社会保険料控除でよくある大きな間違い
社労士で採用定着士の西野です。
このところ、労務に関する話題が
続いています。
どれも実際によくある話ですので
自社に置き替えていただけると嬉しいです。
今回は、社会保険料を給与から
控除する際に、よくある間違い。
ある社長が、退職する社員から
言われたことです。
給与の締日が15日
支払いが当月末日
その社員は
10月15日(給与締日)に退職。
10月31日支給の給料
(9月16日~10月15日分)から
社会保険料を控除していたところ、
「なぜ10月の社会保険料が
引かれてるんですか?」って。
ネットで調べたようです。
退職日が月末だとその月まで。
月の途中で退職する場合は前月まで。
このあたりがややこしいです。
この人の場合、
10月15日退職なので、社会保険料が
かかるのは9月までです。
だから、10月の給料で社会保険料を
引かれるのはおかしいと。
勘の良いあなたなら、
翌月徴収だからでしょ!
と気づかれるでしょう。
10月の給与で控除する社会保険料は
9月の分。だから問題無し!
今回のケースはそうなのですが、
そう簡単なことではないのです。
社会保険料を
当月の給料から控除、
翌月の給料から控除、
明確に意識していないことが多いんです。
特に、給与の締日が月末でなく、
月の途中に設定している会社が
要注意です。
例えば、今回のように
15日締め、当月末日払い。
で考えてみましょう。
4月1日入社の方の社会保険料は
いつ控除しますか?
5月末支給(4月16日~5月15日分)
の給料から控除します。
この場合は翌月徴収で、
問題は少ないと思います。
4月1日入社の方の社会保険料控除は
4月末支給(4月1日~4月15日分)
で控除。
そうなると、当月徴収です。
では、
4月16日入社の方の社会保険料は?
4月末の給料は無いので、
5月末支給(4月16日~5月15日分)
の給与で控除。
これだと翌月徴収なんですね。
入社日によって、
当月徴収、翌月徴収と
バラバラになっています。
きっちりと管理できるのであれば
いいのですが、人によって異なる
対応をしていると、複雑になります。
今回のように、退職時に社員から
聞かれると、しどろもどろになる
可能性が高くなります。
当月徴収ならば、
4月16日入社の方も、
社会保険料控除は4月末支給で。
でも、4月の給料が無いので、
5月に給料で、2か月分を控除する。
という対応をすることになります。
大切なことは、
当月徴収なのか、翌月徴収なのか、
明確にするということです。
これ、ホントに意識していない社長が
多いんです。
-----------------------------------
西野社労士事務所・株式会社チーム力アップ
では、中小企業の人事・労務に関する問題に
幅広く取り組んでいます。
ご相談はこのメールにご返信または
お電話で承ります。
【初回相談 無料】
TEL: 090-7551-3570
【ホームページはこちらから】
https://nihino-sr.jp
【バックナンバーはこちらから】
https://mail.os7.biz/b/Sye0
記事一覧
社労士で採用定着士の西野です。 今日は、多くの中小企業で議論に なる 「採用面接は社長がすべきか?」 というテーマについてお伝えします。 ■ 私の基本的なスタンス 私は以前
2025年12月24日
エッセンシャルワーカーの“当たり・普通・ハズレ”の差はどれくらい?
社労士で採用定着士の西野です。 前回は営業職を例に、 「当たり・普通・ハズレ」で会社が 影響を受ける損益は、5年で数千万 円規模になるという話をしました。 では、介護・保育
2025年12月17日
社労士で採用定着士の西野です。 採用の現場でよく聞かれるのが、 「良い人材・普通の人材・イマイチ な人材で、会社の成果はどれくらい 変わるの?」 という質問です。 よく「採
2025年12月10日
社労士で採用定着士の西野です。 採用面接において、 社長からよくある質問が、 「給料などの雇用条件は、いつ説明 するのがいいか?」です。 ある会社では「最初に伝える」と言い
2025年12月03日
社労士で採用定着士の西野です。 前回は、人を見抜く採用面接のポイント として、次の3つをお伝えしました。 1.ものさしをつくる 2.「本当にそうか?」を確かめる 3.入社後
2025年11月26日
社労士で採用定着士の西野です。 このところ、採用選考の精度を高める 方法についてお伝えしています。 これまでお話ししてきたのは、 ・入社後の活躍と関係が深い 「GMAテ
2025年11月19日
社労士で採用定着士の西野です。 採用面接は 「会社の未来を左右する人と会う場」。 1人ひとりを丁寧に扱うことが大切 だとお伝えしました。 一方で、中小企業に応募してくる人
2025年11月12日
社労士で採用定着士の西野です。 前々回は、 「入社後に活躍する人材を選ぶ方法」 の1つ目、 GMAテストについて紹介しました。 私がAIを使って作成しました テストを、こち
2025年11月05日
社労士で採用定着士の西野です。 このところ、採用面接について取り 上げています。 ・入社後に期待外れだった… ・「ぜひ欲しい」と思った人材ほど辞退された… ・採用した人材が
2025年10月29日
社労士で採用定着士の西野です。 人件費が高騰する今後、 中小企業にとっては 「少しでも良い人材=活躍できる人材」 を正しく見極めて採用することが ますます重要になります。
2025年10月22日
社労士で採用定着士の西野です。 前回は、 一般的に行われている採用面接の 精度は、入社後の活躍を予測する力が わずか14% にとどまる、 ということをお伝えしました。 「こ
2025年10月15日
社労士で採用定着士の西野です。 御社では、どんな採用面接をしていますか? ・「弊社への志望動機は?」 ・「あなたの強みは?」 ・「過去の成功体験や挫折体験は?」 多くの会
2025年10月08日
社労士で採用定着士の西野です。 今年も最低賃金改定の時期になりま したが、今年は少し違います。 例年なら全国一律で「10月1日発効」 ですが、今年は都道府県によってバラ つ
2025年10月01日
社労士で採用定着士の西野です。 採用の難易度を示す指標のひとつに、 ハローワークの 有効求人倍率 があります。 令和7年6月の数値を見ると、 季節調整値で 1.22倍。
2025年09月24日
社労士で採用定着士の西野です。 小規模企業が求人で応募を集める にはどうすればいいのか? 私は「求職者と共通の敵を作る」ことが 有効だと考えています。 ■共通の敵は、人を
2025年09月17日