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採用定着のヒント 西野毅

退職金の相場はどれくらい?小さな会社が参考にすべき数値とは

2025年06月18日



社労士で採用定着士の西野です。
ここ最近、退職金制度についてお話し
していますが、今回は「退職金の相場」
について取り上げたいと思います。

■「退職金の相場がわからない…」
という声、多いです

退職金制度はあるけれど、
「うちは相場と比べてどうなんだろう?」
「これから制度を作るにあたって、
金額の目安を知りたい」

といったご相談をよく受けます。

ですが、ひとことで「相場」と言って
も、参考にするデータによって大きく
変わってきます。

■よく紹介されるのは「経団連」の
調査

新聞やニュースなどで紹介されている
のは、経団連(日本経済団体連合会)
の調査結果が中心です。

経団連加盟企業は、大企業がメイン。

そのため、退職金額も高く、
大卒で定年まで勤務した場合、
2,000万円超となっています。

ですが、これは小規模企業にとっては
現実的ではない水準です。

■中央労働委員会のデータも対象が
大きい企業

もう一つ有名なのが、中央労働委員会
の調査です。

こちらも「資本金5億円以上、従業員
1,000人以上」の企業が対象。

同じく平均退職金は2,000万円を
超えています。

やはり、小規模企業にはあまり
参考になりません。

■小さな会社にとって“現実的な相場"
とは?

中小・小規模企業が参考にすべきは、
東京産業労働局のモデル退職金調査
です。

こちらは10~299人規模の企業が対象
となっていて、より実態に近い数字が
得られます。

令和6年のモデル退職金
(東京都産業労働局)
https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/data/koyou/chingin/r6

・高卒で定年退職:
全体平均 975万円
10~49人企業 992万円

・大卒で定年退職:
全体平均 1,150万円
10~49人企業 1,088万円

つまり、1,000万円前後が「一般的な
相場」と見てよいでしょう。

自己都合退職時のモデル金額
・高卒
10年勤務:98万円
20年勤務:288万円

・大卒
10年勤務:112万円
20年勤務:347万円

このあたりも一つの参考になります。

■相場との“認識のズレ"にも注意

一方で、従業員の側は、経団連の
2,000万円といった数字を目にする
機会が多いため、「退職金=そのくらい
もらえるもの」という認識を持って
いることもあります。

そのため、退職金制度を導入・改定
する際には、

「企業規模による違いがある」
「制度設計には理由がある」

といった背景を丁寧に伝えることが
重要です。

退職金制度は、金額だけでなく、運用
のルールや公平性も大切。

従業員との信頼関係を築く意味でも、
しっかりした設計と丁寧な説明が
求められます。

ご不明な点があれば、いつでもご相談ください。

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