退職金制度の導入割合と離職率の関係:定着率向上のカギは?
社労士で採用定着士の西野です。
今回から 退職金制度 について
取り上げます。
■退職金制度は創業時に必要?
クライアントの社長からも 「退職金
制度は導入したほうがいいのか?」
という相談をよく受けます。
私の考えは、
「創業当初は退職金制度なしで
しばらく走りましょう」 というものです。
退職金制度は一度導入すると長期的
な負担になるため、 慎重に制度設計
しないと後々足かせになることも
あります。
そのため、経営が軌道に乗ってから時間
をかけて構築するのが理想的です。
それまでは、社員ごとに個別対応で
問題ありません。
もし経営的に余裕がなければ、支給
しないという選択肢もあります。
とはいえ、長期的に考えると退職金制度
の導入はプラスです。
■退職金制度の導入状況
企業の退職金制度の導入割合は以下
の通りです。
10人以上の企業全体 …… 82.9%
内、30人未満の企業 …… 79%
(出典:独立行政法人労働政策研究・
研修機構「令和元年 企業における
退職金等の状況や財形貯蓄の活用
状況に関する実態調査」)
規模が大きい企業ほど導入率は高い
ですが、小規模企業でも 約8割が
導入しているのが実情です。
■退職金制度と離職率の関係
同じ調査では、退職金制度の有無と
離職率の関係についてもデータが
出ています。
離職率 退職金制度の導入割合
10%未満 86.4%
10%以上20%未満 81.7%
20%以上 67.5%
このデータを見ると、
退職金制度がある企業のほうが離職率
が低いという傾向が明らかです。
■退職金は「社員定着」の強力なツール
退職金制度の主な目的は、
・従業員の生活保障
・モチベーション向上
・優秀な人材の確保・定着
こうした観点からも、制度を整えること
は企業の安定した成長に寄与します。
導入のタイミングや設計のポイントを
押さえつつ、 退職金制度の持つ
「社員定着」の効果を活用していきましょう。
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西野社労士事務所・株式会社チーム力アップ
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