自走式組織コンサルタントの倉石が、人と業績が同時に伸びる会社づくりのヒントをお伝えしています。

人と業績が同時に伸びる会社づくりのヒント

人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.222 部長らしくなってくれないのは〇〇がないから

2025年01月24日



かけてみたら…
続きは編集後記で。


先日、経営者からこんな相談を受けました。


「1年前に営業部長に昇格させたAさんが、
全く部長の動きをせずに、
プレイヤーのままでいるんです。
どうやったら部長らしくなってくれるんでしょうか?」

私「なるほど。
部長らしく、とおっしゃいましたが、
営業部長の役割や責任は、明確になっていますか?」

「えーと…職務分掌規程はありますが…。
でも、部長にもなったら、自分で学んでほしいんですよ。
勿論、新入社員や若手には研修や教育を提供します。
でも、部長クラスは自分で考えて自分で学んでほしいんですよね」



…さて、「部長であるなら、自分で学んでほしい」
というのは、気持ちは分かる気はしますが、
これって可能なんでしょうか?

ここで、「部長になったらマネジメント研修を受けさせましょう!」
というのは、あまりにも短絡的な解決策です。

この経営者に、私はこのようにお伝えしました。


「なるほど、自分で学んでほしいんですね。
学ぶ部分は自分でできるかもしれませんが、
上司であるあなた(経営者)が
やらなければいけないことは2つあります。」

一つは、役割・責任の定義をすること。
もう一つは、フィードバックすることです。

これは、"自分でやれ"というのはあまりに無茶な話です。」


解説しましょう。

役割・責任の定義とは、
・営業部長の役割は一体何なのか?
・どんな成果を出す責任を負っているのか?
を明らかにすることです。

これが具体的になっていなければ、
富士山に登ってほしいのに
「とりあえず高いところへ行って」と言っているようなもの。
これでは、望む動きをしてくれるはずがありません。


次に、フィードバックは、
役割・責任に照らし合わせた時、
果たすべき役割・責任に対して
どの程度遠くにいるのか?を本人に伝えることです。


フィードバックとは何か?を少し解説しておきましょう。

Googleで検索すると、
「フィードバックとは、相手の行動に対する改善点を伝え、修正を促すことです。」
「相手の考え方や実際の行動に対して指摘や評価を行うことです」
と書いたサイトが上位に出てきますが、
本来の意味を考えれば、これは違います。


フィードバックの語源は、
戦闘訓練などで大砲を撃った際、
砲弾の着弾地点が目標からどの程度ずれているか、
射手に伝えること、なんだそうです(所説あるかもしれません)。

つまり、目標に対して現在どこにいるかを
客観的に伝える、ということです。


フィードバックをすることで、
自分の行動や状態を客観視し、知ることができます。
例えば、ダンスの練習をするとき、
鏡がなければ自分のポーズが正しい姿に近いのか
全く違うのか
判断することが非常に難しい。

鏡というフィードバックがあることによって、
「右手が下がっているな」などと判断することができます。

つまり、現在地とあるべきところのギャップを知ることで
目標に向かって正確な方向に進むことができるのです。



マネジメント行動は鏡に映すことができませんから、
誰かがその役目をする必要があります。

つまり、営業部長の役割・責任を明確に定義した後、
「この点については責任を果たせているね」
「この点については、全く責任を果たせていないように見えるよ」
などと、上司から見た客観的な姿を伝えます。

そうすることで、あるべき姿のギャップを知って
修正していくことができるのです。


この話を聞いてくださった経営者は、
役割・責任を一緒に言語化し、
営業部長とじっくり話しながら内容を伝え、
その後も1か月に1回のペースで
1on1を行い、その中でフィードバックを行っているそうです。

後で聞いた話ですが、
「営業部長の役目は果たしたいと思っていたが
一体何をすればいいのか分からなかった」
と語っていたそうです。

それを明確にし、行動してもらったことに対する
フィードバックを重ねることで、
あるべき姿に近づいているということです。



この"フィードバック"を含めた
1on1のすべてが学べる
1on1マネジメントスクールを運営しています。

次の募集は5月頃の予定ですが、
それに先立ってセミナーを実施しています。
ご興味のある方は是非どうぞ!


---------------
(セミナー情報)
「1on1無料実践セミナー」
私が携わっている1on1マネジメントスクール主催の無料セミナーです。
私は登壇しませんが、
1on1面談9ステップメソッドに基づいた
具体的な1on1面談ノウハウをお伝えします。

2月22日(土)10:00~12:00
Zoom開催・無料です。
https://1on1cs.jp/seminar/clp/1on1seminar/

申し込みの際、
備考欄に「倉石からの紹介」とお書きいただけると嬉しいです!

---------------
(編集後記)

最近、お仕事で宇都宮に行った際
「かける餃子」をお土産に買ってみました。

ご飯にかけてみたら、たしかに餃子!
美味しかったです。

---------------


記事一覧

人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.224 それって買っちゃダメですか?

早さに驚いた… 続きは編集後記で。 先日、ある会社の経営会議で こんな声が挙がりました。 B事業部長「この前、A事業部でモニターを10台も買ってましたよね。 あれ、

2025年02月05日

人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.223 経営陣の意識改革はどうやったらできる?

三種の神器は… 続きは編集後記で。 「ボトムアップの組織にしていきたいんだけど 経営幹部を含め、部下から何も意見が出てこない」 「部長たちには もっと経営視点で考えて

2025年01月30日

人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.222 部長らしくなってくれないのは〇〇がないから

かけてみたら… 続きは編集後記で。 先日、経営者からこんな相談を受けました。 「1年前に営業部長に昇格させたAさんが、 全く部長の動きをせずに、 プレイヤーのままでいる

2025年01月24日

人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.221 昨年好評だったメルマガベスト6~10

何を食べても… 続きは編集後記で。 前回の「昨年好評だったメルマガベスト5」は お読みになりましたか? https://mail.os7.biz/b/xzgb/1839

2025年01月17日

人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.220 昨年好評だったメルマガベスト5

総勢16名が… 続きは編集後記で。 あけましておめでとうございます。 皆様、どんな年末年始を過ごされたでしょうか。 今年最初のメルマガは、 毎年恒例、2024年によく読ま

2025年01月08日

人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.219 2024年の締めくくりに

まだある… 続きは編集後記で。 今年も1年間、メルマガにお付き合いいただき ありがとうございました。 1年の締めくくりに、活動のご紹介を兼ねて 振り返りと感謝のメッセージ

2024年12月26日

人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.218 1on1がもたらすもの

悩みは一緒… 続きは編集後記で。 半年前から1on1の導入を サポートしている企業があります。 その企業の課題は、一言で言うと 「人が育たない」ということ。 始め

2024年12月19日

人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.217 それって、コミュニケーションの問題ですか?

セミナーで… 続きは編集後記で。 会社内で、人と人との関係性がうまくいかないこと、 よくありますよね。 先に声をかけておけばよかったのに、 突然、〆切ギリギリの依頼をし

2024年12月06日

人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.216 トップの上には〇〇がある

大きすぎて… 続きは編集後記で。 「トップダウンをやめて、 ボトムアップの会社にしたいんです」 っておっしゃる経営者の方に しばしばお会いします。 そんな時、トップダウ

2024年11月27日

人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.215 自分で判断できない管理職

あれ、もう? …続きは編集後記で。 先日、ある経営者からこんなご相談をいただきました。 -------------- 管理職に権限を渡していきたいので、 「自分で判断し

2024年11月21日

人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.214 揉めに揉めた会議

Youtubeと首っ引きで… 続きは編集後記で。 先日、人的資本経営を実践している企業の お話を聞く機会がありました。 中小企業でありながら、 様々な取り組みをして

2024年11月14日

人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.213 その目標、逆効果ではありませんか?

ものすごい剣幕でのクレーム! …続きは編集後記で。 ある製造業の会社の経営者から、 こんなお話をお聞きしました。 「うちの社員は、すぐにさぼりたがるんです。 この前も

2024年11月07日

人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.212 若手を採用できる秘訣は「〇〇を活かす」

突然やってきた… 続きは編集後記で。 先日、 「若手の採用定着がうまくいっている!」という 従業員50名程度の企業の 若手社員のお話を聞く機会がありました。 なぜこの

2024年10月30日

人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.211 会長に困ってます…

なぜか調べてしまう… 続きは編集後記で。 中小企業のあるあるシリーズ。 父親が創業した会社で、 父親が高齢になったため自分が社長になったが、 会長に退いた父親が口を出し

2024年10月16日

人と業績が同時に伸びる会社づくり Vol.210 コミットメントを高める方法

こわおもしろい… 続きは編集後記で。 採用難の時代、 業務委託や外注先など、 社外にお願いする機会が増えてきた会社も 多いのではないでしょうか? ある経営者から、こんな相

2024年10月09日

232 件中 1〜15 件目を表示
<<   <  1 2 3 4 5  >   >>