外注(業務委託)人材を活用する3つのハードル
社労士で採用定着士の西野です。
普段小さな会社の社長と話を
していると、雇用契約ではなく、
外注(業務委託契約)で活用でき
ないか?
と聞かれることがあります。
雇用契約のように、労務リスクが
低いというのが一番の理由ですが、
費用的な面も大きいです。
例えば、同じ20万円を支払うにしても
雇用契約の場合、社会保険料が別に
かかります。
会社負担分が約15%なので、
毎月3万円が余分にかかります。
逆に、業務委託の場合だと、
20万円の中に消費税が含まれています。
原則課税の場合に限りますが、
ざっと2万円、消費税の負担を減らす
ことができます。
同じ20万円で、月5万円の差は大きいです。
ただ、外注(業務委託)で人材を活用
するには、3つのハードルがあります。
1つ目は、相手にとって業務委託で
あるメリットがあること。
会社側のメリットである労務リスク。
例えば、忙しさに応じて発注量
をコントロールできたり、
期待外れであるとすぐに契約を打ち切ったり。
当たり前のことですが、相手にとって
デメリットになります。
敢えてそんな契約をしたいという人に
限定されるので、対象者が極めて
狭くなるということです。
2つ目は、雇用契約と活用の仕方が
全く異なるということです。
その一つが、指揮命令が及ばないこと。
言い換えると、仕事の依頼や指示
に対する諾否の自由があることです。
報酬の決め方も雇用契約とは異なります。。
1日いくらという支払い方ではなく、
成果物に対していくら、であったり
金額が一般的な従業員は異なる、ということです。
そして、器具や設備を会社ではなく
本人が負担していることであったり、
御社以外の業務ができない状態で
ないこと、なども雇用契約とは全く異なります。
これらを押さえないと、偽装請負と
判断される可能性があります。
そして、外注(業務委託)を活用する
ハードルの3つ目。
2つ目と全く逆になるのですが、
御社のルール(就業規則)にある
服務規律や禁止事項など、心構え的な
ことを社長が求めても強制力はありません。
それを望むなら、社長に心酔して
自分もグループの一員として恥ずか
しくない言動をします。
と自主的にそうしてもらうことになります。
これらの3つのハードルを乗り越える
ことができるなら、外注(業務委託)
もアリだと思います。
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西野社労士事務所・株式会社チーム力アップ
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