賃金テーブルを作成する最大のデメリット
社労士で採用定着士の西野です。
人事制度の構築は、会社と社員の双方
に多くのメリットをもたらします。
会社側にとっては、各社員に求める
能力や役割を明確化し、成果につながる
行動を評価項目として設定することで
業績向上を図ることができます。
一方、社員にとっては、自身の成長ステ
ップが明確になり、将来の生活設計が
立てやすくなります。
実際、人事制度が整備されていない
ことが原因で、入社を辞退されるケース
も報告されています。
人事制度の中でも、賃金制度は特に
重要な要素です。
社員の能力や役割の向上が、
どのように賃金に反映されるのかを
明確にする必要があります。
一般的に用いられる方法の一つに
「賃金テーブル」があり、その代表例
が号俸給制度です。
例えば
1等級1号俸:200,000円
1等級2号俸:205,000円
1等級3号俸が210,000円
といった具合に、等級と号俸に応じて
賃金が設定されます。
評価に応じて、
S評価なら3号アップ
A評価なら2号アップ
といった昇給が行われます。
しかし、私はこの号俸給制度を
中小企業にお薦めしていません。
その最大の理由は、昇給幅が固定されて
しまう点にあります。
例えば、昇給幅が5,000円単位で
決まっている場合、業績が思わしく
なく昇給原資が限られている年には、
柔軟な対応が難しくなります。
その結果、実際の評価よりも下方修正
(S評価→A評価)し、昇給幅を抑制
せざるを得ない状況が生まれます。
このような評価の下方修正は、社員に
フィードバックした際、モチベーション
の低下を招くリスクがあります。
一方で、私が提案する賃金テーブルの
作成方法は、号俸給のような固定的な
昇給幅を設けず、その年の昇給原資に
応じて柔軟に昇給幅を設定するものです。
同じS評価であっても、年度によって
昇給幅が変動する可能性がありますが
評価を無理に下方修正する必要が
ないため、社員のモチベーション維持
に効果的です。
このような点を踏まえ、賃金制度の
設計には慎重な検討が必要です。
弊所では、賃金制度に関するさまざま
な手法を詳しく解説する勉強会を開催
します。
御社に最適な賃金制度を選択する
際の参考にしていただければ幸いです。
いよいよ明後日開催です。
■勉強会:タイトル
「社員20名以下:小さな会社の
人事制度の作り方」
■日時
2025年2月7日(金)14:00〜(約60分)
■お申込みはこちら:
https://form.os7.biz/f/9ec7e022/
ぜひご参加ください!
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西野社労士事務所・株式会社チーム力アップ
では、中小企業の人事・労務に関する問題に
幅広く取り組んでいます。
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