287 「採用は人事の仕事」という他責の壁を壊す
最近ハマっているものは… 続きは編集後記で。 先日ご案内した採用・定着デザインセミナーですが、 続々とお申し込みをいただき、ありがとうございます。 各回ともお席に限りがあり
2026年04月08日
人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.286 選ばれない求人票の共通点
ものすごい肩 …続きは編集後記で。 あなたの会社の求人票に、こんな言葉が入っていませんか? 「アットホームな職場です」 「風通しが良いです」 「人を大切にする会社です」 も
2026年04月01日
人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.285 立候補者が0名から15名に変わった話
やっちゃいますよね。 …続きは編集後記で。 「うちの社員は言われたことしかやらない」 「もっと主体的に動いてほしい」 そんな悩みを本当によく聞きます。 社員の主体性は、
2026年03月25日
人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.284 採用がうまくいかないのは、採用の問題ではありません
やっぱりすごかった… 続きは編集後記で。 突然ですが、こんな場面に心当たりはありませんか? ・せっかく採用した人が、半年も経たないうちに辞めてしまう。 ・現場からは「今年
2026年03月25日
人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.283 辞めるなんて、一言も言ってなかったのに
幸せ… 続きは編集後記で。 「突然辞めるって言い出したんです ……あんなに順調そうだったのに」 先日、ある経営者の方が、肩を落としてそう仰っていました。 期待の新入社員
2026年03月18日