人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.215 自分で判断できない管理職
あれ、もう?
…続きは編集後記で。
先日、ある経営者からこんなご相談をいただきました。
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管理職に権限を渡していきたいので、
「自分で判断していいんだぞ」と日頃から伝えています。
しかし、いつまでたっても
私が判断しなければいけない状況が変わりません。
特に、複数部署が関わることになると
私が間に立って調整しなければいけないんです。
管理職が判断できるようにするためには
どう育てたらいいんでしょうか?
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これ、社長の言葉尻だけをとらえると、
「管理職を育てよう!」という話になるのですが
本当にそれが問題なんでしょうか?
問題の原因は別にあるのでは?と思い
ヒアリングを重ねていきました。
すると、こんなことが分かってきました。
会社では様々なミーティングが行われている。
各部内でのミーティングはもちろん、
A部とB部、B部とC部など、
連携が必要な部署の間で実施しており、
社長はほぼすべてのミーティングに出ている。
ということでした。
原因は、社長だけがすべての情報を知っている、という
情報の偏りでした。
これも、いつもの氷山モデルで説明することができます。
氷山モデルとは、
問題を捉える際の「視点の深さ」を
4段階で示すものです。
表面にあって注目されやすい「できごと」
できごとの起こる中長期的な傾向である「パターン」
パターンを生み出す「構造」
さらにその構造の前提にある「メンタルモデル」に
分けてとらえます。
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「できごと」
何が起こったのか?
=============
「パターン」
どんなパターンなのか?
繰り返し起こっていることは何か?
=============
「構造」
何がパターンを引き起こしているか?
どんなメカニズムになっているのか?
=============
「メンタルモデル」
どんな思い込みがあるのか?
何がそうさせているのか?
=============
この会社では、こんな具合です。
できごと:管理職が判断できない
パターン:部署間の問題の判断や調整が難しい
構造:情報の全体像を管理職がつかめる仕組みがない
メンタルモデル:社長に依存する
「自分で判断してもいいんだから、もっと管理職の自覚を持って!」というのは
メンタルモデルへの働きかけです。
ただ、構造を変えないままメンタルモデルだけを変えるのは
非常に困難です。
(人によっては、できる人もいると思います)
構造にアプローチする、つまり
全部署の管理職が情報を共有できる仕組みを作ることが
必要です。
それは会議かもしれないし、
情報を集約したデータベースかもしれませんが、
この構造を変えることで、
自分たちが把握できる情報が多くなり、
判断できることが増え、
結果的に社長依存のメンタルモデルが変化していきます。
私はいつも、こんな風に組織を見ています。
できごと(お悩み)をお聞きするとき、
常に「それを引き起こしている構造は何だろう?」と考えています。
この視点を持たずに
できごとやメンタルモデルに対応し続けていませんか?
あなたの会社では、どうですか?
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(編集後記)
あっという間に寒くなり
2025年の足音が聞こえてきました。
この前2024年になったばかりなのに…
と思っているのは
私だけでしょうか?
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